薬剤師の国家試験【2025年】合格率・難易度の推移、科目・合格基準 教えてグッピー | 医療・介護の求人・転職・募集ならグッピー
2024年9月18日更新

薬剤師の国家試験【2025年】合格率・難易度の推移、科目・合格基準

薬剤師国家試験は、合格すると薬剤師免許が取得できる国家試験です。試験は年1回、2月中旬から下旬ごろの土日に実施されます。合格発表は3月下旬です。6年制の薬学部の課程を修めて卒業すると、受験資格が得られます。試験会場は、全国9都道府県で大学や会議場を使って設置されます。ここ数年の合格率は69%程度で推移しています。

2024年の試験では13,585人が受験し、合格者は9,296人。合格率は68.43%でした。

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薬剤師国家試験

試験日年1回2月中旬から下旬の2日間
受験資格薬学部6年制課程を卒業
受験料6,800円
試験会場全国9都道府県に設置
合格発表3月下旬
合格率68~72%程度
合格基準平均点と標準偏差を用いた相対基準により決定

薬剤師の資格を取得するには

薬剤師になるには、薬剤師国家試験に合格することが必要です。薬剤師国家試験の受験資格は、6年制薬学部の課程を修めて卒業することで得られます。6年生の2月に行われる薬剤師国家試験に合格後、本人が申請することで薬剤師免許証が交付されます。国家試験に受からなかった場合は、翌年以降に再挑戦できます。

薬剤師になるには

薬剤師国家試験の受験資格

薬剤師国家試験には受験資格があり、独学の勉強では受験できません。高校を卒業した後、6年制の薬学部に入学し、必要なカリキュラムを全て修めて卒業すると(卒業見込み含む)、受験資格を得られます。以前は4年制でしたが、2006年から6年制に変更しています。薬学部の中には、薬剤師を養成する6年制の学科と、薬剤師資格が取得できない4年制の学科を両方持つところもあります。

外国の薬学部卒業者や外国で薬剤師免許を取得した人、6年制移行前の4年制薬学部を卒業した人なども、厚生労働省が個別に審査し、受験資格を満たしていると認定されると、受験資格を得られます。

薬剤師国家試験

国家試験は年1回、2月中旬から下旬の土日に行われます。 試験は7科目、全345問が出題され、すべてマークシートによる選択式です。3月下旬に合格発表が行われ、厚生労働省のホームページで確認できます。受験料は6,800円です。

第1回薬剤師国家試験は、1950年に行われました。当初は学説試験と実地試験が課されていましたが、実地試験は後になくなりました。以前は年2回の実施でしたが、1987年以降は年1回となっています。試験日などは、前年の8月下旬に正式発表となり、概要は厚生労働省のホームページで確認することができます。

薬剤師国家試験の合格率・難易度

薬剤師国家試験の合格率は、近年68〜72%で推移しています。

2024年の試験では13,585人が受験し、合格者は9,296人。合格率は68.43%でした。

合格基準は、相対基準で毎年異なりますが、2024年は総得点が1問2点で420点以上が基準となりました。

そのほか、必須問題で全体の70%以上かつ、各科目で配点の30%以上を得点することも条件となり、禁忌肢の選択状況も加味されます。

合格基準

薬剤師国家試験の合格基準は、全345問を1問2点として、下記が決められています。

合格基準(1)問題の難易を補正して得た総得点について、平均点と標準偏差を用いた相対基準により設定した得点以上
(2)必須問題について、全問題への配点の70%以上、かつ各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上
禁忌肢の選択状況も参考にする

そのほか、倫理面や法律面、安全面などから、その選択肢を選ぶと問題があるとされる「禁忌肢」の選択状況も参考に合否が決まります。2023年の試験では(2)の条件を満たしたうえで、総得点420点以上、禁忌肢の選択が2問以下で合格となりました。

合格者数と合格率

薬剤師国家試験の合格率は、近年68〜72%程度で推移しています。毎年9,000人以上の薬剤師が誕生しています。2024年の試験では13,585人が受験し、合格者は9,296人。合格率は68.43%でした。

また新卒者の合格率は84〜86%と高い一方で、既卒者は40〜50%程度と合格率に差があります。また薬学部が6年制になる前の4年制薬学部を卒業した場合など、6年制卒業以外の資格で受験した人は30〜40%程度の合格率で推移しています。

2024年の試験では、新卒者が8,416名中7,100名合格し、合格率は84.36%、既卒者が4,957名中2,103名合格の42.42%でした。

薬剤師国家試験合格者数と合格率

厚生労働省発表資料より

難易度

薬剤師国家試験の合格率は68〜72%ほどで、難しいといえます。合格点数が決められているのではなく、相対基準で毎年合格点が移動するため、「これだけできればよい」という形がわからない点にも難しさがあります。実務と理論を組み合わせた出題もあり、単に暗記するだけでなく、科目を横断して応用して考える力も必要です。

受験者数の推移

受験者数を見ると、直近の3年間では毎年14,000名前後が受験しています。

2024年の第109回薬剤師国家試験では、13,585名が受験しました。

薬剤師国家試験受験者数

厚生労働省発表資料より

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【2025年】薬剤師国家試験の概要

2025年2月に実施の第110回薬剤師国家試験の概要を説明します。試験は、東京都や大阪府など、9都道府県で2日間かけて実施されます。

2日合わせて345問が出題され、合格発表は3月25日(火)午後2時から。厚生労働省ホームページで確認できるほか、合格者に合格証書が郵送されます。

試験日

2025年実施の第110回薬剤師国家試験は、2025年2月22日(土)・23日(日)の2日にわたって行われます。問題区分や科目ごとに、時間を区切って出題され、1日目には合わせて5時間55分、2日目に合わせて6時間15分の試験が行われ、総時間は12時間10分に及びます。

試験会場

北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、徳島県、福岡県の9都道府県で実施されます。会場は、専門学校や大学、会議場などで、多くの都道府県で複数の会場が設置されました。

合格発表

第110回薬剤師国家試験の合格発表は、2025年3月25日(火)午後2時です。厚生労働省のホームページの「資格・試験情報」ページに受験地と受験番号が掲載され、合格者には合格証書が郵送されます。

解答発表

国家試験の問題と正答は、合格発表の数日前に厚生労働省のホームページで公表されます。出題が不適切であったり、誤りがあったりした場合には、採点除外や全員正解などの処置がとられることがあります。予備校などが解答速報を行うことがありますが、こちらは非公式のものです。

受験料

受験料は6,800円です。受験願書に収入印紙を貼って納付します。受験書類が受理された後は、受験を取りやめても受験手数料は返還されません。

受験手続き

受験手続きをするには、受験願書と写真、卒業証明書か卒業見込証明書などが必要になります。

第110回薬剤師国家試験(2025年)の受験手続き日程

受験概要発表2024年8月30日
各学校への願書配布時期2024年10月中旬以降
願書等受験書類の受付期間2025年1月6日(月)から1月16日(木)
受験票の交付2025年2月12日(水)までに郵送
試験2025年2月22日(土)、23日(日)
合格発表2025年3月25日(火)午後2時
受験書類・受験願書
・写真
・切手を貼った返信用封筒
・卒業証明書又は卒業見込証明書
(外国の薬学校卒業者や薬剤師免許保持者、以前の4年制薬学部卒業者など、6年制薬学部卒業者と同等以上の学力及び技能を有すると認定された人は、各自必要な認定書や証明書)

試験科目・出題数

試験科目は、「物理・化学・生物」「衛生」「薬理」「薬剤」「病態・薬物治療」「法規・制度・倫理」「実務」の7科目です。薬剤師として特に必要不可欠な基本的資質を確認する「必須問題」と、薬剤師が直面する一般的課題を解決する資質を問う「一般問題」にわかれます。必須問題は90問、一般問題は255問、合計345問が出題されます。

一般問題は、さらに「薬学理論問題」と「薬学実践問題」にわかれ、薬学実践問題では実務と各科目を組み合わせる複合問題が出題されます。

科目問題区分出題数計
必須問題一般問題
薬学理論問題薬学実践問題
物理・化学・生物15問30問15問*60問
衛生10問20問10問*40問
薬理15問15問10問*40問
薬剤15問15問10問*40問
病態・薬物治療15問15問10問*40問
法規・制度・倫理10問10問10問*30問
実務10問-20問+65問*95問
出題集計90問255問345問
105問150問

*は複合問題

試験時間

試験は、2日間3区分ずつにわけて実施され、2日間の試験時間の合計は12時間10分です。長時間にわたるため、集中力を維持できるようにコンディションを整えることが大切です。

第1日9:30~11:00必須問題試験
(物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務)
12:30~15:00一般問題試験(薬学理論問題)
(物理・化学・生物、衛生、法規・制度・倫理)
15:50~17:45一般問題試験(薬学理論問題)
(薬理、薬剤、病態・薬物治療)
第2日9:30~11:35一般問題試験(薬学実践問題)
(物理・化学・生物、衛生)【実務】※
13:00~14:40一般問題試験(薬学実践問題)
(薬理、薬剤)【実務】※
15:30~18:00一般問題試験(薬学実践問題)
(病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務)【実務】※

※ 【実務】は、実務以外の科目と関連させた複合問題として出題されるもの

試験委員

試験委員は、決められた試験基準を踏まえて問題を作成します。2025年実施の第110回薬剤師国家試験の試験委員は、委員長1人、副委員長4人、委員79人で構成されています。厚生労働省のホームページで委員名簿を確認することができます。

国家試験の勉強方法

国家試験に合格するためには、大学での通常の学びに加え、出題傾向に合わせた勉強も必要です。学生の中には、大学とは別に国家試験対策予備校に通って合格できる実力をつける人もいます。多くの大学では、国家試験対策の授業や補習を組み込んでいます。

大学や予備校の授業以外で国家試験用の勉強をするために、多くの学生が活用しているのが過去の問題集です。直近数年間に実際に出た問題を解くことで出題の傾向の理解が進み、領域や科目、出題形式などについて、自分の弱点も知ることができます。冊子になった問題集はもちろん、最近ではスマートフォンの国家試験対策アプリでも過去問を解くことができ、便利です。

国試予備校

国試予備校は、国家試験対策の勉強に特化した予備校です。講義形式のほか、個別指導形式もあります。大学での勉強にプラスして通う人もいて、そのためのコースも用意されています。オンライン授業もあるので、近くに予備校がない人も利用できます。

多くの予備校では、国家試験の模擬試験を開催しています。受講していなくても模試だけを受けることができるので、実力を確認するため、多くの学生が受験しています。

国試問題集

国試過去問題集は、過去に実際に出た問題を集めています。出題傾向や形式を知ることに役立つほか、自分の苦手な分野を発見し、勉強の進め方の参考にすることもできます。実施回別に編集されている問題集のほか、出題分野別に編集されているものなど、さまざまあります。

国試過去問アプリ

国試対策にはアプリも便利です。過去問を多く集めたスマートフォンのアプリが開発されています。移動の途中やちょっとした時間を使って勉強でき、かさばらないメリットがあります。間違えた問題を絞り込んだり、ほかの学生の正答率がわかったりと、紙の本にはない機能も備わっています。

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