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2025年1月7日更新

歯科医師の将来性

歯科医師の将来性

歯科医師は、社会にとって不可欠な存在であり、将来性がある仕事といえます。むし歯などの治療においてはもちろん、口腔内を健康にすることが全身の健康に影響するため、歯科医療に大きな期待が寄せられています。近年、子どものむし歯が減り、歯を残す高齢者が増えており、予防や口腔機能管理により力を入れた診療に移行しています。

歯科医師は非常に高い専門性があり、市民の健康維持に大きく貢献できる仕事です。一生役に立つ国家資格を持っていることは収入の安定にもつながり、専門性を高めたり、仕事の幅を広げていくことで将来の発展に期待できます。歯科医師の数は今後大きく増えない見込みで、過度な競争は避けられることが予想されています。

歯科医師数の推移

厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査」より

将来性が高い理由

歯科医師は高い専門性をもって長く活躍できる職業です。一生涯有効な国家資格があり、経験を積むことで年収が1,000万円を超えることもあり将来的な発展も見込めます。歯科医院や病院以外にも、行政、介護福祉施設など幅広い職場があるほか、独立開業して自分の理想の歯科治療を行うことも可能です。

自分の技術によって多くの患者を治療し感謝される、広く社会全体の健康維持・増進に貢献するなど、やりがいも多くあります。

一生役立つ国家資格

歯科医師として働くには、国家資格でもある歯科医師免許が必要です。大学の歯学部で6年以上学び、所定の単位を取得し卒業した上で歯科医師国家試験に合格する必要があります。さらに、1年以上の研修を受けることで、ようやく歯科医師の免許が交付されます。歯科医師免許は更新する必要がなく、一度取得すれば一生働けます。国家試験の合格率が66%程度と難しいこともあり、価値が高い資格だといえます。

高い年収

歯科医師の平均給料は、年収が924万3,000円、月給が各種手当込みで69万5,800円となっています(2023年、10人以上の事業所)。調査年によって変動がありますが、傾向としては年齢を重ねるにつれて上がっていき、2023年の調査では平均年収が30代後半に1,000万円を超えています。また、非常勤で働く際の時給も8,133円と高い傾向にあります。

職場によっては、月の給与額が固定給ではなく、歩合給のところもあります。自分が担当した診療の売上のうち、規定の割合の金額を受け取る制度で、実際に働いた量や技術に応じて給料が変わるので、モチベーションの維持・向上につながることもあります。

年齢別歯科医師の年収

年齢年収
25~29歳418万6,000円
30~34歳563万4,500円
35~39歳1,119万2,200円
40~44歳1,281万600円
45~49歳1,150万6,300円
50~54歳1,377万2,300円
55~59歳809万8,700円
60〜64歳1,354万8,500円
65〜69歳1,159万6,200円

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より

理想の歯科医院開業

歯科医師は独立して自分の歯科医院を開業する割合の高い職業です。歯科医師10万5,267人のうち、5万6,767人(53.9%)が開業しています。年代別に見ると、20代はほとんどが病院または歯科医院の勤務医ですが、40代になると47.4%(男性:62.7%、女性:18.5%)が開業しており、60代では78.6%(男性:85.6%、女性:41.8%)が独立開業しています。

開業すると、自分の理想とする診療や治療を行うことができるため、やりがいの向上につながります。経営面で成功すれば、勤務医では難しい高い年収を実現することも可能です。

開業している歯科医師の割合

魅力・やりがい

歯科医師の魅力は、自分の持つ高い専門性と技術で、社会の健康維持・増進に貢献できる点にあります。子どものむし歯は減少傾向で、自分の歯を残す高齢者が増えているのは、歯科医師の努力の結果でもあります。今後はむし歯治療とともに、より予防に力が入れられるので、歯科医師の活躍も期待されています。

治療と予防に貢献

歯科医師は、歯科の治療と予防によって社会に大きな貢献をしています。長年の治療と予防活動によって、近年はむし歯を持つ子どもが減り、自分の歯を残す高齢者が増えています。今後も口腔の健康を守っていくことが期待されていて、予防分野ではより一層の働きが求められます。

むし歯を持つ人の割合の推移

厚生労働省「平成28年歯科疾患実態調査」より

高い専門性

歯科医師には厚生労働省が広告への表示を認めた5つの「専門医」資格が存在しています。「口腔外科専門医」「歯周病専門医」「歯科麻酔専門医」「小児歯科専門医」「歯科放射線専門医」があり、それぞれの歯科系学会において優れた技能や知識、経験を持っていると認定された資格のことです。

「専門医」を取得している歯科医師数

専門医口腔外科歯周病歯科麻酔小児歯科歯科放射線総数
2161101224958215877854
28818411214156042
男女計244911963901142200105276

厚生労働省「令和4年 医師・歯科医師・薬剤師調査」より

上記以外にも、各種学会において、さまざまな専門医資格や認定医資格が認定されていて、歯科医師の専門性向上のための指標となっています。専門医と認められるには、その分野の治療を数多く経験し、研究を重ねて、成果を論文等にまとめることが必要です。複数の分野の専門医を取得する歯科医師も多くいます。

全身の健康と地域医療・介護に貢献

現代の歯科医師は、診療所内のむし歯治療だけでなく、地域社会に貢献することが求められています。

現在では、口腔機能の健康が全身の健康に大きな影響を与えることがわかっており、医科とも連携して地域住民の体全体の健康増進に役立つ診療を行うことが重要です。特に高齢者においては、口腔機能を維持し、しっかり栄養を摂取して健康を保ち、要介護化や介護の重度化を防ぐことに注力されているため、歯科医師による口腔機能管理、専門的ケアへの期待が大きくなっています。

また、通院が難しい患者のため、訪問歯科診療を行うことでも地域への貢献ができます。むし歯治療や入れ歯の調整だけでなく、歯科衛生士による口腔衛生処置の推進も重要です。本人・家族へのケア指導など積極的に取り組むことが求められています。

安定した収入

歯科医師の平均年収は、調査年によってバラつきがあり、平均500万円台後半から900万円台前半で推移しています。他の職業に比べて高い水準であり、安定した生活ができる職業です。60代まで年齢が上がるごとに平均年収も上がっていく傾向にあります。

今後は人口減少などによって、歯科医院の収入が伸び悩む可能性はありますが、予防歯科への注力、地域の予防医療や介護への参画、医科との連携など、職域の拡大が予想されています。長年、歯学部が新設されていないため、新たに歯科医師となる人が大幅に増えることはないと推測されます。過当競争が避けられることも将来性を考える際によい材料です。

歯科医師年収推移

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より

歯科医師のキャリア

歯科医師のキャリアは、病院や歯科医院などに勤務して経験を積んだ後、開業医として独立することが一般的です。そのほか、大学病院の口腔外科などで専門スキルを発揮したり、研究や教育を中心に活動したり、医系技官として公務員の職を通じて社会に貢献するなどのキャリアもあります。

高齢化がさらに進み、国民が長生きする日本において、一人ひとりの口腔の健康を維持していくために極めて重要です。国の方針によって、歯科医師の数の伸びは抑えられていきますが、自らの専門性を高め、自分にしかできない仕事を確立することが大切です。そうした努力により、長く活躍してよりよい人生を切り拓いていける職業といえます。

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