歯科衛生士の週休3日制とは?メリットと働き方の実例を徹底解説
週休3日制が導入される背景
常勤で働く歯科衛生士の週休3日制勤務が注目されています。その背景には、結婚や出産、育児などライフステージの変化に合わせた多様な働き方へのニーズやワークライフバランス改善、ストレス軽減、スキルアップの時間確保などの理由があります。この記事では、週休3日制のメリットや具体的な働き方について詳しく解説します。
週休3日制の働き方とは?
週休3日制とは、1週間のうち3日間を休みとし、4日間を労働日にする勤務形態です。
圧縮労働型
1日の労働時間を10時間に設定することで、週の合計労働時間を維持しつつ休みを増やすことができる働き方です。
労働日数(時間)・報酬削減型
1日の労働時間は変えずに休みを増やし、その分給料も少なくなる働き方です。
労働日数(時間)削減・報酬維持型
1日の労働時間も給与も変更しない働き方です。
変形労働時間制
1日の勤務時間を調整する制度としては「変形労働時間制」もあります。これは、1カ月や1年間などの単位で労働時間を計算する制度です。
例えば、繁忙期には 1日10時間、閑散期には1日6時間の勤務とすることで、全体では所定の労働時間となるように調整を行います。
💡POINT
一般的には1週間の労働時間は 40時間以内になるように労働時間が設定されますが、「常時使⽤する労働者数が 10人未満の商業、映画・演劇業(映画の製作の事業を除く)、保健衛生業、 接客娯楽業」は特例措置対象事業場となり、1週間の労働時間が44時間以内となる場合もあります。
歯科医院もスタッフが10名以下の場合は、この特例措置対象事業場となります。
歯科衛生士が週休3日勤務で働く例
求人サイトGUPPYから「週休3日」求人の働き方の例を紹介します。
1:休日が金・土・日
一日の労働時間は10時間。朝が8:00~と早いため、平日早く切り上げたい方におすすめのパターンです。 月曜から木曜日までが勤務日。
条件 | 詳細 |
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休日 | 金・土・日 |
1日の労働時間 | 10時間(8:00〜18:00) |
休憩時間 | 1.5時間 |
給与 | 34万円~ |
GUPPY求人より
2:休日が土・日・月
土日月が休日、火曜~金曜まで集中して稼働するパターンです。
条件 | 詳細 |
---|---|
休日 | 土・日・月 |
1日の労働時間 | 10時間(9:00〜19:00) |
休憩時間 | 1.5時間 |
給与 | 28万円~ |
GUPPY求人より
3:休日が2日に1日
休日が2日に1度。体力面での消耗を軽減しながら働けそうな勤務スタイルです。
条件 | 詳細 |
---|---|
休日 | 2日勤務したら1日休み |
1日の労働時間 | 10時間(9:00〜19:00) |
休憩時間 | 1.5時間 |
給与 | 28万5千円~ |
GUPPY求人より
週休3日制のメリット
ワークライフバランスの向上
週休3日制であれば、子どもの学校行事や体調不良の際に休みを充てることができ、子育てをしている歯科衛生士の方でも働き続けやすいというメリットがあります。
また、独身の方の場合は、休みの時間を資格取得の勉強時間にしたり、友人と会ったり、趣味に充てたりと、プライベートのために有効活用することができます。
ストレスや疲れを軽減できる
日々患者さんと向き合い、健康をサポートする歯科衛生士という仕事は、長時間労働であることも多くストレスや疲れがたまりやすい職種です。しかし週休3日制であれば、基本的に2、3日に一度休日があるため、たまったストレスや疲れをリフレッシュさせやすく、体力的にも精神的にも健康的に働きやすくなります。
結果的に業務環境へのモチベーションも維持しやすくなるため、長く安定的に働いていきやすいというメリットもあります。
スキルアップの機会が増加する
休日が増える分、その余暇を利用して知識や技術の習得などをすることができます。歯科衛生士業務に関連するセミナーに参加したり、専門性を極めるために資格取得の勉強をしたりできるため、その後のキャリアアップにつながります。
週休3日制のデメリットとその対策
1日の労働時間が長い可能性がある
日本の企業の多くは、「圧縮労働型」もしくは「労働日数(時間)・報酬削減型」を採用しています。
そのため、週休3日制の場合に、残りの4日間の勤務時間は1日10時間に設定されていることもめずらしくありません。
また、歯科医院の多くはお昼の休診時間が設定されているため、その時間と合わせて1日に90~120分の休憩時間が設定されていることも多く、1日の拘束時間は長くなりがちです。
このような長時間労働による疲れやストレスを避けるためには、休日をある程度自由に選択できたり、土日に加えて週の半ばである水曜日に休日が設定されていたりする歯科医院を選び、ストレスコントロールや体調管理をすることが大切です。
また、残業がどれくらい発生するのか、歯科衛生士の人数に余裕があるかどうかもチェックしておきましょう。
給与が減額になる場合がある
「労働日数(時間)・報酬削減型」の歯科医院であれば、週休2日制の一般的な給与水準よりも 3、4 万円ほど給与総額が減る可能性があります。
「働いている時間が少ない分、仕方ない」と割り切ることもできますが、収入の減少は生活に支障をきたす恐れもありますので、家計の収支管理をしっかり行っておくことが大切です。
また、中には副業を認めている歯科医院もあります。休みが増えて空いた時間を有効活用できるよう、そういった点も事前に確認しておくといいでしょう。
患者対応や同僚とのコミュニケーションの減少
週休3日制になることで、必然的に患者さんや同僚と関わる機会は少なくなります。それにより、スムーズなコミュニケーションがとりづらくなることもあり得ます。面と向かってのコミュニケーションの時間が少なくなる分、スタッフ間で利用している業務日誌や連絡ツールなどがあれば、それらを有効活用したり、定期的にランチを一緒にとったりするなどして、コミュニケーション機会が減ることによるトラブルが起きないように注意しましょう。
週休3日勤務は今後増える見込み
週休3日制勤務は、歯科衛生士にとって理想的な働き方の一つです。ワークライフバランスを保ちながら、仕事の質を向上させることができます。しかし、1日の業務時間増加や収入減など、課題も残ります。
今後、さらにこの制度が広がることで、歯科業界全体の働き方改革がよりよく進むことが期待されます。
「歯科衛生士 週休3日」のよくある質問
- 週休3日制と完全週休3日制の違いは何ですか?
- 週3日以上の休日が、1カ月に1回以上あるのが「週休3日制」で、毎週必ずあるのが「完全週休3日制」です。毎週なのか月に1回なのかでは大きく違いますので、求人情報や面接時には必ず確認しておきましょう。
- 正社員でも週休3日制が可能ですか?
- 正社員でも週休3日制で働くことが可能です。週休3日制が可能な歯科衛生士求人の多くは、雇用形態が正社員となっています。
- 週休3日制を採用しているのは、どんな歯科医院が多いですか?
- 新規開業をする歯科医院は、週休3日制を採用している確率が高いといえます。これは、開業時の時代の動向やニーズに合わせて、働き方を決定している医院が多いためです。また、都心のオフィス街などにある歯科医院も比較的週休3日制を採用している割合が高くなります。これは、出勤前の早朝診療や仕事終わりの夜間診療などを行い、診療時間が長く設定されていることが多いためです。1日の労働時間が長い分、週休3日制を採用している割合が高いといえます。 ただし、近年は働き方が重要視されるようになり、特に歯科医院は歯科衛生士などの人手が不足している医院が多いことから、上記の例以外にも週休3日制を採用している歯科医院は増えてきています。長く働いてくれる歯科衛生士を求め、好条件で求人を出している歯科医院は多いため、お住まいのエリアで週休3日制で働ける歯科医院がないかぜひ探してみてください。