管理栄養士の国家試験【2025年】合格率の推移、日程、試験科目
管理栄養士国家試験は、合格すると管理栄養士免許が取得できる国家試験です。年1回、2月終わりから3月はじめごろの日曜日に実施。合格発表は3月下旬です。2025年は3月2日(日)に試験が実施されます。4年制の管理栄養士養成課程を卒業するか、栄養士免許を取ったうえで実務経験を積むことで、受験資格を取得できます。
試験会場は、全国9都道府県で大学や会議場を使って設置されます。ここ数年、合格率は50〜65%程度で推移しています。
2024年の第38回管理栄養士国家試験では、受験者数が16,329人、合格者は8,056人、合格率は49.3%でした。合格率は減少傾向です。
管理栄養士国家試験 | |
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試験日 | 年1回2月下旬〜3月上旬 |
受験資格 | 4年制の管理栄養士課程を卒業するか、栄養士の資格をもって、必要な期間以上の実務経験を積む修業して卒業 |
受験料 | 6,800円 |
試験会場 | 全国9都道府県に設置 |
合格発表 | 3月下旬 |
合格基準 | 6割以上の得点 |
合格率 | 60%程度 |
今回の 教えてグッピー管理栄養士 では、管理栄養士国家試験(2025年)の概要や、例年の合格率、難易度などについて見ていきます。
目次
管理栄養士国家試験とは
管理栄養士になるには、管理栄養士国家試験に合格することが必要です。管理栄養士国家試験の受験資格を得るルートは大きく分けて2つあり、1つは4年制の管理栄養士養成課程に入学し所定の単位を修めて卒業するルートです。
もう1つは、栄養士養成施設で所定の単位を修めた後、栄養士としての実務経験を積むルートです。必要な実務経験の年数は、栄養士養成施設の修業年限によります。国家試験に不合格だった場合は、翌年以降に再挑戦することができます。国家試験に合格後、申請することで管理栄養士免許を取得できます。
受験資格
管理栄養士国家試験には大きく分けて2種類の受験資格があります。1つは、高校を卒業した後、管理栄養士課程のある大学か専門学校に入学し、必要なカリキュラムを全て修めて卒業(卒業見込み含む)することです。管理栄養士課程は4年制です。
もう1つは、栄養士資格をもって実務経験を1年〜3年積むことです。栄養士資格は、大学、短大、専門学校などの栄養士養成課程を卒業することで得られます。2年制の学校では実務経験3年、3年制の学校では実務経験2年、4年制の学校では実務経験1年が必要になります。
管理栄養士国家試験の試験内容
国家試験は年1回、2月下旬から3月上旬の日曜日に行われます。 9科目、全200問が出題され、すべてマークシートによる選択式です。3月下旬に合格発表が行われ、厚生労働省のホームページで確認できます。受験料は6,800円です。
日本で栄養の専門職が活躍しはじめたのは1920年代です。1947年に栄養士法が制定され栄養士が公的な資格となったのが、1962年により高度な栄養指導業務に従事する栄養士として管理栄養士制度が誕生しました。1985年から管理栄養士となるために国家試験が課されるようになりました。
管理栄養士国家試験【2024年】難易度・合格率
2024年の試験では、管理栄養士課程新卒者が、9,087人中7,309人合格し、合格率は80.4%、既卒者が1,647人中128人合格の7.8%、実務経験ルートの受験者が、5,595人中619人合格の11.1%でした。
合格基準
管理栄養士国家試験の合格基準は、全200問中120問の正解、60%以上正解することです。不適切な出題があった場合には、採点対象から除外されることもあり、基準点が120点ではない年もありますが、そうした場合も60%の正答率があれば合格することができます。
合格率の推移
管理栄養士国家試験の合格率は、50%〜65%程度で推移しています。過去10年間で最も低い年は44.7%、最も高い年は65.1%です。毎年、1万人前後の管理栄養士が誕生しています。
2024年の試験では、16,329人が受験して8,056人が合格、合格率は49.3%でした。
管理栄養士課程卒業と同時に受験した、新卒者のみの合格率は90%程度の年が多く、過去10年で最も低い年で80.4%、高い年で95.8%です。卒業時に落ちてしまったなどで、再挑戦をした管理栄養士課程の既卒者のみでは20%前後の年が多く、過去10年で最も低い年で5.4%、高い年で26.0%です。栄養士課程を卒業後に実務経験を積んだ受験者では20%前後の年が多く、過去10年で最も低い年で9.2%、高い年で28.8%です。
管理栄養士の試験の合格者数と合格率
都道府県公表資料より
難易度
管理栄養士国家試験の合格率は、50〜65%程度。医療福祉系のほかの国家試験を見ると、看護師国家試験は90%程度、歯科衛生士が95%など、高い合格率となっている試験もあり、比較的難易度が高いと言えます。しかし、管理栄養士課程卒業と同時に受験する新卒者では90%以上の年が多く、受験者区分によって差が出ています。
管理栄養士課程で専門的に学び、勉強に集中する環境で受験する場合には、難易度は高くなく、既卒者や実務経験ルートでの受験者のように、仕事をしながら受験する場合には、難易度が高い試験と言えます。
受験者数の推移
管理栄養士国家試験の受験者数推移
管理栄養士国家試験【2025年】概要
2025年3月2日(日)に実施される第39回管理栄養士国家試験の概要を説明します。試験は、東京都や大阪府など、9都道府県で行われます。
合格発表は3月28日(金)午後2時から。厚生労働省ホームページで確認できるほか、合格者には合格証書が郵送されます。
試験日
2025年実施の第39回管理栄養士国家試験は、2025年3月2日(日)に行われます。問題区分や科目ごとに、午前と午後に分かれて出題され、午前中は2時間25分、午後に2時間40分の試験が行われ、合計5時間5分に及びます。
解答発表
国家試験の問題と正答は、試験後に厚生労働省のホームページで公表されます。予備校などが解答速報を行うことがありますが、こちらは非公式のものです。出題が不適切であったり、誤りがあるなどの場合には、採点除外や全員正解などの処置がとられることがあります。
受験料
受験料は6,800円です。受験願書に収入印紙を貼って納付します。受験書類が受理された後は、受験を取りやめても受験手数料は返還されません。
受験手続き
受験手続きをするには、受験願書と写真、管理栄養士課程を出た場合は卒業証明書か卒業見込証明書、実務ルートでの受験では栄養士免許照合書、実務証明書などが必要になります。
第39回(2025年実施)管理栄養士国家試験の受験手続き日程
受験概要発表 | 2024年8月2日(金) |
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願書配布時期 | 2024年9月中旬以降 |
願書等受験書類の受付期間 | 2024年11月18日(月)〜12月6日(金) |
受験票の交付 | 2025年2月13日(木)発送予定 |
試験 | 2025年3月2日(日) |
合格発表 | 2025年3月28日(金)午後2時 |
受験書類 | ・受験願書 ・コンピューター入力カード ・写真 ・卒業証明書、卒業見込証明書など、指定学校での修業を証明する書類 ・実務ルートでの受験の場合は、栄養士免許等照合書、実務証明書 |
試験科目・出題数
試験科目は、「社会・環境と健康」「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」「食べ物と健康」「基礎栄養学」「応用栄養学」「栄養教育論」「臨床栄養学」「公衆栄養学」「給食経営管理論」の9科目です。さらに、科目横断的な知識、思考能力をはかるための応用力試験も課されます。
午前中には「社会・環境と健康」「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」「食べ物と健康」「基礎栄養学」「応用栄養学」、午後には、「栄養教育論」「臨床栄養学」「公衆栄養学」「給食経営管理論」「応用力試験」が出題され、出題数の合計は200問です。
時間 | 出題内容 | 出題数 | |
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午前 | 10:00~12:25 (2時間25分) | 社会・環境と健康 | 16問 |
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち | 26問 | ||
食べ物と健康 | 25問 | ||
基礎栄養学 | 14問 | ||
応用栄養学 | 16問 | ||
午後 | 13:40~6:20 (2時間40分) | 栄養教育論 | 13問 |
臨床栄養学 | 26問 | ||
公衆栄養学 | 16問 | ||
給食経営管理論 | 18問 | ||
応用力試験 | 30問 |
試験時間
試験は、午前と午後に分けて行われ、午前は10時から12時25分の2時間25分、午後は13時40分から16時20分の2時間40分、合計5時間5分です。
試験会場
北海道、宮城県、埼玉県、東京都、愛知県、大阪府、岡山県、福岡県、沖縄県の、専門学校や大学、会議場などが会場となります。
合格発表
第39回管理栄養士国家試験の合格発表は、3月28日(金)午後2時。厚生労働省のホームページの「資格・試験情報」ページに受験地と受験番号が掲載され、合格者には合格証書が郵送されます。
試験委員
試験委員は、決められた試験基準を踏まえて問題を作成します。2025年実施の第39回管理栄養士国家試験の試験委員は、委員長1名、副委員長3名、委員54名で構成されています。厚生労働省のホームページで委員名簿を確認することができます。
国家試験の勉強方法
国家試験に合格するためには、そのための対策が必要になります。特に、働きながら管理栄養士をめざす実務経験ルートでの受験者は、国家試験の勉強のために教材を揃えたり、学校に通ったりする必要が出てきます。
管理栄養士課程で学んでいる学生も、学校の通常の勉強にプラスして国試対策の勉強をするほうが合格確率は高まりますし、学校の授業の一環で国試対策が行われることも多くなっています。予備校などの講座のほか、過去問集を繰り返し解いて実力をつけていくことは、多くの受験生に活用される方法です。最近は、過去の問題を解いて学習できるアプリもリリースされ、多くの受験生の役に立っています。
予備校の国試対策講座
予備校や専門学校では、管理栄養士の国家試験対策講座が開かれています。栄養士として働きながら管理栄養士をめざす人のほか、管理栄養士課程で学ぶ学生が、学校の勉強の補習として活用することもあります。通学が難しい場合は、通信講座やオンライン講座を利用できることもあります。
多くの予備校では、国家試験の模擬試験を開催しています。受講していなくても模試だけを受けることができるので、実力を確認するため、多くの学生や受験者が活用しています。
国試過去問題集は、過去に実際に出た問題を集めています。国試対策の勉強を始めたばかりのときには、出題傾向や形式を知ることに役立ち、自分の苦手な分野を発見し、勉強を効率的に進めていくときのヒントとしても使えます。国試直前の時期には、あやふやになっている知識を細かく確認していくのにも役立つので、勉強の初期からラストスパートまで活用しやすい教材です。
実施回別に編集されているもの、出題科目別に編集されているものなど、様々なものが発刊されています。
国家試験対策アプリ
国試対策にはアプリも便利です。スマートフォンのアプリは、移動の途中やちょっとしたすき間時間を有効に使って勉強することができます。書籍のようにかさばらず重くもないメリットがあります。学生はもちろん、栄養士として働きながら管理栄養士をめざす人にも適した教材です。間違えた問題を絞り込んだり、他の学生の正答率がわかったりと、紙の本にはない機能も備わっています。
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