自費契約率UPを通し歯科医院をポジティブに。フリーランス歯科衛生士菅原舞子さんインタビュー 教えてグッピー | 医療・介護の求人・転職・募集ならグッピー
2024年8月8日更新

自費契約率UPを通し歯科医院をポジティブに。フリーランス歯科衛生士菅原舞子さんインタビュー

歯科衛生士 菅原舞子さん

歯科医院で自費診療の提案方法やチームビルディング等のフリーランス講師として活躍する菅原さん。歯科の現場で経験したネガティブをポジティブに変えていく工夫を積み重ねたことが、今の仕事につながったそうです。これまでのキャリアを存分に伺いました。

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【お話を伺った方】 歯科衛生士 菅原舞子さん

歯科医院向け研修講師

  • 自費率、リコール率向上
  • ホワイトニング、マウスピース矯正契約率向上
  • DH採用定着のためのコンサルティング

健康経営アドバイザー

菅原舞子さんInstagram

経歴
2008年 東洋大学 経済学部卒業 ブライダル業界に就職
2013年 出産と夫の転勤で離職
2014年 三河歯科衛生専門学校入学
2017年 矯正歯科・審美歯科に勤務
2023年 フリーランスとして活動開始
2024年 日本臨床歯科CADCAM学会 関東甲信越支部 歯科衛生士部会 副部長

ブライダル業界時代は1年目で新人賞

――ブライダル業界のご出身だそうですね。どのような仕事を担当されていたのですか?

ドレスコーディネーターとして、結婚式を控えている方への営業を行っていました。教育体制がしっかりしている会社だったので、ビジネスマナー、マインドセット、接遇、歩き方、電話の取り方などから営業の基本までしっかり教わることができました。

ブライダル業界は、ドレスをはじめ一つひとつの単価が高めです。合計すると数百万になりますが、そのように価格が高いものを納得して購入していただくスキルを身につけられたと思っています。

また、はじめは迷っていたお客さまが、自分の説明によって前向きな気持ちで購入を決めてくださる瞬間は、ドレスコーディネーターとしての喜びを感じられる瞬間でした。

歯科衛生士 菅原舞子さん

2人目の出産を機に歯科衛生士の道へ

――歯科業界に転向したのはどのような理由からですか?

結婚後、二人目の子どもを産んだタイミングで夫の転勤で引っ越すことになり、それまでの仕事を辞めたことが一つのきっかけになりました。3、4年したらまた関東に戻ってくる予定だったんですが、それまでの間をどう過ごすかと考えた時に、私は戻ってきてからも働きたかったんです。

でも、子ども二人を抱えながらまたブライダル業界でバリバリ働けるかというと、それはちょっと難しいかなと。そこで、国家資格を持ち、患者さんと密にかかわることができる歯科衛生士になることを決意しました。看護師と迷ったんですが、よりワークライフバランスがとりやすいだろうと思い、歯科衛生士を選びました。

夫の転勤先が、私の実家に近かったのは運がよかったことだと思います。子どもを保育園に預け、実家のサポートも受けながら3年間学校に通い、歯科衛生士免許を取得することができました。

――久々の学生生活、家庭との両立などいかがでしたか?

自分でお金を払って新しいことを学べるのが、とても楽しかったですね。授業は日中で、拘束時間はだいたい17時くらいまでだったと思います。普通に勤務しているのと変わらない感じですね。授業が終わったら保育園にお迎えに行き、子育てをしながらレポートを書いたりしていました。

技術力をカバーするために工夫した新人時代

――歯科衛生士としてデビューした際のエピソードを教えてください。

関東に帰ってきて、「年齢はそこそこいっているけど経験値はゼロ」ということを正直に話したうえで、一般歯科に就職しました。歯科衛生士としての初めての診療は、今でも忘れることができません。緑のペーストを使ってPMTCをしたんですが、気づいたら患者さんの唇を真緑にしてしまっていたんです。「うわぁ、これからどうやって歯科衛生士として働いていけばいいんだろう」と思った瞬間でした。

そういう技術は経験の積み重ねが大事なので、練習をしたからといって次の日からすぐにスムーズにできるようになるわけではないですよね。だから私は、まずは患者さんへの声掛けで足りない技術力をカバーできるようにしました。

例えば、歯石取りの際に集中しすぎてしまうことがあります。なので、事前に「〇〇さんの気持ちをちょっと置き去りにしちゃうかもしれないです。しんどいなと思ったらいつでも正直に言って、私をはっとさせてくださいね」と伝えます。「今からちょっと痛みがあるかもしれないです」なども伝えるようにして、経験が足りないことで患者さんを不安にさせないようにしていましたね。声掛けは今も心がけています。

――患者さんとの信頼関係をつくる声掛けのコツは?

医療機関なので、どうしてもネガティブな感情は生まれやすいですよね。その中で患者さんと信頼関係を築いていくためには、不安や緊張などの気持ちにどれだけ寄り添った声掛けができるかが大事だと思います。

特に大事なのは、クリニックを出る瞬間の感情をできるだけポジティブなものにすることですね。患者さんが「何か今日は痛かったな」「いつまでこの痛み続くのかな」と思ったまま帰るのではなく、いかにポジティブにクリニックを後にしてもらうか。言葉一つでリコール率も変わるんです。

「〇〇さんにまた会えるのを楽しみにしていますね」「この治療を頑張ればずっとおいしいものを食べられるから頑張りましょうね」といった言葉があれば、前向きな気持ちで通えますよね。それが、患者さんとの信頼関係など、後々にもつながっていくんだと思っています。

歯科衛生士 菅原舞子さん

――働き方はどのようなスタイルでしたか?

最初は、非常勤で平日午前中に働いていました。もともと、ワークライフバランスを考慮して歯科衛生士の勉強を始めましたが、そのころに思っていた通りの働き方ができていたと思います。院長先生のご理解もあり、子どもの帰ってくる時間には家にいることができたので、ありがたかったです。

その後、子どもの成長に従って時間に余裕ができたことやコロナの影響もあり、平日は一般歯科、土日は審美歯科という感じで掛け持ちで働くようになりました。

――未経験での技術面の不安を、得意なコミュニケーションでカバーしたのですね。患者さんのネガティブをポジティブに変えた経験が、いまの活動につながっていますね。

自分の強みに気づいた勉強会での言葉

――現在の独立した働き方にシフトする転機となった出来事はありますか?

掛け持ちをやめ、審美歯科のみで働いていたんですが、そのクリニックで毎月150万円~200万円ほどの売り上げをホワイトニングで上げていたんです。

ホワイトニングは自由診療なのでクリニックごとに価格設定が異なるんですが、そのクリニックは12万円ほどで、割と高めの価格設定でした。その価格でもコンスタントに契約ができていたのは、ブライダル業界での経験や、不安を安心に変えるためのコミュニケーションを大切にしていたからだと思います。

ただ、そのクリニックには歯科衛生士が私しかいなかったので、比較する対象がなく、普通のことだと思っていたんですよね。

――すごいですね!得意だと気づいたのはきっかけがあったんですか?

歯科衛生士が一人の環境では、「今のやり方を続けていいのかな」と不安になることがあったんです。それを払拭しようと勉強会に情報を取りに行っていたんですが、そこで出会った方との会話がきっかけでした。

その方は教育系のコンテンツを販売している会社の方で、私の普段の業務について話すと「それはすごい!」と驚いてらっしゃいました。その際に、「契約につなげる自由診療の提案方法」を教えるオンライン講座をやらないかと提案していただいたのが、今につながっています。

――それまでに講師や研修など教育のご経験はあったのですか?

その話があったのが今から一年ほど前なんですが、それまでは講師や研修などの経験は全くなかったです。依頼をいただいてから、自分であれば何を知りたいのかを考え、一から講座の内容をまとめていきました。それが結果的にとても好評で、「うちの学会でもやってよ」「うちのスタッフにも聞かせたい」との声をいただけるようになり、研修につながりました。

その経験があり、フリーランスの講師として本格的に活動していくか、収入面での可能性から完全歩合の審美歯科で働くかを考えるようになりました。講師の道を選んだのは、好きな分野であり、得意な分野でもあると自信が持てたからです。また、家族の後押しもありました。

収入面だけで考えれば後者は安定しますが、研修を通してスタッフの方々がポジティブに変わった瞬間を見て、多くの人に発信していく道に進むことを決めました。

――歯科衛生士が一人という環境での不安をそのままにせず、行動し続けたことが今の仕事につながったのですね。

菅原さん流キャリアの育て方

――歯科衛生士としてワクワクしながら働くにはどのような心掛けが必要ですか?

まずは、歯科衛生士として患者さんやクリニックに貢献できるよう、基本的なスキルや経験を身に着けることは大切です。自分を知るためにも、3年目くらいまではとにかくたくさん行動して、好きで得意な分野を見つける。3年目からは歯科医院や患者さんから「あなたにお願いしたい」と選ばれるため、勝ちパターンを見つける努力をするとよいのではないかと思います。

私は発信していくことが好きなことであり得意なことだと気づけましたが、そこに至るまでには、試してみたけれど合わなかったなと思う分野もありました。実際に経験してみることで自分の強みを見つけやすくなりますので、ぜひたくさん行動してほしいですね。そうやって強みを伸ばしていくと、ワクワクとやりがいを感じながら働けるようになると思います。

――自分を分析することや行動量が大切なのですね。ありがとうございます。今後の活動を応援しています!

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歯科衛生士 菅原舞子さんのTaking Action!

  • 家族の転勤・出産という転換期に、積極的にジョブチェンジ
  • 技術力をカバーするために工夫した「患者さんへの声掛け」が、今の研修プログラムに活かされた
  • DHが一人の環境で自分の得意に気づけなかったが、自ら勉強会へ参加する行動力が研修講師への道をつないだ
  • 歯科業界や歯科衛生士の働く環境のために現在も活動中

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