保育士の給料は?年収、月給、賞与(ボーナス)を調査
保育士の給与平均は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、平均年収が382万2,000円。月給は各種手当込みで25万6,500円、賞与・ボーナスの平均は74万4,000円となっています。初年度の年収はおおよそ258万円程度で、そこから50歳代にかけて430万円超まで年収が増加していく傾向にあります。近年は、保育士不足解消のため国が処遇改善等加算として施設に一定額を給付する制度が設けられ、年収平均は年々上昇しています。
保育士の給料相場 | |
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年収 | 382万2,000円 |
月給 | 25万6,500円 |
賞与・ボーナス | 74万4,000円 |
初任給 | 21万1,000円 |
時給 | 1,199円 |
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
目次
保育士の初任給
保育士の平均初任給(勤務経験0年の保育士の平均給与)は、厚生労働省の調査によると20〜24歳で諸手当を除いた月給が21万1,000円、賞与が4万8,500円で、年収換算で258万500円となっています。年齢を問わない経験年数0年の人の全体で見ると、月給が21万3,400円、賞与・ボーナス等が8万7,800円、年収換算で264万8,600円となっています。
保育士の初任給
保育士の初任給 | |
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年収 | 258万500円 |
月給 | 21万1,000円 |
賞与・ボーナス | 4万8,500円 |
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」
保育士の年収
保育士の平均年収は、令和3年賃金構造基本統計調査によると382万2,000円(2021年、10人以上の事業所)で、国の保育士不足対策の影響もあり、ここ数年上昇しています。事業所の規模別に見ると、複数の施設を運営するような規模の大きい事業所のほうが、年収が高くなる傾向があります。年齢別では、50歳代の前半に年収のピークをむかえます。
規模別の年収
保育士の平均年収を勤務先の規模別に比較すると、多くの保育園やその他の施設を運営するような、従業員が1,000人以上の大規模事業所で385万1,600円、次いで規模の大きな100〜999人の事業所が392万6,200円となっています。規模が小さくなると10〜99人の事業所で375万9,300円、5〜9人の事業所が 321万6,300円と、大規模な勤務先に比べて低下する傾向が見られます。
勤務先規模別 保育士の年収
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
年齢別の年収
保育士の年齢別収入をみると、おおむね年齢を重ねるごとに収入が増加していく傾向があります。キャリアのスタートにあたる「20〜24歳」では312万5,100円から始まり、副主任、専門リーダーなどの役職がつく30歳代から伸びていきます。主任、園長など責任あるポストにつくようになる40歳代後半から50歳代で平均年収はピークを迎えます。管理的なポストにつくことが多いと思われる60歳代前半では、400万円台を維持していますが、60歳代後半以降では平均年収は低下します。70歳以降で高い水準となるのは、園長、理事長など、トップのポストの人が多くいることが推察されます。
保育士の年収
年齢 | 年収 |
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20~24歳 | 313万4,900円 |
25~29歳 | 362万5,600円 |
30~34歳 | 380万2,200円 |
35~39歳 | 406万4,200円 |
40~44歳 | 398万3,700円 |
45~49歳 | 421万1,700円 |
50~54歳 | 434万3,300円 |
55~59歳 | 418万2,700円 |
60~64歳 | 377万5,400円 |
65~69歳 | 371万6,200円 |
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
平均年収の推移
厚生労働省賃金構造基本統計調査による保育士の平均年収は、2007年の324万800円から2013年には309万8,000円へ落ち込みましたが、2014年以降は毎年上昇しており、直近の2021年には382万2,000円と7年間で約20%上昇しています。これは、保育士不足解消のため、国が保育士の給与引き上げに力を入れ、処遇改善等加算の制度を導入している影響によるものです。保育士全員、または、経験や役職などに応じて、月給に一定額が加算されているため、ここ数年、主に月給額が毎年上昇しています。
保育士年収推移
厚生労働省 各年度の「賃金構造基本統計調査」より
保育士の月給
保育士の月給は、平均25万6,500円です。この中には時間外勤務などの諸手当が6,200円含まれており、ここから所得税や社会保険料などを引いた額が月給として支給されます。当調査の対象者の平均年齢は38.1歳、平均勤続年数が8.8年とされています。 また事業規模別に見ると、大規模な施設ほど高く、小規模になるにつれて、低くなる傾向があります。1,000人以上の規模の施設では、平均月給は高いものの、100〜999人の施設と比べると平均賞与が低くなっています。
保育士の月給
組織規模 | 全体 | 5~9人 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
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月給 (手当込み) | 25万6,500円 | 21万9,300円 | 24万9,400円 | 26万1,600円 | 27万3,400円 |
月給 (手当含まず) | 25万300円 | 21万6,700円 | 24万4,200円 | 25万4,800円 | 26万4,800円 |
平均年齢 | 38.1 | 40.4 | 38.7 | 37.9 | 36.3 |
勤続年数 | 8.8 | 8.2 | 9.7 | 8.5 | 5.8 |
厚生労働省「令和3年金構造基本統計調査」より
保育士の賞与・ボーナス
保育士の賞与は、従業員が10人以上いる事業所の平均で年間74万4,000円です。事業所の規模が小さい順に、従業員数が10〜99人の事業所における平均額では76万6,500円、100〜999人で78万7,000円、1,000人以上の従業員がいる事業所では平均57万800円となっています。
保育士の賞与・ボーナス
組織規模 | 10~99人 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
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賞与・ボーナス | 76万6,500円 | 78万7,000円 | 57万800円 | 74万4,000円 |
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
保育士の時給
短時間で働く保育士の時給の平均は1,199円です。事業所の規模別では、従業員数が10〜99人の小規模事業所で1,163円、100〜999人の事業所で1,234円、1,000人以上の事業所で1,319円となっています。規模が大きくなるにつれて、時給が上がる傾向にあります。
保育士の賞与・ボーナス
組織規模 | 10~99人 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
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賞与・ボーナス | 1,163円 | 1,234円 | 1,319円 | 1,199円 |
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
公務員として働く保育士の給料
公務員として保育士の仕事をする人も多くいます。自治体が運営する公立の保育所などの児童福祉施設で働く保育士がそれにあたります。公務員は、年齢や経験を重ねることで確実に昇給していく制度があるため、後々民間の保育所で働く人に比べて差がつくことが多く、人気の就職先です。 地方公務員の給与は自治体ごとに決められています。地方公務員給与実態調査で、すべての地方公共団体の平均給与を見ると、保育士が含まれる一般行政職で、基本給にあたる給料月額が31万6,040円、その他の手当を合算すると40万2,948円となります。
昇給があり、安定しているイメージのある公務員ですが、近年、自治体の経費削減のため、公立保育所が民営化される事例が増加しています。廃止されたり民間に運営が委託された公立保育所の保育士は、仕事場がなくなってしまい、現場での仕事ではなく自治体のその他の業務に就くことを余儀なくされる場合もあります。公立保育所に就職を希望する場合は、職場自体が減少していることに注意しておく必要があります。
医療技術職の地方公共団体職員平均給与額
給料月額 | 諸手当合計 | 平均基本給月額 |
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31万6,040円 | 8万6,908円 | 40万2,948円 |
令和3年地方公務員給与実態調査
手当・福利厚生
月々の給与とは別に社会保険や通勤手当などの福利厚生が支給されます。一般的には「法定福利」と呼ばれる健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険、介護保険などがあり、これらは事業者が必ず一定程度の負担を行います。 法定福利以外の手当である「法定外福利」には、公共交通機関の交通費や車通勤の場合のガソリン代などを補助する通勤手当、有給休暇、キャリアアップのための資格取得をする際の試験費用などの支援、出産・育児休暇、仕事着であるエプロンの貸与や、無料の給食、住宅手当など、さまざまなものがあります。 住宅手当については、事業者が独自に行うもの以外に、国の施策として「保育士宿舎借り上げ支援事業」というものがあります。保育所を運営する事業者が保育士のためにアパートやマンションを借りる場合に、国や自治体がその家賃を補助する制度で、保育士は家賃の全額あるいは一部を免除されます。全ての自治体で実施されているわけではありませんが、多くの保育士が活用しています。