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2023年7月12日更新

福祉用具専門相談員になるには

福祉用具専門相談員は、介護保険の指定を受けた福祉用具のレンタル・販売をする事業所に2名以上の配置が義務づけられています。福祉用具専門相談員になるには、「福祉用具専門相談員指定講習」を受講し修了します。講習は50時間、最後に習熟度を確認するための修了評価が行われます。受講のために要する資格はなく、誰でも受講できます。

福祉用具専門相談員になるための資格・試験

福祉用具専門相談員は、介護保険の指定を受けた福祉用具のレンタル・販売をする事業所に2名以上の配置が義務づけられています。福祉用具専門相談員になるには、「福祉用具専門相談員指定講習」を受講し修了します。講習は50時間、最後に習熟度を確認するための修了評価が行われます。受講のために要する資格はなく、誰でも受講できます。

また講習を受講していなくても、保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、義肢装具士の資格を持っている人は、介護や福祉用具についての知識が身についているとみなされ、福祉用具専門相談員の業務を行えます。

福祉用具専門相談員指定講習カリキュラム時間数
福祉用具と福祉用具専門相談員の役割福祉用具の役割 1
福祉用具専門相談員の役割と職業倫理1
介護保険制度等に関する基礎知識介護保険制度等の考え方と仕組み2
介護サービスにおける視点2
高齢者と介護・医療に関する基礎知識からだとこころの理解6
リハビリテーション2
高齢者の日常生活の理解2
介護技術4
住環境と住宅改修2
個別の福祉用具に関する知識・技術福祉用具の特徴8
福祉用具の活用8
福祉用具に係るサービスの仕組みと利用の支援に関する知識福祉用具の供給の仕組み2
福祉用具貸与計画等の意義と活用5
福祉用具の利用の支援に関する総合演習福祉用具による支援の手順と福祉用具貸与計画等の作成5

福祉用具専門相談員になるための講習・学費

「福祉用具専門相談員指定講習」は、都道府県知事の指定を受けた研修事業者が実施しており、受講料はおおむね4〜6万円ほどです。50時間のカリキュラムを6日〜8日程度で受講します。講習は毎日開かれるとは限らず、週1日など少しずつ進んでいき、講習修了までに1〜2か月、あるいはそれ以上かかる場合もあります。

福祉用具の販売・レンタルの事業所では、入社後に資格取得のサポートをしている場合もあります。「福祉用具専門相談員指定講習」を実施する研修事業者や講習日程は、各都道府県のホームページで調べることができます。(事業者や日程の詳細までは掲載してない都道府県もあります)

福祉用具専門相談員の就職先

介護保険では、手すり、歩行器、介護用ベッド、入浴補助用具などを必要とする人にレンタルや販売をする制度があります。介護保険で指定を受けてこうした福祉用具を扱う事業所には、介護や用具の使い方について知識を持つ介護用具専門相談員を2名以上配置することが義務づけられているため、多くが福祉用具関連事業所に就職しています。福祉用具専門相談員の資格を必須としない職場でも、資格が強みになることもあります。たとえば、一般小売店での介護用品販売の仕事や、介護用品メーカー、高齢者が生活しやすいように住宅改修を行うリフォーム会社などの仕事が挙げられます。

福祉用具専門相談員の仕事内容

福祉用具専門相談員は、福祉用具貸与事業所に所属し、介護を要する人が福祉用具を選ぶ際に、適切な用具を提案・選定したり、使い方のアドバイスを行う仕事です。 福祉用具には、歩行や移動を助ける補助杖や歩行器、車いす、工事を伴わず設置して使用する手すりやスロープ、介護用ベッド、移動用リフト等があり、レンタルが基本です。入浴補助器具や補助便座など、衛生面でレンタルでは難しいものは利用者が購入します。

介護の内容(ケアプラン)を考えるケアマネジャーからの依頼もあります。仕事の進め方としては、その人にふさわしい用具を提案するために、ケアマネジャーや介護士、医療従事者などから話を聞いたり、本人や家族と面談などを担当します。そして自宅を訪問し、家屋や生活の様子を確認するような流れです。すでに福祉用具のレンタルを利用している場合など、本人や家族から直接依頼がくることもあります。福祉用具の利用が始まった後も、定期的に訪問し、用具を使うことで利用者が希望する生活が実現できているか、間違った使用をしていないか、チェックする役割もあります。

福祉用具専門相談員の月収・年収・賞与

福祉用具専門相談員の月給等については、公的な調査結果は発表されていません。そこで厚生労働省の賃金構造基本構造統計調査で、福祉用具専門相談員が含まれる「その他のサービス職業従事者」の平均給与を参照して紹介します。月給は各種手当て込みで28万200円、賞与・ボーナスの平均は45万6,500円、年収にすると381万8,900円程度です。調査対象者の平均年齢は42.2歳です。短時間勤務の場合の時給の平均は1,236円と、一般的なアルバイト、パート勤務に近い水準となっています。また、初任給(年齢19歳以下で経験0年のその他のサービス職業従事者の月給)は、各種手当を除いて17万4,600円で、賞与・ボーナスを入れて年収に換算すると211万2,200円となっています。

福祉用具専門相談員の給料相場

年収381万8,900円
月給28万200円
賞与・ボーナス45万6,500円
時給1,236円
初任給17万4,600円

令和4年賃金構造基本統計調査

福祉用具専門相談員の適性・向いている人

福祉用具専門相談員は、人の困りごとの解消に向けて働く職種です。人の役に立つことが好きなことは、この仕事をするにあたって基本の資質となるでしょう。相手の考えをしっかり聞きとり、個々の事情を考えて解決策を考える力も試されます。ケアマネジャーなどと連携するためのコミュニケーション能力も欠かせません。また、人と話すだけでなく文書を作成する機会も多いため、文章力、事務能力があると役立ちます。仕事を獲得するための営業力もあれば、事業所の経営にも貢献できます。

人の役に立つことが好き

福祉用具専門相談員は、介護を受ける人やその家族がよりよい生活ができるように、支援する仕事です。困っている人の役に立つことに喜びとなる人は職業適性があります。日頃から、人の相談にのったり、困っている人の手助けをしたりしている人は、福祉用具専門相談員としてよりよい仕事ができるでしょう。

他人の立場に立てる

介護を受ける人が抱える課題は人それぞれです。同じ歩行の補助を要する人でも、日頃の生活パターンや家のつくり、家族の介護体制、考え方などによって選ぶべき用具は変わります。また福祉用具は本来、単に身体の機能を補うだけではありません。外出を容易にすることで様々な人との交流ができるようにする、家事を行い家庭のなかで役割を果たすなど、精神面を含めた生活全体を向上させるものです。福祉用具専門相談員には、相手の立場に立って何ができるか、大切かを考えて、適切な解決方法を考え出す力が求められます。

コミュニケーション能力・傾聴力がある

福祉用具専門相談員は、ケアマネジャーをはじめとして、利用者の介護に関わる人と綿密に連携をとって仕事をします。重要なのは連絡事項を正確に受けり、伝えるコミュニケーションを心がけることです。また、利用者と家族の思いや困りごとを聞き出す力により、介護を受ける人の生活の質も向上します。さらに、福祉用具専門相談員は、実際に用具を導入した後に使い方を説明する役割も担っています。わかりやすく説明する力も不可欠な仕事です。

文章・文書作成能力が高い

福祉用具を提案するにあたっては、ケアマネジャーや利用者・家族など関係者と共有する「福祉用具サービス計画書」を作成します。利用者の生活状況や要望、提案する用具とその選定理由などを、フォーマットに沿ってわかりやすくまとめて文書にしあげるため、文章を作成し書類を作成する能力が高いことも求められます。2018年から、選定提案する商品を複数のメーカーで提示し、その特徴や全国平均価格を、福祉用具サービス計画書において提示することが義務づけられました。情報を集めて整理する事務能力も大切になります。

営業力・アピール力がある

利用者やその家族の役に立つ仕事をするためには、仕事の依頼がなくてはなりません。福祉用具選定の依頼は主にケアマネジャーからきますので、日頃からケアマネジャー向けに、営業をする姿勢も大切です。新しい福祉用具が出たときに、積極的に説明したり、要望に対しきめ細かい対応をすることが地道な営業活動になるでしょう。利用者宅には、用具導入後のモニタリングで訪問することもあるので、その際に他に困ったことがないか聞き取り、新しい用具の提案をすることも次の仕事につながります。自然なアピールができる積極性があると役立つでしょう。

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