歯科衛生士の求人倍率、新卒 2023年は過去最高
歯科衛生士の求人倍率は非常に高く、とくに新卒の就職者では23.3倍というデータがあります。多くの歯科医院で予防や口腔ケアを重視していることもあり、長年にわたって歯科衛生士不足となっているのが現状です。ニーズの高さは新卒の給与にも影響していて、2023年卒の歯科衛生士の平均的な初任給は24万7,400円(GUPPY調べ)で、一般大卒の女性の初任給よりも3万円以上高い水準となっています。
高い求人倍率がありながら仕事の魅力ややりがいも多く、歯科衛生士の実態調査では8割以上が「現在の仕事にやりがいを感じている」と回答しています。
卒業、就職、求人状況および入学定員、志願者、入学者数について
令4年度 | 令和5年度 | |||||
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卒業者数 | 就職者数 | 求人件数 | 求人人数 | 入学定員 | 志願者数 | 入学者数 |
7,162 | 6,371 | 88,740 | 148,289 | 9,811 | 10,197 | 8,317 |
一般社団法人 全国歯科衛生士教育協議会資料より
就職者に対する求人件数倍率 | 13.6 |
就職者に対する求人人数倍率 | 23.3 |
志願者倍率=志願者数/入学定員 | 1.04 |
定員充足率=入学者数/入学定員×100 | 84.8% |
志願者数が定員に満たない学校 | 52.2% |
入学者が定員に満たない学校 | 68.0% |
一般社団法人 全国歯科衛生士教育協議会資料より
歯科衛生士の高い求人倍率
2023年4月の歯科衛生士学校・養成校卒業生に対する求人倍率は23.3倍です。各学校に届いた求人人数の総計を就職者数で割ったもので、求人人数が重複している場合はもう少し低い可能性もありますが、高い倍率であることには変わりありません。新卒求人倍率の推移を見ると、2014年度(平成26年)から特に上昇し、2016年度から20倍以上が続いています。
近年の歯科診療では、予防に力を入れることが重要視されているほか、患者担当制の歯科医院も増えており、歯科衛生士の必要性はますます高まっています。
就職者数、求人人数、求人倍率の推移(平成24~令和4年度)
全国歯科衛生士教育協議会「歯科衛生士教育に関する現状調査の結果報告」より
歯科衛生士の魅力
歯科衛生士は求人倍率の高い職業ですが、決して仕事として魅力がないわけではありません。一度、国家資格を取得すると一生涯有効で、専門性の高い医療職として人や社会に貢献できます。また、歯科医院のほとんどが予約制で、急患が発生することも少なく、プライベートを充実できます。結婚や子育てなど、ライフステージの変化に合わせて就職や転職もしやすいです。
そのほか、収入面も景気に影響されにくく、過去16年で平均年収が350万円前後で推移しています。
歯科衛生士の年収推移
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より
仕事のやりがい
歯科衛生士は仕事のやりがいも多い職業です。専門性の高い医療職として、治療や予防によって患者さんの状態が改善し、感謝されることは大きなやりがいといえます。また、高齢化社会によって介護施設や訪問介護などでのニーズも高まっており、歯科医院だけでなく、さまざまな場所で活躍できます。そのほか、インプラントなどの専門分野に特化した認定資格もあり、経験に応じてスキルアップも可能です。
実際に「歯科衛生士勤務実態調査」(令和2年)では、「現在の仕事にやりがいを感じていますか」の質問に対して、「非常にそう思う」と「まあそう思う」と答えた人は、常勤で82.1%、非常勤で87.8%とともに8割を超えています。
現在の仕事にやりがいを感じていますか
日本歯科衛生士会「第9回歯科衛生士の勤務実態調査報告書」より
就職活動・転職活動
歯科衛生士は求人倍率が高い職種だけに、歯科医院からの募集も非常に多いです。求人を探す際は、新卒も中途(転職)も就職情報サイトや求人サイトを利用することが一般的です。歯科衛生士の学生アンケートでも、就職情報の収集は「就職情報サイト」の利用が圧倒的に多くなっています。
細かい条件で医院を絞れるため、自分に合った就職先を探しやすいほか、情報の更新スピードも早いことなどが理由です。グッピーの求人サイトはスカウト機能もあり、歯科医院から求職者へ直接スカウトメッセージが送れるなど、便利な機能が多くあります。