社会福祉士の国家試験【2024年】日程、難易度、過去の合格率
社会福祉士国家試験は、社会福祉士資格を取得するために必要な試験です。年1回、2月上旬に試験が実施されます。合格発表は3月上旬ごろです。試験には受験資格が必要で、4年制の福祉系大学で指定科目を履修・卒業するなどのルートで得られます。試験地は、全国24都道府県です。合格基準は、総得点の約60%以上の獲得と指定科目全てで得点することです。近年の合格率は30%前後と難易度はやや高めです。
2024年(令和6年)の試験日は2月4日(日)。近年の社会福祉国家試験の合格者数は、10,000人程度で推移していましたが、2024年は20,000人を超え、20,050人という結果となりました。
社会福祉士国家試験
試験日 | 年1回2月下旬 |
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受験資格 | 福祉系の4年制大学で指定科目を履修・卒業など |
受験料 | 19,370円 |
試験会場 | 全国24試験地 |
合格発表 | 3月上旬 |
合格率 | 約60%以上の正解・指定科目全てで得点 |
合格基準 | 30%前後 |
今回の 教えてグッピー社会福祉士 では、社会福祉士国家試験(2024年)の概要や、例年の合格率、難易度などについてみていきます。
目次
社会福祉士の資格を取るには
社会福祉士になるには、社会福祉士国家試験の合格が必須です。受験資格を得るには、4年生の福祉系大学で指定科目を履修・卒業するなどのルートがあります。
受験資格
社会福祉士の受験資格を得るには、大きくわけて4つのルートがあります。福祉系大学・短大などで指定科目を履修して受験資格を取得するケースが多いですが、ほかのルートもあるので学歴やキャリアに合わせて自分に合ったルートが選択できます。
福祉系大学等ルート(4年制大学等)
4年制の福祉系大学で指定科目を履修・卒業した時点で受験資格を得られます。履修した科目が基礎科目のみの場合は、短期養成施設などで6か月以上学ぶ必要があります。
福祉系大学等ルート(福祉系短大等+相談援助実務)
福祉系短大等で指定科目を履修・卒業した場合は、3年制であれば1年間、2年制であれば2年間の相談援助実務経験を積めば、受験資格を満たせます。
短期養成施設等ルート
福祉系短大等で基礎科目のみ履修した場合は、指定科目を履修した人と同じ期間、相談援助実務経験を積み、さらに短期養成施設などで6か月以上学ぶ必要があります。また、児童福祉司・身体障害者福祉司・査察指導員・知的障害者福祉司・老人福祉指導主事の実務を4年以上経験し、短期養成施設等で6か月以上学ぶなどのルートもあります。
一般養成施設等ルート
一般の4年制大学を卒業してから一般養成施設等で1年以上学ぶと、受験資格を得られます。そのほか、一般短大を卒業後、3年制であれば1年間、2年制であれば2年間にわたり、相談援助実務経験を積んだ場合なども受験資格を満たすことができます。
社会福祉士国家試験
社会福祉士国家試験は、年1回、毎年2月上旬に行われています。選択式のみの試験で、社会福祉士の業務に必要な知識を幅広く問われます。午前・午後の2部制で、計4時間の試験です。受験料は社会福祉士のみ受験で免除科目がない場合は、19,370円(2024年)です。合格発表は3月中旬ごろで、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページなどに掲載されます。
社会福祉士国家試験【2024年】合格率・難易度
2024年に行われた第36回社会福祉士国家試験の全体の合格率は58.1%です。
受験資格を得たルートや新卒・既卒どちらかによって、合格率は異なります。
合格基準
社会福祉士国家試験は、問題の合計得点の約60%以上の点数を獲得し、さらに指定された全科目群で点数を獲得できた場合に合格となります。
合格者数と合格率
2022年までの社会福祉国家試験の合格者数は、10,000人程度で推移していましたが、2024年には20,000人を超え、合格率が50%以上となりました。ここ数年の社会福祉士国家試験の合格率は約30%前後と難易度は高い傾向でしたが、2023年から2年連続で合格率は上昇しています。
社会福祉士国家試験 合格者数と合格率
厚生労働省発表資料より
難易度
第36回社会福祉士国家試験の全体の合格率は58.1%でしたが、第34回社会福祉士国家試験の全体の合格率は31.1%、第33回社会福祉士国家試験の全体の合格率は29.3%と、近年は約30%前後で推移している年も多く、基本的には難易度が高いと言えるでしょう。
大学・短大・養成施設で学んだり、実務経験を積んだりとしっかり知識を身につけた受験生であっても、合格率は30%未満と、難易度が高い試験です。過去問演習などを通して、各科目の理解を深めしっかり勉強することで、合格に近づけるでしょう。
受験者数の推移
2017年に行われた第29回社会福祉士国家試験の受験者数は、45,849人。その後、やや減少傾向にあり、第36回社会福祉士国家試験の受験者数は、34,539人でした。
社会福祉士国家試験 受験者数
厚生労働省発表資料より
社会福祉士国家試験【2024年】概要
2024年に実施の社会福祉士国家試験の概要です。2024年(令和6年)2月4日(日)に、東京都・大阪府・愛知県など全国24試験地で実施されます。合格発表は、2024年(令和6年)3月5日(火)の14時です。 試験は午前・午後合わせて240分。計150問が出題されます。
試験日
2024年に実施の社会福祉士国家試験は、第36回(令和5年度)試験です。試験日は2024年(令和6年)2月4日(日)です。第37回試験(令和6年度)は、2025年(令和7年)2月上旬を予定しています。
試験会場
試験地は、北海道、青森県、岩手県、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県、鹿児島県、沖縄県。全国24試験地で行われます。受験申込の段階で住んでいる都道府県を問わず好きな試験地を選べますが、試験会場の指定はできません。受験票に記載された試験会場で、試験を受けます。
合格発表
第36回社会福祉士国家試験の合格発表日時は、2024年(令和6年)3月5日(火)の14時です。公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページに、合格者の受験番号が記載されます。また、2024年(令和6年)3月8日(金)に結果通知が、普通郵便の封書またははがきで発送されます。
解答発表
他の国家試験と同じく社会福祉士国家試験の解答は、合格発表と同じ日に発表され、厚生労働省ホームページや公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページで確認できます。
また試験後は、予備校などがインターネット上に解答速報を発表する場合がありますが、あくまでも非公式なものです。出題ミスや採点除外による全員正解などの要因で、実際の点数と異なる結果が出る場合もあるため、参考程度にとどめましょう。
受験料
社会福祉士国家試験の受験料は、社会福祉士のみ受験が19,370円、社会福祉士と精神保健福祉士を同時受験で36,360円(内訳:社会福祉士の受験料16,840円+精神保健福祉士の受験料16,520円)、社会福祉士の共通科目免除により受験が16,230円です。
※精神保健福祉士に登録しているまたは登録申請中の場合、申込時に必要書類を提出すれば、共通科目が免除されます。
受験手続き
受験手続には、受験申込書や受験手数料払込受領書貼付用紙、受験用写真等確認票といった受験書類が必要です。そのほか、受験資格を満たす4つのルートに合わせて、必要書類が異なりますので、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページ等で確認しましょう。
社会福祉士国家試験(2024年)の受験手続き・日程
官報公告で受験概要発表 | 8月中旬~下旬 |
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各学校に受験願書配布 | 2023年(令和5年)9月7日(木)~2023年(令和5年)10月6日(金) |
願書等受験書類の受付期間 | 2023年(令和5年)9月7日(木)~2023年(令和5年)10月6日(金) |
受験票の交付 | 2023年(令和5年)12月8日(金)発送 |
試験 | 2024年(令和6年)2月4日(日) |
合格発表 | 2024年(令和6年)3月5日(火)14時 |
受験書類 | 受験申込書 受験手数料払込受領書貼付用紙 受験用写真等確認票 ※その他、受験資格を得たルートに応じた必要書類 |
試験科目・出題数・試験時間
試験科目は「人体の構造と機能及び疾病」や「心理学理論と心理的支援」、「社会理論と社会システム」、「現代社会と福祉」など全19科目です。
社会福祉士の仕事である、福祉・医療の相談や支援業務に必要な知識が問われます。出題形式は5択を基本とした、選択式のみです。
時間 | 出題内容 |
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10:00~12:15(2時間15分) | 人体の構造と機能及び疾病※ |
心理学理論と心理的支援※ | |
社会理論と社会システム※ | |
現代社会と福祉※ | |
地域福祉の理論と方法※ | |
福祉行財政と福祉計画※ | |
社会保障※ | |
障害者に対する支援と障害者自立支援制度※ | |
低所得者に対する支援と生活保護制度※ | |
保健医療サービス※ | |
権利擁護と成年後見制度※ | |
13:50~15:35(1時間45分) | 社会調査の基礎 |
相談援助の基盤と専門職 | |
相談援助の理論と方法 | |
福祉サービスの組織と経営 | |
高齢者に対する支援と介護保険制度 | |
児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 | |
就労支援サービス | |
更生保護制度 |
試験委員
試験委員は委員長が1人、副委員長8人、委員60人です。厚生労働省のホームページで確認することができます。
社会福祉士国家試験の勉強方法
社会福祉士国家試験の難易度は高いと言えます。学校の試験対策以外だけでなく過去問の研究も重要です。過去問を解くことにより、出題傾向や自分の苦手な問題もわかってきます。
過去問の勉強には書籍だけでなく、国家試験対策アプリもあります。スマートフォンなどから手軽に見られ、すきま時間に勉強できます。間違えた問題だけを何度も繰り返し解けるため、多くの学生に広く利用されています。問題の正解率などがわかるのも国家試験過去問アプリのメリットです。
国試問題集
実際に社会福祉士国家試験で出題された過去問を解くことで、どのような問題が出題されるのか把握し、苦手な部分を確認することで効率的に勉強を進められます。 問題集によって構成が異なり、年度別にまとめているものや出題傾向を分析して厳選しているものなどがあるので、複数の問題集を比較し自分に合った問題集を選びましょう。 間違えた問題は解説を熟読し、自力で解答できるようになるまで繰り返し解くと、理解が定着します。本番で実力を発揮できるよう、時間を測って問題演習を行い、解答ペースを掴むのも重要です。
国試過去問アプリ
過去問にたくさん触れる方法としては、国家試験対策アプリがおすすめです。スマートフォンで移動時間や空き時間に勉強できるため、忙しくてもしっかり学習できます。また、間違えた問題を絞り込む、アプリで過去問を解いた人の正答率がわかるなど、勉強をサポートする機能があるのもアプリならではのメリットです。グッピーの「社会福祉国家試験徹底攻略」は、5年分の過去問が収録されており、全問解答・解説付きです。気になる問題をブックマークする機能や、年度・科目・キーワードなどで過去問を検索する機能もあるので、効率的に学習できます。