歯科助手の面接準備ガイド：質問例や面接前後にやること

歯科助手の仕事に興味を持ち、面接を受ける際には、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。この記事では、歯科助手の面接で成功するための準備方法や質問例、注意点について詳しく解説します。

歯科助手の役割と求められるスキル

また、これらに加えて「清潔感」も歯科助手には欠かせない要素です。医療現場で働く立場として、ふさわしい身だしなみが求められます。

面接の目的は「相互理解の場」

面接前の準備

クリニックの情報収集

面接前には、応募先の歯科医院の情報を十分に調べておくことが重要です。医院見学やホームページの内容をもとに、理念、診療内容、スタッフ構成、力を入れている治療などを理解しておきましょう。そうすることで、面接で具体的な質問や受け答えができるようになりますし、クリニックに対する関心を示すことができます。

履歴書と職務経歴書の準備

履歴書や職務経歴書を面接時に持参する必要がある場合には、余裕をもって準備しておきましょう。これらの書類には、これまで培ってきた経験やスキルを具体的に記載し、それらがどのように歯科助手の仕事に役立つのかを志望動機や自己PRの欄でわかりやすく伝えることが大切です。また、誤字脱字がないかどうかは複数回チェックしましょう。

一般的な質問への準備

面接では、その人の性格や、医院との相性、患者さんや同僚とのかかわり方などを知るために、さまざまな質問がなされます。下記のような事柄に関しては基本的に質問されると想定し、回答を準備しておきましょう。

面接での具体的な質問例と回答例

「なぜ歯科助手になりたいのですか？」

回答例: 「私は人と接することが好きなため、日々多くの患者さんと触れ合うことができる仕事に魅力を感じています。また、医療の分野で働くことに興味があり、特に歯科助手は、歯科医師や歯科衛生士の方々のサポートをしながら患者さんの健康に貢献できるため、やりがいを感じられると思い志望しました。」

「これまでの経験が歯科助手の仕事にどのように役立つと思いますか？」

回答例: 「前職では受付業務を担当しており、患者さんの年齢や性格に合わせて話すスピードや選ぶ単語を変えるなど、コミュニケーションを円滑に行うスキルを磨きました。また、事務作業や予約管理の経験もあり、細かい作業をミスなくコツコツと行うことを得意としています。これらのスキルは歯科助手としての業務に大いに役立つと考えています。」

「当院を選んだ理由は何ですか？」

回答例: 「貴院のホームページを拝見し、患者さん一人ひとりに丁寧に対応している姿勢に共感しました。また、最新の治療技術を取り入れている点にも魅力を感じ、私自身もこの環境でスキルを高めながら患者さんのサポートをしたいと思い志望しました。」

「チームで働く際に大切にしていることは何ですか？」

回答例: 「チームで働く際には、コミュニケーションと協力を大切にしています。お互いに情報を共有し、助け合うことで、スムーズに業務を進められると考えています。また、問題が発生した際には、迅速に解決するための話し合いを行うことも重要だと思っています。」

面接での注意点

身だしなみとマナー

清潔感のある身だしなみを心掛け、適切なマナーで面接に臨みましょう。特に、医療機関で働くことになるため、清潔感は重要です。結婚指輪以外のアクセサリーは基本的につけず、派手なメイクやネイルは控えるようにしましょう。

服装に関しては、特に指定がない場合にはスーツを着用して出向きましょう。スーツや靴、バッグなどは汚れやしわがついていないかを事前に確認し、だらしない印象を与えないようにしましょう。

髪型や髪色に関しても、清潔感や落ち着きが求められます。一般的に髪色の規定がある場合は、カラーチャートにおける6番や7番までとされています。歯科医院によって違いはありますが、明るい髪色の場合には暗めのカラーに染め直してから面接に臨むといいでしょう。

また、面接官だけでなく、院内のそのほかのスタッフにも丁寧な態度を心がけましょう。診療時間中に院内で面接を受ける場合には、診療前後の患者さんと顔を合わせる場合もあります。そのような場合も、「私には関係がない」という態度をとるのではなく、あいさつをきちんとするようにしましょう。

自信を持って話す

面接時は、自分の経験やスキルに自信を持ち、ハキハキと簡潔に話すことが重要です。緊張している場合は、深呼吸をしたり、できるだけゆっくりとしゃべるようにしたりすることで、落ち着きを取り戻しやすくなります。また、相手の目を見て、笑顔で話すようにしましょう。

質問を用意する

面接の最後には「何か質問はありますか？」と聞かれることが多くあります。歯科医院に対する興味や関心を示すことができますので、事前に質問を用意し、「特にありません」と答えることはないようにしましょう。

質問は、「一緒に働きたい」と思ってもらえるような、前向きで仕事への意欲を感じるものがいいでしょう。例えば、クリニックの今後の方針や、スタッフの教育体制、歯科助手に求めることや採用が決まった場合に準備しておくことなどについて質問するのがおすすめです。

よくある質問とその対策

「ストレスの多い環境でどのように対処しますか？」

回答例: 「ストレスが多い環境では、まずは深呼吸をするなど冷静になるように心がけています。自宅にいる場合には、ゆっくりとお風呂に入ったり、睡眠時間をいつもより多くとったりすることで、ストレスをため込まないようにしています。そのうえで、できるだけ客観的に状況を分析し、優先順位をつけながら一つひとつ対処するようにしています。」

「患者さんが不安を感じている場合、どのように対応しますか？」

回答例: 「患者さんが不安を感じている場合は、まずは丁寧に話を聞き、何に不安を感じているのかをしっかり理解することが重要だと思っています。そうすることで、その不安を消すためにはどのような説明や処置をすればいいのかを考えることができますし、自分の気持ちを理解してくれる人がいるということが患者さんの安心感につながると思います。何に不安を感じているのかが理解できたら、治療計画を詳しく説明したり、声掛けや手を握ったりすることで、その不安を解消できるように努めます。」

「差し支えなければ、前職の退職理由を教えてください。」

回答例: 「前職では、業務の大部分が受付業務でした。もちろん、受付業務も患者さんに気持ちよく診療を受けてもらうための大切な業務ではありますが、治療器具の管理や診療のサポートなど、より幅広く患者さんに貢献したいとの思いが強くなり、受付業務から診療サポートまで幅広く業務に携われる職場への転職を決意いたしました。」

「あなたの短所はどういうところだと思いますか？」

回答例: 「私の短所は、人の目を気にしてしまうところです。「これを言ったら相手はどう思うだろう」などと考え、自分の意見を言えないことがあります。ですが、以前友人に「人の目を気にしてしまうということは、相手のことを考えた行動ができるということだよね」といわれ、それからは相手の立場に立ち配慮を持ちながらも、必要な場面では自分の意見や気持ちを伝えるようにしています。」

「仕事で困難なことに直面した際、どのように乗り越えますか？」

回答例: 「まずは自分自身でその問題を解決できるように試みますが、一人ではうまくいかない場合や時間がかかりそうな場合には、周りの人に積極的に相談するようにしています。自分だけでは対処できない問題も、いろいろな人の知恵や経験を参考にすると解決策が見えてくることが多いからです。また、周りの人が困っていそうな場面では、積極的に手を差し伸べるようにしています。」

「体力的にきつい仕事ですが大丈夫ですか？」

回答例:「はい。社会人になってからは、学生の時のように定期的に運動をする機会が減ってしまったため、今は週に2、3回はジムに通っています。足腰を鍛えるトレーニングや有酸素運動を継続して行っているため、立ち仕事に関する不安はありません。」

面接後のフォローアップ

面接後に送るお礼メールは、必ずしも必須なわけではありません。しかし、送ることで相手にプラスの印象を残すことはできます。採用候補者が複数いて決めかねている場合などは、最後の一押しになる可能性もあります。もしお礼メールを送る場合には、面接当日の19時ごろまでに送るといいでしょう。また、面接が複数回ある場合は、毎回同じ文面のメールを送るのは逆効果になる可能性がありますので控えましょう。

メール例:

件名：面接のお礼【○○（自分の名前）】

○○クリニック ○○様

お世話になっております。本日、歯科助手の面接を受けさせていただきました、○○と申します。

この度はお忙しい中、面接の機会をいただき誠にありがとうございました。貴クリニックの患者さん一人ひとりに対する丁寧な対応に感銘を受け、ますますこの職場で働きたいという気持ちが強まりました。

ご縁がありましたら、貴院の一員として患者さんのサポートに尽力したいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

○○（自分の名前） 電話番号 メールアドレス

まとめ

歯科助手の面接では、事前の準備と自分の経験やスキルを的確にアピールすることが重要です。応募先の歯科医院の情報を十分に調べ、想定される質問に対する回答を準備することで、自信を持って面接に臨みましょう。