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2023年7月12日更新

介護事務になるには

介護事務とは介護施設や老人ホームなどで事務や受付業務を担当する仕事です。就業に必須な資格はなく、無資格・未経験から始めることができるため、主婦(夫)のパート勤務としても人気の職種です。なお、必須ではありませんが、いくつかの民間資格を取得しておけば、スキルの証明となり実務にも役立つでしょう。

介護事務になるには

今回の 教えてグッピー介護事務 では、介護事務の仕事に就く一般的なルートや介護事務の仕事内容、給料などについて解説します。

介護事務に必要な資格・試験

介護事務になるために必要な資格や学歴などはありません。専門学校や大学の卒業後に就職するほか、高校卒業後に就職するケースもあります。求人の多くは学歴不問ですが、条件は勤務先によって異なるため、確認のうえ応募しましょう。

なお、必須資格はないものの、介護事務の業務に関する民間資格は「介護事務管理士」、「ケアクラーク」、「介護報酬請求事務技能検定」など、いくつかあります。介護事務は専門性が必要とされる「介護報酬請求事務(レセプト作成)」が主な業務内容となるため、介護報酬請求事務の知識やスキルが身につく民間資格は、取得しておけば就職活動においても実務においても有利に働く可能性が高いでしょう。

介護事務を養成する専門学校・学費

介護事務になるために専門学校を卒業する必要はありません。また、必須ではないものの、介護事務に役立つ民間資格を取得する場合、独学で勉強することも可能です。

しかし介護事務は、介護という業界的にも、「レセプト作成」を担う職種としても、専門性の高い仕事です。専門知識を身に着けスムーズに就労できるように、介護事務コースのある専門学校へ通う人もいます。1~2年で医療事務分野を含め、幅広く全般知識を身に着けられる学校もあれば、資格取得のために数日間で集中的に行う講座もあります。資格講座は運営会社によって多少の差はあれど、通学であれば3~5日で3~4万円ほどが相場です。

介護事務の就職先

介護事務の多くは、介護老人保健施設やデイサービスセンターなどの介護福祉施設で働きます。雇用形態としては、正社員、契約社員、パートなどさまざまですが、一般的にはパートや契約社員の比率が高い職種です。

老人ホーム・グループホーム等の入居施設

介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、グループホーム、療養型医療機関といった高齢者の入居する施設が職場となることがあります。入居施設での業務は、実際に利用者の方と顔を合わせて会話する機会も多いため、将来介護職に就きたい人、利用者と関わりをもちたい人には適した職場と言えるでしょう。

なお、大規模施設では介護事務専門の人材を配置していることもありますが、中~小規模施設では人手不足により、介助の手伝いなど現場の仕事に関わることもあるようです。関連業務に必要となってくるため、将来的には「介護福祉士」などの資格取得を視野に入れてもよいでしょう。

デイサービスセンター・訪問介護施設等の事業所

デイサービスセンター、訪問介護事業所、訪問看護ステーションといった、訪問介護などの事業所が職場になることもあります。入居施設での勤務とは異なり、実際の利用者の顔を見ることは少ないかもしれませんが、介護スタッフの仕事を間近で見ることができます。

なお、ケアマネジャーの補佐として、ケアプラン作成に必要な書類を用意したり、病院や自治体といった関連機関に連絡をとったりするのも、介護事務の仕事となる場合があります。実務的な介護関連業務に深く関わることができるため、やりがいのある仕事と言えるでしょう。

介護事務の仕事内容

主な業務内容としては、レセプト業務、受付業務などがあります。具体的な内容は就職先によって異なりますが、基本的にどこの職場でも任せられる範囲は幅広く、正確性が求められます。

レセプト業務

介護事務の最も重要な仕事の一つがレセプト業務です。介護報酬請求事務とも呼ばれ、介護給付費明細書(レセプト)という書類を作成する業務となります。

介護サービスの利用者負担は原則利用料の1割となっており、残りの9割は国や自治体が負担します。その自治体負担額を算出し、市区町村などに請求する仕事がレセプト業務となります。(1割の利用者負担分の請求書を作成するのも介護事務の仕事です。)介護施設の収支に関わる重要な業務のため、ミスのできない確実で早い事務処理が求められます。

なお、介護報酬請求は月末締め、翌月10日までの請求となるため、月末2~3日と月初1週間ほどは、毎月繫忙期となります。

受付等の事務全般業務

介護事務は一般企業で求められるような事務全般業務も行います。たとえば、窓口受付や電話応対、出退勤の管理、備品の管理・発注、書類のコピーなどです。小規模施設には一般企業のような人事労務部や管理部がある場合は少ないため、それらの部門を担う役割となることもあります。働くスタッフ全体を管理しサポートする、広い視野と先回り行動が必要になるでしょう。

介護業務のサポート

特に小規模施設では、介護事務が介護業務のサポートをしているケースが多いです。たとえば、入居施設であれば介助の手伝い、訪問介護事務所であればケアプランの書類作成やそのために必要な各所連携などが挙げられます。人手不足の施設が多いため、「純粋に事務のみ」の求人は少ないと考えたほうが現実的でしょう。

介護事務の月給・年収・賞与(ボーナス)

厚生労働省によれば介護事務の平均年収は約439万7,300円で、月収では約30万200円です。賞与は約79万5,000円です。介護事務は年齢とともに収入が上がりやすい傾向があり、スキルや経験次第で平均年収以上を目指すことも可能です。

介護事務の給料相場
年収439万7,300円
月給30万200円
賞与・ボーナス79万5,000円

令和4年度 賃金構造基本統計調査「その他の一般事務従事者」より集計

適性・向いている人

介護事務は、事務作業の正確性・スピードがあることを大前提として、PCスキルやマルチタスク能力も求められる仕事です。考えられる適正について3つ紹介します。

事務処理能力が高い人

特に主業務となる「レセプト業務」は、介護施設の収入に関わる大切な仕事です。ミスがないことは大前提に、月に数百件の請求を発行しなければならないこともあり、スピード感も求められます。早く・正確に・大量に事務処理をする能力に長けた人が向いているでしょう。また、昨今は「レセコン」というレセプト作業用コンピューターを使い、オンラインで請求発行を行うことが主流です。基本的なPCスキルがあると、レセコンも扱いやすいため、一般的なデスクワークの知識は必要になります。

仕事のキャパシティーが広く、ストレス耐性がある人

介護事務の仕事は広範囲にわたり、デスクワークのみで完結するものではありません。利用者から電話がかかってきたり、介護業務の手伝いをしたりと、関係各所から依頼されるタスクに対し、優先順位をつけながら円滑に対応していく必要があります。なお、月末・月初はレセプト業務で毎月忙しくなりますが、その間も別業務が発生する可能性は高いため、自分のキャパシティーを理解し、負荷の高い仕事とうまく付き合っていける人が向いているでしょう。

介護分野に興味があり、向上心の高い人

介護事務は一般企業の事務とは異なり、介護分野に深く関わる仕事です。どんなに事務処理能力が高く、レセプト業務をこなせる人材だとしても、介護に全く興味がない人は必要とされにくいでしょう。介護業界は人材不足により、「介護事務だけできる人」は求められにくくなってきています。社会福祉士やケアマネジャーなど、なんらかの資格や経験を持っているうえで、「介護事務もできる」という人材が求められていくでしょう。今すぐにこれらの資格を取得する予定はなくとも、介護分野に興味関心をもち、将来的には関連資格の取得も視野に、現場で学んでいく向上心が必要と考えられます。

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