歯科衛生士の給料は?年収、時給、初任給、ボーナス、給料アップの可能性
歯科衛生士の給料は、年収が404万3,200円、月給は各種手当込みで29万6,200円程度で、賞与・ボーナスは48万8,800円程度です。初任給の相場は24万7,400円、アルバイトやパートの時給は1,500~2,000円となっています。
歯科衛生士の給料相場 | |
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年収 | 404万3,200円 |
月給 | 29万6,200円 |
賞与・ボーナス | 48万8,800円 |
初任給 | 24万7,400円 |
時給 | 1,500~2,000円 |
初任給・時給はGUPPY調べ、年収・月給・賞与は厚生労働省調べ
目次
歯科衛生士の平均年収
歯科衛生士の平均年収は404万3,200円で(令和5年、10人以上の組織)、過去15年間を見ると350万円前後で推移しています。規模別に見ると、1,000人以上の組織が一番高い給料となっています。40代で年収のピークを迎え、それ以降はおおよそ横ばいです。
規模別
歯科衛生士の年収を勤務先の規模別に見ると、大きな組織になるほど給与は高い傾向です。1,000人以上の組織が449万1,300円円で最も高くなっています。ボーナスも大きな組織ほど高い傾向にあります。
勤務先規模別 歯科衛生士年収
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より
年齢別:40代の平均年収が一番高い
年収を年齢別でみると「20~24歳」が311万2,300円でその後年齢とともに増加し、「45~49歳」が最も高い471万6,200円となります。40歳代以降は横ばい傾向です。
歯科衛生士の9割は歯科医院に勤務しており、主な収入源は保険診療です。保険点数は年齢、スキルに関係なく一律なので、それが年収の上限を抑えている要因でもあります。
都道府県、市区町村の保健センター・保健所など、正規の公務員として働く場合は、給料表にもとづき年齢とともに年収が上がります。国家公務員では、歯科衛生士は医療職俸給表が適用され優遇される場合もあります。
年齢別歯科衛生士の年収
年齢 | 年収 |
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20~24歳 | 311万2,300円 |
25~29歳 | 364万8,700円 |
30~34歳 | 402万1,400円 |
35~39歳 | 367万700円 |
40~44歳 | 384万1,700円 |
45~49歳 | 471万6,200円 |
50~54歳 | 444万7,000円 |
55~59歳 | 390万3,700円 |
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より
平均年収の推移
歯科衛生士の平均年収を見ると、2005年から2021年までの17年間は350万円前後で推移し、2023年には400万円台となりました。景気などに影響されず安定しています。
歯科衛生士年収推移
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より
歯科衛生士の月給
常勤で働く歯科衛生士の月給は、基本給と各種手当を含めると29万6,200円程度です。手当は5,000円~15,000円程度です。すべての給料のうち健康保険、年金、住民税などが引かれた額が手取りとして支給されます。
歯科衛生士の月給
組織規模 | 5~9人 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
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月給 (手当込み) | 27万4,200円 | 29万8,700円 | 27万4,300円 | 30万200円 |
月給 (手当含まず) | 26万7,100円 | 28万1,900円 | 26万8,900円 | 28万9,700円 |
平均年齢 | 42.1 | 37.1 | 42.7 | 38.6 |
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より
歯科衛生士の賞与・ボーナス
歯科衛生士の賞与やボーナスは、年間38万4,400円から88万8,900円です。勤め先の規模、業績、勤務年数などによって大きく変わります。規模が大きいほど高いボーナスになる傾向があります。
歯科衛生士の賞与・ボーナス
組織規模 | 5~9人 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
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ボーナス | 38万4,400円 | 44万5,800円 | 57万7,100円 | 88万8,900円 |
年齢 | 42.1 | 37.1 | 42.7 | 38.6 |
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より
歯科衛生士の時給
歯科医院で働く歯科衛生士の時給は1,500円~2,000円が相場です。一般的なパートの時給より高いと言えます。2,000円以上の時給で働く歯科衛生士もいます。就業している歯科衛生士の39%がパート(非常勤)として働いています。
以下は求人サイトGUPPY(グッピー)に掲載された、歯科衛生士の求人データによる時給の相場です。求人では時給を「下限(円)~上限(円)」と表記しており、ここでは非常勤の求人全体における下限額と上限額の割合をまとめました。時給の下限で最も多いのが1,500円台です。下限の平均は1,533円です。2年前より100円近く上昇しています。
非常勤の時給(下限値)
GUPPY調べ
時給の上限で最も多いのが1,900~2099円です。上限の平均は2,027円です。
非常勤の時給(上限値)
GUPPY調べ
歯科衛生士の仕事はこちら
歯科衛生士の初任給
求人サイトGUPPYの求人データによると、2023年に卒業した歯科衛生士の初任給は約24万7,400円です。2021年の23万6,504円から1万円以上上昇し、9年前の21万8,946円と比べると3万円近く上昇しています。
地域別
以下は、求人サイトGUPPYに掲載の求人情報より、23年卒の新卒歯科衛生士(専門学校卒)の初任給を地域別にまとめたデータです。「一都三県」が26万8,467円でもっとも高く、次いで「近畿」が26万円3,731です。最も低いのが北海道の20万9,664円でその差は3万3,787円です。
歯科衛生士の初任給(地域)
地域 | 2023卒平均給与 |
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全国平均 | 247,400円 |
北海道 | 209,664円 |
東北 | 229,623円 |
北関東 | 236,656円 |
一都三県 | 268,467円 |
中部 | 256,811円 |
近畿 | 263,731 円 |
中国 | 247,919 円 |
四国 | 232,825円 |
九州 | 234,075円 |
GUPPY調べ
公務員の給与
国家公務員の場合は、一般的には医療職俸給表が適用され給与が決まります。地方公務員は、都道府県、市区町村によって報酬が異なります。初任給は歯科医院より低い場合が多いですが、安定性、生涯年収や福利厚生などを考えると魅力的です。
2.1%の歯科衛生士は、都道府県や市区町村の保健センター、保健所などで公務員として働いています。多くは母子保健事業に関わっています。全体の47%以上が年収400万円以上で、そのうち「700万円以上800万円未満」は8.6%存在しています。ちなみに、非常勤や任期付きの場合はこの恩恵は受けられません。
行政で働く歯科衛生士の年収
歯科衛生士の勤務実態調査より
手当・福利厚生
歯科医院での給料には手当も含まれ、通勤手当、時間外手当(残業手当)以外にも、歯科衛生士の資格手当、家賃補助などの住宅手当、役職手当、皆勤手当などがあります。手当の金額は月5,000円~15,000円程度です。
福利厚生で重要なのは、社会保険が完備(社保完)されていることです。新卒を募集している歯科医院のうち、85%が社会保険を完備しています。3年前に比べても10%以上増えています。ただ、非常勤の場合は会社の社会保険ではなく、個人で加入することも少なくないので、事前に確認するのが大事です。
社会保険完備の歯科医院の割合
GUPPY調べ
給料アップ・キャリアアップの可能性
認定資格を取得する・専門性を高める
歯科医院などに勤務する場合、認定資格を取得する、勤務先の指定する専門資格を取得するなど専門性の向上が昇給につながるケースも多くあります。各分野の認定歯科衛生士や専門資格の取得者を優先して採用するケースもあります。
スキル・組織でのポジションを上げる
歯科医院の賃金規定は医院によりさまざまです。代表的には就業年数、経験、経営状況を見て給与額を決める年功序列型、評価と昇給表に基づいて昇給額を決める方法のほか、スキルや役職に応じた賃金表に基づいて給与を決める方法があります。組織のマネジメントに興味がある人は、中規模以上の歯科医院で副主任、主任、マネージャーといった役職が置かれているケースが多いため、キャリアの方向性として検討しても良いでしょう。
転職する
就職先によってはしっかりと評価制度が整っていないこともあります。給与アップを希望しているけど地域の相場より低い、入職時より給料がアップしないといった場合は、役割に応じて給与額が上がる制度を設けた職場へ移るなど、転職を検討しても良いでしょう。
開業・起業する
歯科衛生士の業務での権限は、歯科医療へのニーズとともに広がりました。いまでは歯科衛生士が歯科医師とともにメンテナンス中心のサロンを開業する業態も登場しています。また歯科衛生士の教育や採用、労務管理に特化した事業を起こすといったかたちで歯科医療に貢献する方向性もあります。そうした場合は経営者となり、収益が自身の収入につながるのでやりがいもあるでしょう。
フリーランスとして働く
歯科衛生士の働き方で増えているのがフリーランスという働き方です。女性が多くを占める職種では、結婚・出産といったライフイベントの影響を受けやすい傾向にあります。
柔軟に働きたい時期の女性にとってフリーランスという働き方は、働く時間を自分で決められる点がメリットです。歯科医院などで働く傍ら、ほかの仕事にも従事することで総合的に収入を増やせる可能性もあるでしょう。
フリーランスは事業主としての扱いとなるため、納税に関する手続きのほか交通費などの経費は個人で負担することが一般的です。パートなど「雇用」の場合の給料より、高めの金額を意識して交渉できると良いでしょう。
歯科衛生士の給料のよくある質問
- 40歳の歯科衛生士の年収はいくらですか?
- 40~44歳の平均年収は、384万1,700円となっています。歯科衛生士全体の平均年収よりは低い額となっていますが、45~49歳の平均年収は471万6,200円と上がっていることを考えると、40~44歳の年代の歯科衛生士は子育てなどで短時間勤務をしており、一時的に年収が下がっている方が多いことがうかがえます。
- 歯科衛生士の50歳の年収は?
- 令和5年の賃金構造基本統計調査によると、50~54歳の歯科衛生士の平均年収は、444万7,000円です。
- 歯科衛生士はボーナスはありますか?
- 多くの歯科医院にはボーナスがあります。ボーナスの平均額は48万8,800円となっており、歯科医院の規模が大きくなるにしたがってボーナスの額も増える傾向にあります。