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2023年2月18日更新

保育士になるには

保育士になるには、二つのルートがあります。一つは、指定保育士養成施設で学び卒業するルート、もう一つは、保育士試験に合格するルートです。指定保育士養成施設には、4年制の大学、2年制の短期大学、2〜3年制の専門学校があり、卒業すれば、保育士試験を受けなくても保育士資格を持つことができます。専門学校では夜間講座や通信講座を持つ学校もあります。保育士試験は、2年以上の専門学校や短期大学、大学を卒業した人などに受験資格があり、幅広い人が受験可能です。試験は1年に2回、春と秋に実施され、筆記試験と実技試験の両方が課されます。合格率は、近年20〜25%で推移しています。

保育士になるには

保育士に必要な資格・試験

保育士になるには、二通りの方法があります。一つは、厚生労働大臣が指定保育士養成施設として認めた大学、短期大学、専門学校に通い、所定の単位を修めて卒業すること。もうひとつは、年に2回実施される保育士試験に合格することです。保育士試験には受験資格があり、2年以上の専門学校や短期大学、大学等を卒業している人は受験することができます。大学の場合は卒業していなくても2年以上在学して62単位以上を取得していれば受験可能です。ほかにも、1991年3月31日以前に高校を卒業している人は、大学等に進学していなくても受験できるなど、細かい規定があります。学校で専門の勉強を修めていなくても、幅広い人が保育士試験を受験することができます。

保育士試験は年2回、春と秋に行われます。筆記試験と実技試験があり、筆記試験は2日、実技試験は1日という日程です。実技試験には、筆記試験で9科目全て合格した人だけが進むことができます。合格した科目はその年を含めて3年間有効で、次の年に再受験をする場合には、その科目の受験は免除されます。2つの科目を受験する実技試験には、科目の免除制度はありません。

2021年度の保育士試験は、 前期・後期あわせて83,175人が受験申請を行い、16,600人が合格、平均合格率は19.96%でした。平均合格率は20〜25%程度で推移しています。

2023年度の試験日程は、以下の通りです。 前期試験は、筆記試験が4月22日(土)、23日(日)、実技試験7月2日(日)。後期試験は、筆記試験が10月21日(土)、22日(日)、実技試験が12月10日(日)に実施されます。

合格者数と合格率

厚生労働省発表資料より

保育士を養成する大学・学費

保育士を養成する学校に通い指定の課程を卒業すれば、保育士試験を受験しなくても保育士資格を取ることができます。卒業することで保育士の資格をとれる指定保育士養成施設は、2022年4月1日現在、全国に668件あります(新規募集停止の施設を含む)。大学や短期大学、専門学校などがあり、修業年限は、昼間部と昼夜開講制では2年以上、夜間部、昼間定時制部、通信教育部では3年以上と決められています。

4年制の大学では、学士の資格が取れて、一般教養など幅広い学びを実現できるほか、就職時の給与が高めになる可能性があります。2年制の短期大学では、4年制大学と比べて短期間で資格が取れるため、より早く保育士として働くことができます。専門学校は2年または3年制で、夜間部や通信制の選択ができる学校もあり、大学や短大と比較すると入学時に高い学力を問われない傾向にあります。指定保育士養成施設では、必要な単位を取得することで幼稚園教諭免許状もあわせて取ることができる場合も多くあります。

指定保育士養成施設の学費は、大学は4年間でおよそ400万円以上、短期大学では、2年間でおよそ250万円以上、専門学校は2年間でおよそ200万円以上、3年制ではもう少し高くなります。いずれの学校でも国公立であればより安価に設定されています。

保育士の就職先

保育士の就職先は、代表的な保育所のほか、認定こども園、乳児院や児童養護施設など保護者のいない子どもや虐待等により家庭での養育を受けられない子どもの暮らす施設、障害児が暮らしたり通ったりする障害児施設、児童館や放課後児童クラブなど、小学生以上の子どもを対象にした施設などがあります。

認定こども園では、保育士と幼稚園教諭の両方の資格をもつ「保育教諭」が多く働いています。保育士資格が必須ではない就職先では、ベビー用品、子供用品、子供服やおもちゃのメーカーや小売企業、幼児教室やフォトスタジオ、出版社など、子どもについて知識のあることが強みになる場所での活躍もあります。

新卒者の就職先

指定保育士養成施設卒業者の2018年度の就職先を見ると、39,909人中、58.2%にあたる23,216人が、保育所、幼保連携型認定こども園に就職しています。そのほか、保育士資格が必要な職場では、小規模な保育を行う地域型保育事業の施設への就職が561人で1.4%、児童養護施設、障害児入所施設などの保育所と幼保連携型認定こども園以外の児童福祉施設が1,416人で3.5%、児童福祉施設以外の児童福祉事業が1,249人、3.1%となっています。保育士資格が必須ではない社会福祉施設等が1,151人で約3%、幼稚園が6,162人で15.4%、一般企業などそのほかの就職先が6,154人で15.4%です。

指定保育士養成施設卒業者の就職先

保育士の仕事内容

保育士の仕事は、子どもを養護し育て、保護者に対し保育指導を行うことが基本です。保育士の中心的な職場である保育園(保育所)の仕事は、保護者の勤務中などに子どもを預かり、保護者に代わって子育てを行います。さらに、子どもの様子を日誌に記録して保護者とコミュニケーションをとったり、専門知識をもって保護者に保育指導を行ったりすることも重要な仕事です。ただ子どもの世話をしたり遊び相手になったりするだけではなく、個々の子どもの能力や適性に合わせて生活習慣や社会性などを身につけさせる必要があります。

一般に保育園と呼ばれるものには、国の決めた施設の広さや職員数、設備などの基準を満たした認可保育所のほか、地域型保育事業としてとして行われる小規模保育事業所、東京都独自の制度である認証保育園などがあり、近年は幼稚園の機能を併せ持つ認定こども園も増えています。

保育の対象となるのは小学校入学前の子どもだけではありません。さまざまな事情により家族と暮らせない子どもが入所する乳児院、主に18歳までの子どもが暮らす児童養護施設など、子どもと生活をともにしながら、大人になるまで養育する仕事もあります。身体や精神に障害を持つ子どものための障害児の入所施設や通所施設では、障害に合わせた養育を行います。不良行為等で生活指導が必要な児童が入所・通所する児童自立支援施設では、子どもの生活支援、心身の成長のサポートを行います。家庭環境に問題がある事例も多く、その調整も重要な仕事です。授業終了後や長期休みに小学生が通う放課後児童クラブ等で指導員として、子どもの勉強や集団での遊びのサポートをすることもあります。児童クラブ指導員の仕事は保育士資格が必須でない場合もあります。 子どもが暮らす施設では、夜勤があり、家事全般も担います。

保育士と幼稚園教諭の違い

保育士と幼稚園教諭は、ともに子どもに関わる仕事ですが、別々の資格です。この違いを知るには、保育園(保育所)と幼稚園の違いを知る必要があります。

保育園は、厚生労働省が管轄する児童福祉施設です。親の就労等で保育に欠ける子どもを0歳から預かります。幼稚園は、文部科学省が管轄し就学前の教育施設として位置づけられます。対象は3歳以上の子どもです。保育園では保育士の資格、幼稚園では幼稚園教諭の免許が必要になります。教育機関である幼稚園では、幼児教育に携わることが多くなりますが、近年は保育園でも教育に力を入れる施設もあり、仕事内容は近づいてきています。

また、保護者の就業状況に関係なく利用できる、保育園と幼稚園の特徴を併せ持った「認定こども園」が、2006年に創設され、近年数が増えています。認定こども園で働くのは、原則として保育士と幼稚園教諭の両方の資格を持った人材で、両方の資格を持つ人を「保育教諭」といいます。保育士不足対策や、認定こども園の円滑な運営のため、一定の実務経験を持ち、保育士、幼稚園教諭の片方の資格を持った人が、指定教育施設で8単位を取得することで、もう一方の資格をとれる特例制度も運用されており、保育教諭の数も増えています。

保育士の月給・年収・賞与(ボーナス)

保育士の給与平均は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、10人以上の従業員がいる事業所で、2021年には、平均月給は各種手当込みで25万6,500円、賞与・ボーナスの平均は74万4,000円となっています。これをもとに平均年収を計算すると、382万2,000円となります。初任給にあたる、年齢20〜24歳で経験0年の保育士の平均月給は、21万1,000円です。ボーナスを加えて計算した平均年収は258万500円です。短時間勤務の場合の時給の平均は1,199円です。

近年、保育士不足が問題となり、その解消のため、処遇改善等加算という国から保育所などの施設に一定額を給付する制度が作られました。その影響で保育士の給与水準は年々上昇しています。

保育士の給与相場

保育士の給料相場
年収382万2,000円
月給25万6,500円
賞与・ボーナス74万4,000円
初任給21万1,000円
時給1,199円

保育士の適性・向いている人

子どもを相手にする保育士の仕事をするには、子どもが好きであることは絶対条件です。保護者に子育てのアドバイスをする機会も多く、子どもに限らず、人と触れあうことが好きな人が向いています。動き回る子どもの世話をするためには体力があることも大切です。子どもの感情を理解して共感し、優しく導ける人柄も大切な適性です。子どもの今後の成長を見守るにあたっては、物事を悲観的に捉える人よりも、明るく前向きな人が向いています。

子どもをはじめ、人が好き

保育士は、乳幼児から18歳までの子どもの面倒をみたり、育ちを支えたりする仕事です。子どもが好きなことは基本の適性です。保育士には、子どもと向き合うだけでなく、子どもの保護者に対して、保育指導をする役割もあります。子どもだけでなく、保護者や地域の人など、大人とのやりとりも多い仕事ですから、さまざまな年代の人を含み、人と触れあうことが好きな人が向いています。子どもが成長することが嬉しいと思える人間好きの人にふさわしい仕事です。

健康で体力がある

子どもは一般的によく動きまわります。そんな子ども達を集団で相手にするのが保育士の仕事の基本ですから、子ども達と一緒に動けるだけの体力がなければ務まりません。子どもにつき合うだけでなく、よく動く子ども達をまとめて、生活のリズムをつくり出すことが必要ですから、子どもと一緒に動いただけで疲れるわけにもいかない仕事です。子ども相手の仕事は思うようにいかないこともあり、さまざまな困難にも出会います。精神的なタフさも必要になります。

ただし、保育の形にはいろいろなものがあり、障害があって素早い動きができない人も、保育士として仕事をすることができます。多様な人が保育の現場に存在することは子ども達にもメリットがあることです。画一的に「健康・健常でなければ」と捉える必要はありません。

明るく朗らかで優しい人柄

これから人生を歩んでいく人材を育てることが保育士の役割です。悲観的でいつも暗い顔をしている人ではその役割を果たすことは難しいでしょう。明るく前向きで、子どもが何かを失敗してしまうとき、いうことを聞けないときにも、優しく朗らかに接して包容力のある人が向いています。保育所だけでなく、児童養護施設、障害児施設なども主要な職場ですから、さまざまな問題、課題をかかえた子どもと接することもあります。相手に希望を与えられるような明るさがあることが必要です。

相手の立場に立って考え共感力がある

子どもの成長を情緒的な面で支えることも保育士の仕事の重要な要素です。そのためには、子どもの抱える喜び、悲しみなどを理解し、共感できることも大切になります。相手がどのように思うのか、つねに考えられる人であることは大切な適性です。また、育児に悩む保護者にアドバイスをすることもよくあります。相手の悩みを理解し、どのようなサポートが適切か考えて、コミュニケーションをとれることも保育士としては重要です。

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