歯科衛生士は副業できる?おすすめの副業、社会保険など知っておきたいあれこれ
専門的なスキルと知識で、患者さんの口腔内の健康をサポートする歯科衛生士。新たな経験を積んだり収入を増やしたりするために、副業を考える方も多いでしょう。副業ができるかどうかは、現在の職場の就業規則によります。そこで今回は、副業をする前に調べること、オススメの副業などをお伝えします。
💡 この記事で紹介すること
歯科衛生士が副業を始めるとき考慮すべきポイント/おすすめの副業/法的な手続き
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歯科衛生士の副業はOK?
働き方改革などの影響により、副業が可能な歯科医院が増えています。歯科衛生士は持ち帰りの仕事などがなく、診療時間が固定なので、比較的オンとオフの切り替えがしやすい仕事です。月の稼働時間によっては、副業しやすい職種と言えるでしょう。
非常勤の方はとくに、Wワークされている方も多いと思います。
まずは職場の就業規則をチェック!
ただし、本業によっては副業が認められていない場合もあり、副業するには条件がある医院もあります。事前に確認して、副業が可能かどうか、どのような副業ができるのかを把握しましょう。
副業が社会保険の加入条件にあてはまる場合
また、本業で社会保険に加入している歯科衛生士の方で、副業でも加入要件を満たす場合には、所定の手続きが必要になります。
具体的には、被保険者本人が主たる勤務先を選択し、年金事務所に「健康保険・厚生年金保険 所属選択・二以上事業所勤務届」を提出する必要があります。
後半の「副業をはじめるとき気をつけるポイント」で詳しく説明をしていますので、ぜひ確認してください。
✅ ポイント
- 職場の就業規則を調べる
- 副業が社会保険を満たす場合手続きが必要
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常勤・非常勤・公務員それぞれの対応
常勤の場合
歯科衛生士として、歯科医院に常勤で勤めている場合には、就業規則を確認しましょう。
💡 具体的にどんな規則がある?
「副業禁止」と就業規則で定められている場合もあれば、「事前に申告を行えば可能」「本業に支障が出ない範囲であれば可能」など、条件付きで副業 OKとしている場合もあります。
💡 就業規則にない場合
規模の小さい歯科医院などで就業規則がない場合には、院長に確認しましょう。就業規則がないからと言って勝手に副業を始めてしまうと、後々トラブルに発展する可能性もあります。
非常勤の場合
パートタイマーやアルバイトなど非常勤で働いているのであれば、基本的に副業は可能な場合がほとんどです。ただし、中には非常勤勤務の副業に関しても就業規則で定めている場合がありますので、事前に確認はしておきましょう。
公務員の場合
保健所や国立病院などで公務員として働いている歯科衛生士は、基本的には副業はできない可能性が高くなっています。
国家公務員法や地方公務員法に明記されている「私企業からの隔離」や「営利企業への従事等の制限」により、副業が禁止されていることがほとんどのためです。
不動産賃貸や太陽光電気販売、農業など一部可能なものはありますが、公益性が低く営利目的の副業は基本的に禁止されています。
ただし、近年の働き方改革は公務員の働き方にも影響を与えており、地方自治体の中には副業を解禁する自治体も出てきています。公益性や継続性、自治体の発展に対する貢献度などの基準が設けられており、収益性という点では高いとは言えませんが、業務に付随する交通費や食費を含む報酬を受け取ることが認められるようになってきています。
また、ボランティアやプロボノといった、無償での奉仕活動は基本的にすることが可能です。
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歯科衛生士におすすめの副業の種類
では、歯科衛生士が副業をする場合、どのような仕事があるのでしょうか。歯科衛生士としてのスキルを活かせる副業や、今後のキャリアにつながる副業など、おすすめの副業を紹介します。
非常勤のクリニック勤務
新たにスキルを身に着ける必要や道具を準備する必要がなく、最も気軽に始めやすいのが非常勤でのクリニック勤務ではないでしょうか。歯科衛生士として持っているスキルを活かしながら、別の職場で働くことで新たな視点を持つことができるようになります。
単発や週一日から募集している歯科医院も多く、高単価である場合も少なくないため、空いた時間を効率的に活用することができます。アルバイトやパートなどの雇用形態で雇用契約を結ぶのが一般的です。
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フリーランスの歯科衛生士
歯科医院などと業務委託契約を結び、フリーランスの歯科衛生士として働くという方法もあります。非常勤でのクリニック勤務との違いは、雇用契約を結んでクリニックに所属するのではなく、個人事業主として業務を請け負っているという点です。
フリーランスの歯科衛生士としての働き方は多種多様です。歯科医院や病院などで歯科衛生士として臨床業務を行う場合もあれば、歯科衛生士として培ったスキルや知識を講演・執筆したり、歯科衛生士の指導業務を行ったりすることもできます。また、介護施設での口腔内ケアや企業検診での口腔内検査を担当することもあります。
歯科関連のライター・ブロガー
「自宅でできる仕事がしたいといった場合には、歯科関連のライターやブロガーがおすすめです。歯科衛生士としての知識を生かして歯科関連の記事を書くことで、報酬を得ることができます。
ライターの場合には企業からライティング業務を請け負って報酬を得る、ブロガーの場合にはブログに掲載した広告から収入を得るのが一般的です。
医療関係のライティング業務は需要が高く、歯科衛生士などの専門資格を持っている場合は、そのほかのライティング業務よりも文字単価が高い傾向にあります。
💡こんな方におすすめ
✓ 自宅でできる仕事がしたい
✓ 早朝や夜間などのすき間時間を活用したい
✓ 文章を書くことに抵抗がない
オンライン講座
オンライン講座を開催して収入を得るというのも、歯科衛生士の副業として人気があります。一般の方に対して口腔ケアに関するセミナーを開催することもできますし、歯科衛生士として働く方に対してスキルや知識を伝えたり、歯科衛生士の教育について講義したりすることもできます。
オンライン講座を開催する方法としては、講座を主催している企業に所属する方法のほか、YoutubeやInstagram などのSNS・セミナー開催アプリなどを使って個人で開催する方法があります。また、オンラインではなく、コワーキングスペースなどを借り、対面で行うこともできます。
歯科以外の業種
歯科以外の業種のスキルを身に着けて副業を行うという手もあります。ネイルのスキルを身に着けてネイリストとして働く、WEBデザインを学んでWEBデザイナーとして働くなど、自身の興味・関心に合わせた仕事がおすすめです。運動不足を解消するために、Uber Eatsなどの配達員をする方もいます。
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歯科衛生士が副業をするメリット
副業をすることには、いくつものメリットがあります。
スキルアップにつながる
まずは、スキルアップにつながるという点です。例えば、非常勤やフリーランスとして本業とは別の歯科医院で働く場合、本業では扱っていない機器や歯科材料を利用したり、本業とは異なる進め方でケアを行ったりすることがあります。新しい治療方法に触れることで知識を深めることができ、これらの経験が本業にも生かされるようになるでしょう。
収入の増加
また、収入が増加するという点も副業の大きなメリットです。生活費の補填はもちろん、趣味やスキルアップ、自己研鑽のために収入を活用することで、生活をより豊かにすることができます。将来を考え、貯蓄や投資に回すのもおすすめです。
そして、副業をすることで視野が広がるという点も忘れてはなりません。特に、他業界で副業をする場合は、歯科という特定の業界以外の働き方を知ることができます。今後のキャリアを改めて見直すきっかけにもなるでしょう。
副業をはじめるとき気をつけるポイント
さまざまなメリットがある歯科衛生士の副業ですが、始める際にはいくつか気を付けておくことがあります。
時間と体調の管理
まずは、時間と体調の管理をしっかりとすることです。勢いに任せて副業を始め、睡眠や食事の時間がおろそかになって体調を崩してしまったり、本業に支障が出てしまったりしては元も子もありません。
本業とのバランスを考えながら、無理なく両立できる範囲でスタートしましょう。空いている時間をすべて副業に充てるのではなく、しっかりと休日や休息時間もスケジューリングしておくのがおすすめです。
情報管理、法的な手続き
前述したように、副業が可能かどうかは雇用形態や就業規則によって異なります。就業規則に副業可能と記載がある場合にも、事前に院長や先輩スタッフに相談をしておくことが、無用なトラブルを避けるためには大切です。
💡 副業先で社会保険加入が必要な条件は?
また、一定の条件を満たす場合には、副業先でも社会保険に加入することになります。
一定の条件とは、「1週間の所定労働時間および 1月の所定労働日数が、一般社員の4分の3 以上である」もしくは、下記の条件のすべてを満たす場合です。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 所定内賃金が月額8.8万円以上
- 2カ月を超える雇用の見込みがある
- 学生ではない
参照:日本年金機構 令和6年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大
本業と副業の2か所で社会保険加入要件を満たす場合は、要件を満たした勤務開始日から10日以内に、被保険者本人が主たる勤務先を選択し、選択する勤務先がある地域の年金事務所に「健康保険・厚生年金保険 所属選択・二以上事業所勤務届」を提出する必要があります。
そして、副業での収入が20万円以上の場合には、確定申告が必要になります。確定申告をしないと脱税になってしまうため注意しましょう。
ネットワークを活用
副業を無理なく安定的に進めるためには、業界のネットワークを活用することが大切です。以前働いていた職場の上司や同僚、副業をしている歯科衛生士の友人などと積極的にコミュニケーションをとり、情報を収集したり、アドバイスを求めたりしましょう。勉強会に参加するなどして、新たな人脈を構築するのもおすすめです。
まとめ
歯科衛生士としてのスキルや知識を活かしながら副業を始めることで、新たな収入源を確保でき、キャリアの幅を広げることができます。副業が可能な歯科医院は、これからさらに増えていくことでしょう。
今、転職を考えているという歯科衛生士の方は、スキルアップや収入アップ、理想のキャリア形成のために、副業可能な歯科医院を選択肢にぜひ加えてみてください。
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