歯科衛生士の転職理由とは?面接での退職理由の伝え方 教えてグッピー | 医療・介護の求人・転職・募集ならグッピー
2023年11月29日更新

歯科衛生士の転職理由とは?面接での退職理由の伝え方

歯科衛生士の転職理由は、「人間関係」「給与・待遇面」「仕事内容」「勤務形態・勤務時間」などが多い傾向にあります。歯科衛生士の9割が務める歯科医院では、少人数で仕事を行うことが多く、院長やスタッフとの人間関係は転職の大きな原因になります。また、パートやアルバイトの非常勤では、「結婚」「出産・育児」を機に、勤務先を変えることが多いです。

予防歯科が重視されるいま歯科医院での採用ニーズは高く、より良い待遇や環境を求めて転職する歯科衛生士は多いです。実際に約8割が転職を経験しており、自分が望む環境に移りやすい職種といえます。

歯科衛生士の転職理由の上位

常勤非常勤
1.経営者との人間関係1.結婚
2.給与・待遇の面2.出産・育児
3.仕事内容3.経営者との人間関係
4.勤務形態・勤務時間4.仕事内容
5.結婚5.勤務形態・勤務時間

日本歯科衛生士会「第9回歯科衛生士の勤務実態調査報告書」より

転職率・転職回数

歯科衛生士の転職率は76.4%で、およそ8割が転職を経験しています。歯科医院では求人倍率が高く、より自分の希望する条件を求めて転職する歯科衛生士も多く、転職率は高いといえます。市区町村に保健所などに公務員として就職した人は、転職率は低めですが採用される難易度は高いです。

歯科衛生士の転職率

日本歯科衛生士会「第9回歯科衛生士の勤務実態調査報告書」より

転職回数は「1回」が21.4%で最多ですが、「4回以上」も19.6%となっており、転職回数の多さもわかります。転職の理由はさまざまですが、歯科衛生士の求人数も多く転職しやすい職種といえます。

歯科衛生士の転職回数

日本歯科衛生士会「第9回歯科衛生士の勤務実態調査報告書」より

歯科衛生士の主な転職理由

常勤の歯科衛生士で転職した理由(複数回答)を見ると、最も多いのが「経営者との人間関係」で31.5%です。歯科衛生士の9割が務める歯科医院では、院長と接する機会が多く、その関係性が転職理由になることは非常に多いといえます。次いで「給与・待遇の面」が29.2%、「仕事内容」が26.4%と続きます。

勤務先変更の理由(常勤)

日本歯科衛生士会「第9回歯科衛生士の勤務実態調査報告書」より

※「無回答」は非掲載

非常勤を見ると、「結婚」が37.5%、「出産・育児」が36.8%とライフスタイルの変化が大きく影響しています。逆に、「給与・待遇面」が15.3%と非常に低いです。パートやアルバイトの平均時給が1,500円~2,000円と高いことが理由といえます。

勤務先変更の理由(非常勤)

日本歯科衛生士会「第9回歯科衛生士の勤務実態調査報告書」より

※「無回答」は非掲載

結婚・出産・育児

歯科衛生士の9割近くが女性ということもあり、結婚や出産、育児を機に転職するケースは多いです。とくに非常勤ではその傾向が顕著で、転職理由として「結婚」(37.5%)が1位、「出産・育児」(36.8%)が2位となっています。常勤においても、ともに転職理由の20%を超えており、ライフスタイルの変化は転職につながりやすいといえます。

人間関係

多くの職業で人間関係は悩みの種になりえますが、歯科衛生士は少人数の組織で仕事を行うことが多く、院長や上司、スタッフとの関係によっては、大きなストレスになりがちです。実際に、常勤の転職理由として「経営者との人間関係」(31.5%)が最も多く、院⻑や経営者との関係性が重要であることがわかります。

また、転職を「現在考えている」「考えたことがある」と答えた人の理由としても「経営者との人間関係」が19.6%、「同僚との人間関係」が16.5%で、人間関係が4割近くになります。

転職又は現在の勤務先を替えたいと考えた理由

日本歯科衛生士会「第9回歯科衛生士の勤務実態調査報告書」より

※「無回答」は非掲載

給与・待遇

歯科衛生士は売り手市場ということもあり、給与や待遇の向上を求めて転職するケースもよくあります。実際に、勤務先を変えたいと考えた理由として、「給与・待遇面」が38.3%で1位となっています。

また、常勤の歯科衛生士で年収に対して「不満」「非常に不満」を感じている人は33.4%で、3人に1人が不満を感じています。歯科衛生士は30代まで年収は上がりますが、それ以降は横這いであることが原因の一つといえます。

年収の満足度(常勤全体)

日本歯科衛生士会「第9回歯科衛生士の勤務実態調査報告書」より

仕事内容・職場環境

昨今では予防歯科が重視されていることもあり、歯科衛生士の職務と権限を増やす傾向にあります。歯科衛生士が行える医療行為は、矯正歯科、小児歯科などの各分野で業務が異なるため、歯科衛生士としての経験が積めない医院や、学びの少ない職場であれば、より良い職場を求めて離れていくことは十分考えられます。

また、新卒の歯科衛生士の中には、教育環境の乏しさや、医院の多忙さから丁寧な指導が受けられないことに不満を感じ、短期間で職場を変えることもあります。とくに若い年代の人は、キャリア教育を受けているため、仕事へ高い目的意識を持っています。矯正、小児、インプラントなど、自分が興味ある分野を深める目的で転職するケースもあります。

福利厚生・社会保険

社会保険や福利厚生が整っていない場合も転職に繋がる可能性があります。新卒募集を行う医院の85%が社会保険を完備しており、完備していないことが転職のきっかけになることもあります。また、有給休暇や産休・育休制度などは、制度の有無だけでなく、実際に利用できるかも転職に影響するといえます。

ちなみに、社会保険は常勤か非常勤かでも大きく異なります。「歯科衛生士勤務実態調査」によると、非常勤では国民健康保険が4割近くを占めています。

公的な健康保険の種類(非常勤)

日本歯科衛生士会「第9回歯科衛生士の勤務実態調査報告書」より

※「無回答」は非掲載

転職に失敗しないためには

歯科衛生士は求人倍率の高い職種ですが、だからといって安易な転職はあとで後悔することもあります。転職に失敗しないためには、転職時期や自分の希望などをはっきりさせて、条件の優先順位を決めることが大事です。また、自己分析で自分を客観的に把握し、見学では自分に合っている歯科医院なのか確かめましょう。

自己分析

自己分析をしっかりしておくことで、自己アピールや志望動機が明確になり、転職が失敗しにくくなります。自分の性格や歯科衛生士を目指した理由、将来の目標などが整理でき、面接にも役立ちます。

見学

実際に働く職場を見学することも重要です。自分が働くイメージがつきやすく、転職後のギャップを減らすことができます。職場の雰囲気や清潔度、患者さんへの接し方、スタッフの人柄などが直接確認できるので、必ず行くようにしましょう。

歯科医院としても、なるべく入職者のギャップをなくすため、気軽に見学に応じることが一般的です。見学の際には、医院の良い面だけではなく、課題点を共有してもらえるこ場合もあります。広告ではわからない現状が確認できるので、可能であればスタッフルームや化粧室なども見ておきましょう。おおいに見学の活用をおすすめします。

面接

面接では、書類では判断できない人柄や服装、表情、会話力などが見られます。実際に歯科医院が新卒歯科衛生士の採用で重視するポイントを見ると、「コミュニケーション能力」が81.8%で1位となっています。

そのほか、「素直さ」や「協調性」、「向上心」など人柄や取り組む姿勢も重視される傾向にあり、面接時にしっかりアピールすることが大事です。

歯科医院が新卒衛生士採用で重視すること

GUPPY調べ(5つ回答)

雇用条件の確認

雇用条件の確認を事前に行うことも大事です。給与や賞与の内訳をはじめ、どんな手当があるのか、勤務体制や休暇日数、福利厚生や残業の有無など、雇用条件をしっかり確認しましょう。内定時に書面で採用通知書(雇用条件通知書)をもらうと入職後のトラブルを防止できます。

よくある面接での質問

転職の採用面接でよく聞かれる質問については、事前に準備しておきましょう。特に志望動機や転職理由は、採用担当者が納得できる説明を心がけます。

・自己PRをしてください
・当院を志望した理由は?
・なぜ歯科衛生士になろうと思いましたか?
・特技や得意なことはありますか?
・これまでどんな仕事をしてきましたか?
・転職を考えた理由は?
・仕事でやりがいを感じるのはどういうときですか?
・ストレスはどのように解消しますか?
・あなたの長所(短所)は?

これらは一般的な質問例です。スタートは雑談から入る流れが一般的で、帰り際に会話の中で質問される場合もあります。面接は、医院に入ってから帰るまでが「相互理解の場」です。礼儀は必要になりますが、気負いすぎず機会があれば質問したり、話を積極的に聞いたりしましょう。

退職理由の伝え方

前職の退職理由は基本的には事実を伝えましょう。気を付けたいのは、話す内容の一貫性です。話の中で、人物面や経験と目指す方向性が退職の理由とつながらないような場合は、退職についてどのようにとらえているかを確認されることもあります。

また前職でなにかしら不満があった場合は、事実すべてを話す必要はありません。その事に対して自分はどう行動したのか、改善しようとしたのかが問われますので、面接前に客観的に整理する時間を取りましょう。

人物面をみる面接での質問

面接スタイルとして面接官が行動特性など人物面を把握するために、過去のエピソードを掘り下げる方法もあります。

「コンピテンシー面接」と言い、面接官は実際に起こった出来事を掘り下げて聞いていきます。例えば「長所と短所は?」という質問はありふれているので、あらかじめ用意された回答しか引き出せないこともあります。そこで、「周りの人にはどんなところを褒められますか?」「あなたはそれについてどう思いますか?」という質問で実際のエピソードから求職者の本音を引き出していきます。

うまく話す必要はありませんが、面接は一問一答ではないことを意識し、過去の仕事にまつわる出来事を整理しておくと安心です。

転職活動

歯科衛生士の仕事探しは、さまざまな方法がありますが、転職サイトを利用することが一般的です。さまざまな条件で医院を絞れるため、自分の希望に合った就職先を探しやすく、情報の更新も早いことなどが理由です。

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