薬剤師の給料事情 2024年版:公務員の給料、平均年収、初任給、時給相場を徹底解説
薬剤師の給料は、平均年収が577万8,700円、月給は各種手当て込みで41万7,500円、賞与・ボーナスは76万8,700円、初任給は27万8,400円です。初年度の年収は350万円程度で、そこから50代にかけて増加していき、最終的には600万円前後で安定する傾向にあります。アルバイトやパートの時給の平均は2,845円で、一般よりも高い水準です。
薬剤師の給料相場 | |
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年収 | 577万8,700円 |
月給 | 41万7,500円 |
賞与・ボーナス | 76万8,700円 |
初任給 | 27万8,400円 |
時給 | 2,845円 |
令和5年賃金構造基本統計調査より
目次
薬剤師の初任給
薬剤師の平均初任給(勤務経験0年の平均給与)は、20〜24歳で27万8,400円です。賞与等の特別給与額は1,200円で、年収換算では334万2,000円です。また、25〜29歳では、月給が32万900円、賞与等が6万3,300円、年収換算額が391万4,100円となっています(厚生労働省の調査)。年齢を問わない集計を見ると、年収換算で380万4,100円となりますが、新卒薬剤師の初任給は月給30万円前後で、年収350万円ほどが相場といえます。
薬剤師の年収
薬剤師の平均年収は577万8,700円(2023年、10人以上の組織)で、過去10年を見ると500万円~500万円台半ばで推移しています。規模別に見ると従業員が10~99人未満の小規模の平均年収が最も高く、規模が大きくなるにつれて下がっていきます。
規模別
薬剤師の平均年収を勤務先の規模別にみると、従業員が5〜9人の事業所が最も高く611万8,300円となっています。10〜99人が最も高く632万4,900円、100〜999人の事業所が554万9,100円、1,000人以上の大規模事業所では569万9,600円となっています。
勤務先規模別 薬剤師年収
令和5年賃金構造基本統計調査より
年齢別
年収を年齢別でみると、50歳までは年齢を重ねるごとにおおむね収入が増加していく傾向です。キャリア初期の「25〜29歳」では438万7,200円、成長期にあたる30歳代前半で500万円台、キャリアを成熟させる「30~39歳」では600万円台となり、50代では600万円半ばになります。
年齢別薬剤師の年収
年齢 | 年収 |
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20~24歳 | 334万2,000円 |
25~29歳 | 438万7,200円 |
30~34歳 | 512万700円 |
35~39歳 | 604万6,300円 |
40~44歳 | 590万4,900円 |
45~49歳 | 584万6,000円 |
50~54歳 | 656万6,100円 |
55~59歳 | 675万3,300円 |
60~64歳 | 546万7,500円 |
65~69歳 | 593万6,200円 |
70歳~ | 490万700円 |
令和5年賃金構造基本統計調査より
平均年収の推移
薬剤師の平均年収は、2006年から2024年の18年間で、最高が2024年の577万8,700円、最低が2006年の496万5,600円です。
公務員として働く薬剤師の給与
地方公務員として、公立の病院などで働く薬剤師の給与は、自治体によって異なります。平均をみると、月給に扶養手当と地域手当を合算した基本給の月額は39万2,810円(薬剤師・医療技術職区分)です。看護・保健職(平均基本給月額:38万9,512円)と同程度の金額で、民間の薬剤師の平均月給額41万7,500円とも大きな差はありません。
国家公務員の「薬剤師」として病院などで働く場合は、人事院の給与制度の定めによって「医療職俸給表(二)」という給与区分が適用され、その平均月給額は2024年現在、35万7,899円(諸手当込)となっています。
公立病院などで薬剤師として働く以外に、地方行政機関などで衛生業務・衛生施策立案に携わる公務員薬剤師もいます。また、薬系技術職と呼ばれる職務や麻薬取締官として国家公務員として活躍する形もあります。これらの職種は必ずしも薬剤師資格が必要のない職種で、行政職として医療職とは別の俸給表によって給与が規程されています。
薬剤師・医療技術職の地方公共団体職員平均給与額 | |
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給料月額 | 30万7,776円 |
諸手当 | 8万5,034円 |
平均基本給月額(合計) | 39万2,810円 |
令和4年地方公務員給与実態調査より
薬剤師の月給
薬剤師の月給は、平均41万7,500円(2024年、10人以上の組織)です。この中には時間外勤務などの諸手当が2万8,800円含まれており、ここから所得税や社会保険料などを引いた額が月給として支給されます。調査対象者の平均年齢は40.3歳で、平均勤続年数が7.9年のため、10年近く勤務した30代〜40歳ぐらいのモデルケースと想定されます。
事業規模別にみると、「10~99人」の中規模の事業所は平均年齢が高く、それ以上規模が大きくなるにつれ平均年齢が下がり、給与水準も低くなる傾向が見られます。
薬剤師の月給
組織規模 | 5~9人 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
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月給 (手当込み) | 47万4,700円 | 47万7,800円 | 39万7,500円 | 40万3,400円 |
月給 (手当含まず) | 44万4,400円 | 46万5,400円 | 37万4,100円 | 36万円 |
平均年齢 | 46.5歳 | 47.8歳 | 39.4歳 | 36.9歳 |
平均勤続年数 | 13.7年 | 8.7年 | 7.7年 | 7.6年 |
令和5年賃金構造基本統計調査より
賞与・ボーナス
薬剤師の賞与やボーナスは、平均76万8,700円です(従業員が10人以上いる組織)。従業員数が1,000人以上の事業所が最も高く、85万8,800円となっています。そのほか、10〜99人で59万1,300円、100~999人では77万9,100円です。
薬剤師の賞与・ボーナス
組織規模 | 5~9人 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
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ボーナス | 43万7,500円 | 59万1,300円 | 77万9,100円 | 85万8,800円 |
平均年齢 | 46.5歳 | 47.8歳 | 39.4歳 | 36.9歳 |
平均勤続年数 | 13.7年 | 8.7年 | 7.7年 | 7.6年 |
令和5年賃金構造基本統計調査より
薬剤師の時給
薬剤師の時給の平均は2,845円です。規模別では、従業員数が10〜99人の小規模事業所で2,197円、100〜999人の事業所で2,930円、1,000人以上の事業所で3,687円であり大きな差はなく、2,000円~3,000円台が相場といえます。
薬剤師の時給
組織規模 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 | 全事業者平均 |
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時給 | 2,197円 | 2,930円 | 3,687円 | 2,845円 |
令和5年賃金構造基本統計調査より
手当・福利厚生
薬局や病院などに勤務する薬剤師には、月々の給与とは別に社会保険や通勤手当などの福利厚生が支給されます。一般的には「法定福利」と呼ばれる健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険、介護保険などは、事業者に必ず一定の負担があります。
法定福利以外の手当・制度として、住宅手当や通勤手当、有給休暇、出産・育児休暇などもあります。また、日本薬剤師会の正会員であることを条件に加入できる「薬剤師賠償責任保険」など、薬剤師ならではの保険加入が整備されている職場もあります。
大規模の薬局チェーンや医療法人は福利厚生が充実していることが多く、前記のものに加え、独自の休暇制度や保養施設や教育機関、さらに人間ドックや予防接種の費用補助など健康維持関連の諸制度が整備されている事例も見られます。