歯科衛生士の給料「手取り」とは? 教えてグッピー | 医療・介護の求人・転職・募集ならグッピー
2024年9月6日更新

歯科衛生士の給料「手取り」とは?

歯科衛生士の手取りの給料

歯科衛生士としてのキャリアを考えている方や、既に現職の方にとって、給料や手取りの実情は重要な関心事です。本記事では、歯科衛生士の給料と手取りについて詳細に解説します。給料の仕組み、手取り額の計算方法、地域別の差異、そして給料アップのための方法についても触れます。

歯科衛生士の基本給料

全国的に見た歯科衛生士の平均月収は、29万6,200円ほどです。この数字は、厚生労働省が公表する賃金構造基本統計調査などから得られたデータに基づいています。また、5,000円〜15,000円程度の各種手当を含んだ額となっています。

初任給の目安

歯科衛生士の初任給は、平均で24万円ほどです。初任給は、勤務する地域や施設の規模などによって異なりますが、全体的にみると2021年度からは1万円ほど、2015年度からは3万円ほど上がっており、歯科衛生士の初任給額は年々上昇傾向です。

経験年数による昇給の傾向

歯科衛生士の給料は、経験年数に応じて徐々に上昇します。一般的には、経験を積むことでスキルが向上し、それに伴って給料も上がっていく傾向にあります。

年齢別で平均年収を見てみると、20代前半は311万円ほどですが、30代前半には402万円ほど、40代後半には471万円ほどに上がるという結果が出ています。

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給料と手取りの違い

給料とは

まず給与は、雇用契約で定められた基本給や各種手当などを含んだ総額のことを指します。

そこから交通費や資格手当などの各種手当を引いた基本給が、給料です。

ただし、給与と給料は同じ意味でつかわれている場合も多くあります。そのため、転職活動などの際には「各種手当を含んでいるのか」「基本給はいくらなのか」を細かくチェックすることが大切です。

手取りとは

そして、労働者が実際に手にする金額はそこから各種控除がなされた額であり、その金額を一般に手取り額と呼びます。各種控除には、所得税や住民税、社会保険料などがあります。

手取り額の計算方法

社会保険料の控除

社会保険料には、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などが含まれます。これらの保険料は、給料から自動的に差し引かれ支給されます。

所得税と住民税の計算

所得税は、年間の所得に応じて段階的に計算されます。また、住民税も一定の割合で給料から引かれます。

手取り額のシミュレーション

例えば、月収25万円で扶養家族のいない、40歳未満の歯科衛生士の場合、各種控除後の手取り額はおおよそ20万6千円となります。年収にしてみると、額面上の総支給額は300万円、手取り額は248万円ほどです。※ボーナスは含みません

シミュレーションのため、勤務地や交通費、残業の有無によって実際の額は変動しますが、おおよその手取り額をイメージすることができるかと思います。

地域別の給料の違い

都市部 vs 地方

一般的に、都市部のほうが地方よりも給料が高い傾向にあります。これは、生活費や需要の違いによるものです。ただし、歯科衛生士は近年売り手市場となっており、歯科衛生士を探している歯科医院は数多くあります。そのため、歯科衛生士が不足している地方の歯科医院などでは、平均給与を引き上げたり、各種手当をつけたりすることで、優秀な歯科衛生士を獲得できるよう尽力している場合も多くあります。

地域による手取り額の差異

給料だけでなく、地域によって控除額も異なるため、手取り額にも差が生じます。例えば、都市部では住民税の納税額が高くなる傾向があります。しかし、これは多くの場合は、住民税の所得割によるものです。住民税は、前年の所得によって算出される所得割と、所得に関係なく一律で算出される均等割の2つの計算方法で算出されています。そのため、大手企業や官公庁などが集中している都市部では、所得割による算出金額が高くなり、住民税の納税額も高くなると考えられます。均等割で算出される金額も、市区町村によって差はありますが、その差は大きくても1000円程度となっています。

給料アップのための方法

スキルアップと資格取得

特定の資格を取得することで、給料が上がる可能性があります。例えば、歯科衛生士の専門資格や関連する他の医療資格を取得することが効果的です。

歯科衛生士の専門資格には、以下のようなものがあります。

・日本歯周病学会認定歯科衛生士
・日本口腔インプラント学会認定歯科衛生士
・日本歯科麻酔学会認定歯科衛生士
・日本小児歯科学会認定歯科衛生士
・日本成人矯正歯科学会認定矯正歯科衛生士

これらは、歯科衛生士業務におけるより専門的なスキル・知識を持った者に与えられる資格です。主に、各学会が認定・運営を行っており、受講資格として臨床経験年数が定められていたり、症例提出が必要だったりします。難易度はどれも高い傾向にありますが、取得していることでより専門的なケアやメンテナンスを患者さんに提供することができます。資格手当による収入アップや、転職活動におけるアピールポイントの獲得にもつながるでしょう。

そのほか、歯科衛生士業務に関連する資格を取得するのもおすすめです。関連する資格としては、日本歯科医師会認定歯科助手や歯科医療事務管理士、トリートメントコーディネーター、ホワイトニングコーディネーターなどがあります。どの資格を選ぶ場合にも、自分自身の強みや働く上での目的、やりがいなどと照らし合わせながら決めると、実務や今後の方向性とのずれをなくしやすくできるでしょう。

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転職活動のポイント

転職する際には、自分のスキルや経験をアピールし、より良い条件で働ける職場を見つけることが重要です。また、求人情報だけではわからないこともたくさんあります。職場見学を行ったり、採用担当者や院長だけでなくその医院で働く歯科衛生士の方からも話を聞いたりすることで、よりリアルな職場環境を知るようにしましょう。「実際に働いてみたら、想像と違った」「聞いていた話と違う」といったギャップを避けやすくなるため、長く安定的に働ける職場を見つけやすくなります。

効率的な時間管理とパートタイムの併用

フルタイムの仕事に加えて、パートタイムの仕事を併用することで、収入を増やすことも可能です。以前働いていた職場や友人が勤めている歯科医院などで、単発や週1日などの短時間バイトを募集している可能性があるので、聞いてみるといいでしょう。

その他の収入アップの方法(副業など)

副業を考える際には、自分の得意分野や興味に合わせたものを選ぶと良いでしょう。歯科衛生士としての経験がある程度ある方であれば、例えばオンラインでの歯科衛生士教育や歯科医院に向けたコンサルティングなどをする方もいます。また、歯科医療の知識を生かした一般向けのSNS発信やライター業務などもあります。

給料に関するトラブル事例と対策

雇用契約書や労働条件通知書と実際の待遇が異なる場合、労働者はその契約を解除しすぐに退職することができます。それにより「同僚の残業時間が長くなった」「患者さんからクレームが来た」といったトラブルが起こった場合も、労働者に責任はありませんので、気にする必要はありません。

そのほか、「始業時間の15分前に出勤することが慣例になっている」「週に一度、掃除の時間があるが業務時間に含まれていない」といった、不満を言い出しづらいトラブルがある場合もあります。そのようなことを避けるためには、医院見学に行って職場のスタッフから直接話を聞くなどすることが大切です。

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まとめ

歯科衛生士の給料と手取りについての知識を深めることで、自分のキャリアをより良いものにするための道筋が見えてきます。将来の計画に記事をヒントにしていただけたらと思います。

歯科衛生士のよくある質問

パートタイムで働く場合、歯科衛生士の時給はどのくらいですか
歯科衛生士の時給は、1,500円から2,000円程度となっています。勤務地や資格の有無などによっても異なりますが、2,000円以上の高時給で働く歯科衛生士の方もいます。
歯科衛生士が収入アップをするためには、どんな方法がありますか?
歯科衛生士の方が収入アップを目指す場合、まず考えられるのはより待遇のいい歯科医院への転職です。そのほか、資格を取得することによる資格手当、副業で収入を増やすといった方法もあります。
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