歯科衛生士が院長との人間関係でつらいと感じたことは?
歯科衛生士を対象にした調査で転職理由の上位にランクインする「院長との人間関係」。コミュニケーションの問題は正解がないため一人で抱えがちです。歯科衛生士の方々に院長とのコミュニケーションでつらいと感じたエピソードを話してもらいました。
院長との関係でつらいと感じたこと
現役歯科衛生士を対象にした座談会で、院長とのコミュニケーションでのつらいエピソードを話してもらいました。
落合さん
前の職場ですけど、主任として働いていたので仕方ないことではあるんですが、後輩の子たちがミスをしたのはすべて私の責任だと言われると、やっぱりきつかったですね。 私の教え方の問題もあるけど、何かと当たるのが私だった。一方的に言われると「しんどいな」と思いました。
コミュニケーションが難しいとき
そのほか、歯科衛生士の方々に院長とのコミュニケーションを難しいと感じたときのエピソードをお聞きしました。
情報共有
担当患者さんについて、その治療をする背景や理由を聞いてもあいまいな返答しかなく教えてもらえないとき、難しく感じました。
言葉の強さ
いつも言い方がきつい院長。「なんでそんな言い方するの?」と思ってしまいます。言っていることは正しいし理解したい。
見学での印象
第一印象
医院の見学へ行ったときのこと。スタッフさんの説明を聞きながら院内を回っているとガラス越しに視線を感じました。奥の方に目をやるとこちらを見ている人が。あとで院長先生だとわかりました。「どうも院長の〇〇です」と、出てきてくれたら違和感がなかったと思います。やっぱり第一印象は大事だと思います。
周りへの配慮
院内を見学中、患者さんやスタッフがいる場で「お子さん何人?」と聞かれました。プライベートなことでも確認したい場合もあると思います。面接のときに「失礼ですけどご結婚されてますか?」「予定はありますか?」とか聞かれるなら答えやすいです。
院長との人間関係は転職理由の上位
歯科衛生士会の調査によると、常勤歯科衛生士の「勤務先変更の理由」の上位に入るのが「経営者との人間関係」です。
常勤では3割以上、非常勤で働く人の場合でも4人に1人の割合にもおよび、見過ごせない問題であると考えます。
勤務先変更の理由(常勤)
日本歯科衛生士会「第9回歯科衛生士の勤務実態調査報告書」より
信頼関係をつくるには?
今回のお話によると、問題の大部分は人と人との信頼関係不足が原因であることがわかります。
人と人との信頼関係の問題
人との信頼関係は、制度や報酬だけでなくお互いの努力やコミュニケーションがつくります。構築のために時間や頻度が必要になる分、一度築いたら壊れにくいものです。
信頼関係をつくるポイント
職場は価値観の異なる人が集まる場なので、相手と自分の幸せとが一致しないことはあるでしょう。コミュニケーションは「まず自分から相手を理解する」ことで変わっていきます。なかなか理解しがたくても、感情を入れずに客観的に相手を捉えましょう。
お互いにできることとしては、日常的なコミュニケーションでお互いを認め合うことのほか、適切に褒められたり指摘されたりするなかで信頼される努力をすること、そして経営者とスタッフの「あたりまえ」を理解しあうなど、日々、小さな気遣いの交換をしていくことが考えられます。
期限を決めて向きあう
自分で手を尽くしたけどストレスフルな環境が常態化している場合もあるかと思います。そのようなときはそのままにせず、期限を決めて問題と向き合うことも必要でしょう。
今、人間関係の問題がつらかったとしても、経験したい業務、身に着けたいスキルなど期限と目標を決めて、主体的に働くことで人間関係の受け止め方が変わる場合もあります。
また、自分の何年後はどうしていたいか?家族のことは?こうありたいと思う状態を明確にすることも大切です。
そうすることで転職の道を選んだとしても、新しい職場で将来のビジョンや目標をもって仕事ができるでしょう。
印象の良い院長とのエピソード
印象の良い院長とのエピソードもお聞きしました。
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