未経験で働ける歯科助手の仕事内容とは?職場でやること、就職先の種類 教えてグッピー | 医療・介護の求人・転職・募集ならグッピー
2024年2月28日更新

未経験で働ける歯科助手の仕事内容とは?職場でやること、就職先の種類

歯科助手は、歯科医院で「受付」「診療介助」「備品の管理」「事務業務」などさまざまな仕事をこなします。歯科助手になるためには、資格は特に必要なく、誰でもなることができます。

資格職ではないため、患者さんの口内に触れる業務には携わることはできません。しかしながら、歯科診療の方法や器具の名前、使い方を覚えるなど、専門性も求められるため、仕事をしながら学ぶ姿勢が求められます。

未経験でも仕事することは可能ですが、学校に通ったり通信教育を受けたりして、勉強してから仕事に就く人もいます。

このように一般の無資格で行える仕事に比べて専門性が高いため、給与が高く設定される傾向にあり、歯科医院は全国に6万以上あって活躍場所も多数であり、人気の高い仕事です。

受付
保険証・診察券の確認、電話応対、予約管理、会計など
診療介助
器具の準備、受け渡し、ライトの調整、バキュームでの吸引、印象材・セメント等の緩和など
器具・備品管理
使用した器具の滅菌処理、廃棄処理、片づけ・保管管理など
事務業務
レセプト業務、日報の記録、備品の発注、支払い業務、シフト管理、リコール業務など

今回の 教えてグッピー 歯科助手 では、歯科助手の仕事内容や役割などを紹介します。

歯科助手の主な仕事・業務

歯科助手は、資格がなくてもできる診療以外の業務や診療をサポートする「診療介助」やその他の業務を行います。診療介助以外の業務には、具体的に「受付」「器具・備品管理」「事務業務」などがあります。

歯科医師や歯科衛生士がスムーズに仕事を進め、患者さんがストレスなく治療を続けていくために欠かせない、大切な仕事を担っています。歯科助手は、患者さんに最初に応対することも多く、その歯科医院の印象を決める存在にもなるので、丁寧で誠実な応対をすることが大切です。

受付

患者さんが来院したら、受付で保険証や診察券の確認を行います。電話の応対も歯科助手の仕事です。電話は診療の問い合わせ、予約の変更など、患者さんからのものの他、業者等からかかってくることもあり、内容に応じて適切な受け答えや事務処理を行います。

診療後には会計と次回の予約を行います。システムは医院によってさまざまですが、会計は健康保険の機関に請求をするレセプトコンピューターと共通のところも多くあります。予約の管理もパソコン、ノートなど、医院によってさまざまです。予約時間になっても来院しない患者さんに電話連絡をするなどの仕事も発生します。

診療介助

歯科助手は、患者さんの口内に触れるような業務は行うことができません。診療の介助をする場合は、診療に使う器具を準備して並べる、診療中に器具を適切なタイミングで歯科医師に渡す、口腔内を照らすライトの向きを調整する、口腔内の水分や削った粉を吸い込むバキュームで口内を見やすくするなどの仕事を行います。

器具の名前のほか、介助のタイミングや流れは専門的な知識です。仕事をしながらしっかり覚えます。

型取りをするときの印象材、印象材をもとに作る模型の石膏、歯の被せ物などを装着するためのセメントなどを、材料を混ぜ合わせて練る作業(緩和)なども行います。X線撮影では、患者さんの誘導・準備や、防護エプロンの装着、姿勢やポジションの確認、フィルムの準備や現像などの仕事があります。

器具・備品管理

診療に使った器具を、専用の機器を使い、洗浄・消毒・滅菌をして所定の場所に片づけます。器具によって洗浄や消毒・滅菌の機器や方法も異なるため、正しい処理を行うことが重要です。使い捨ての器具は正しく廃棄します。

院内感染を防ぐため、消毒コーナーでの不用意な行動で菌が入りこむことがないように徹底することが大切です。さらに診療をスムーズに進め、患者さんを待たせないように、てきぱきとした対応が求められます。

また、診療ごとに行う、治療ユニットやチェアの消毒・清掃、院内の清掃も歯科助手の大切な仕事です。

事務業務

カルテの管理や、健康保険組合への請求を行うレセプト業務、備品の発注、各種支払い、スタッフのシフト管理、診療管理をする日報の記録など、歯科医院では、数多くの事務作業があります。どこまでを歯科助手が担うのかは、歯科医院によって異なります。

また、多くの歯科医院では、治療が完了した患者さんに、定期検診をすすめる案内を送ること(リコール)を行っています。歯科助手がこのリコールのハガキやメールを送付する役目を担うことがあります。

歯科助手と歯科衛生士の違い

歯科助手は公的な資格ではなく、従事するのに資格や試験は求められません。歯科衛生士は専門の養成所で3年以上学び、国家試験に合格して取得できる資格です。

歯科衛生士は、「歯科予防処置」「保健指導」「診療補助」「口腔機能訓練」「ホワイトニング」等、患者さんの口内に触れるような医療行為を歯科医師の指導のもとで行うことができます。

対して、歯科助手は口内に触れるなどのため医療行為は一切できません。受付などの事務、機材や歯科材料の準備などが主で、診療介助の際も、バキュームなど患者さんに触れない範囲の業務に限られています。

また、給与面にも違いがあり、歯科助手の年収は300万円程度、歯科衛生士は380万円前後です。

歯科助手歯科衛生士
国家資格なしあり
医療行為できないできる
学校・養成所(公式のものは)なしあり(3年以上通学)
仕事内容歯科医療業務以外の業務
(受付・事務・片付け・掃除など)
歯科医療業務
給与(年収)約300万円約380万円

歯科助手の1日のスケジュール例

「歯科医院(デンタルクリニック)」での歯科助手の1日のスケジュール例です。

業務内容は各医院によって異なり、歯科助手で業務分担をすることも多いので、ここにあることを1人がすべて行うわけではありません。

歯科医院は急患が少なく予約がメインのため、日々の患者数や業務量はある程度一定に保たれ、大きくスケジュールがずれることは頻繁にはありませんが、診療が長引いたり、急患が入るなどの理由によって残業が発生することもあります。

歯科助手の1日のスケジュールの例

時間業務内容
8:30出勤、着替え
機械類の立ち上げ
診察室、待合室を使える状態に整理
8:45朝礼、当日の予約患者さんの確認
診療準備
受付準備
9:00午前診療開始
受付、会計、予約管理、事務作業
診療介助
器具の洗浄、消毒、滅菌
12:00休憩・昼食
14:00午後診療開始
18:00午後診療終了
片づけ、器具の洗浄、消毒、滅菌
翌日使用する器具、技工物のチェック
掃除
経理処理
18:30終礼、着替え、業務終了

歯科助手の職場・就業場所

歯科助手の就業場所は歯科医院です。歯科医院は訪問診療を行う場合もあり、患者さん宅や介護施設に赴いて仕事をすることもあります。

歯科医院(デンタルクリニック)

歯科助手の就業場所は基本的に歯科医院(デンタルクリニック)です。厚生労働省の医療施設調査によると、2020年に全国の歯科医院の「歯科業務補助者」の常勤換算人数は、72,422.2人です。

常勤換算人数とは、パートタイムの人、フルタイムの人の勤務時間を全て足して、フルタイムの人何人分にあたるかを出した数字です。

例えば、週20時間勤務の歯科助手が2人、週24時間勤務の歯科助手が1人、週40時間フルタイムで勤務する歯科助手が1人という歯科医院であれば、2.6人という計算になります。

2020年の全国の歯科医院の数は67,874軒ですから、1医院に常勤換算で1人以上の歯科助手が働いていることになり、実人数ではもっと多くなります。

訪問歯科診療

高齢者が増え、歯科医師が訪問して歯科治療を行う事例が増えてきました。通常の歯科医院が訪問診療を取り入れていることもありますし、訪問専門で診療を行う歯科医院もあります。

2020年現在、訪問診療を行う歯科医院は23,707医院。全体の35%程度です。

訪問歯科診療でも、診療介助等で歯科助手が同行することがあります。訪問診療は車で行くので、その運転を任されることも多くなります。訪問先は、患者さんの自宅の他、介護施設のこともあります。

歯科助手の仕事の魅力・やりがい

歯科助手の仕事の魅力のひとつは、社会貢献度の高さです。歯科助手は直接治療には携わりませんが、歯科医師の仕事をサポートすることで、間接的に患者さんの口や歯の健康をサポートできます。

無資格、学歴不問の仕事ですが、仕事をするうえで歯科医療の知識も必要になり、働くことで専門スキルが身につきます。慣れないうちは大変ですが、新しいことを覚えるのが楽しい人には向いているでしょう。

専門性が高い分、給与も、他の無資格、学歴不問の仕事と比べて高めに設定され、安定して長く働ける仕事でもあります。

人との関わりもこの仕事の魅力です。歯科医院は、治療が終わった後も定期検診や定期的な予防処置で長く通う患者さんも多い医療機関です。受付などで患者さんに最初に接する歯科助手は、患者さんの話し相手として親しまれる存在です。歯科医師や歯科衛生士が忙しそうで話しにくいという患者さんも、歯科助手になら気軽に話せて頼りにしてもらえることもあります。

細かいことが多い歯科助手の仕事では、日々、スムーズな診療のため、効率的な仕事のため、改善点がたくさん見つけられ、自分なりの工夫もできます。自分から積極的に動ける人はよりいっそう仕事を楽しめるでしょう。

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