歯科衛生士の復職支援事業、リスキリング支援の状況
歯科衛生士の離職防止・復職支援に向け、国を挙げた取り組みが進められています。 歯科衛生士は結婚や出産で離職したのち、一定数がやむを得ず他業種へ転職する傾向もみられます。そのような中、復職とリスキリング(Reskilling)を応援する歯科医院も少しずつ増えています。
目次
リスキリングとは
「リスキリング」という言葉は「Reskillings」と書き、“リトライ”など再実行を表す「Re」と、「skill(スキル:能力)」を組み合わせた言葉です。
経済産業省による資料では「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と解説されています。
リスキリングはGoogleでの検索数が2021年ごろから急激に増えたトレンドキーワードでもあります。日本では社外学習・自己啓発を行っていない人の割合は46.3%。諸外国と比べ社会人で学び続ける人の割合が少ない状況が明らかになっています。
復職人材とリスキリング
リスキリングが注目される背景には、出生数の減少のほか、日本人口の約3分の一が65歳の超高齢化による働き手不足の問題があります。リスキリングを通したキャリアアップ・復職・就職支援などが国をあげて進められ、おもに経済産業省が主管となりIT業界での取り組みが広がっています。※参考:第27回中央訓練協議会資料
歯科衛生士の復職支援事業の状況
離職人材の多い歯科衛生士においても復職支援や離職防止の取り組みが進められています。厚生労働省の主管により以下のような対策が進行中です。
歯科衛生士に対する復職支援・離職防止等推進事業
歯科衛生士の技術修練部門の運営
- 歯科衛生士の復職支援等に必要な設備 (歯科用ユニット、マネキン、模型等)を整備
- 就業中または復職を希望する歯科衛生士への研修を実施
- 研修内容にはシミュレータ・模型を用いた実習や実際の患者に対する実習を含む
技術修練部門の設置の状況
まずは特定の地域で小さく始めたモデル事業を今後、47都道府県に横展開する方針で研修施設の運営が進められています。
研修指導者養成研修
復職支援の中核となる研修指導者や臨床実地指導者等の育成を目的とし、研修会やワークョップを全国各地で開催することを推進する事業です。
今後に向けた課題
離職した歯科衛生士に効率よく復職支援の情報を届ける方法に課題。学校を卒業して結婚などすると名前が変わり連絡が取れないケースも。現在は、技術修練部門の整備・運営する大学の地域の養成校から連絡するなどの方法。
歯科医院が過当競争にあるなか、夜間まで診療する医院や土日勤務のある医院も多い。勤務時間のハードルから子育てが落ち着いてから復職を検討することになるが、ブランクが長期になるほど復職の心理的なハードルも高くなる。受けやすい研修の整備が望まれる。
離職と復職の事業が一緒になっているため、復職に必要なスキルを身に着ける研修と、高度なスキルアップに向けた研修が混在している印象がある。
復職支援事業はサポートする教育機関の問題や、離職した歯科衛生士への連絡が難航しているなどさまざまな問題がありますが、コロナ禍を経て、取り組みが本格化しています。
今後の動きに注目しましょう。
各都道府県の歯科医師会での研修
歯科医師会では各地域ごとに歯科衛生士の復職支援事業を行っているケースもあります。支援の方法は、地域によってさまざまです。興味のある方は下記よりご確認ください。
復職支援の体制があり、リスキリングを支援する歯科医院が少しずつ増えているのをご存じでしょうか?長期ブランク後の復職に理解のある歯科医院が増えています。
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