登録販売者とは?仕事内容、資格取得までの流れを解説
登録販売者になるには、登録販売者の試験に合格して資格を得ることが第一歩になります。試験において受験資格は設定されず、指定の養成課程や研修を修めるなど条件はありません。卒業した高校や大学を問わず受験できます。登録販売者の試験は、各都道府県ごとに年1回実施され、合格率は40%台で推移しています。
仕事内容は第二類、第三類の一般用医薬品の販売はもとより、店舗の販売員として幅広い商品を扱います。今回の 教えてグッピー登録販売者 では、登録販売者になるための資格取得の方法や仕事内容、就職先、向いている人などについて見ていきます。
登録販売者の求人
目次
登録販売者の仕事内容
登録販売者の主な仕事内容は、医薬品の販売です。ただし、すべての医薬品を販売できるわけではありません。登録販売者が販売できるのは、第二類と第三類に分類される医薬品のみに限定されています。しかし、第二類と第三類に分類される医薬品の数は多く、ドラッグストア等で扱う医薬品の9割以上を占めています。
そのため、登録販売者の資格を持っていれば、薬剤師が不在のときでも、店舗内にあるほとんどの商品を販売できるようになるといっても過言ではありません。
登録販売者の扱う医薬品の種類
ドラッグストア等で扱う医薬品は、副作用のリスクなどによって第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品の3つに分類されています。
第一類医薬品は、重い副作用が発生するリスクの高い医薬品、あるいは、医薬品としての承認を得てから間もない医薬品です。使用に際して十分な注意が必要なため、購入者からの質問がなくても、販売の際には情報提供することが義務付けられています。第一類医薬品の情報提供には高い専門知識が必要なため、販売できるのは薬剤師のみに限定されています。登録販売者には販売が認められていません。
第二類医薬品も重い副作用が発生するリスクのある医薬品という点では共通していますが、発生の頻度はまれです。使用には注意が必要ではあるものの、販売時の情報提供は必須ではありません。主な風邪薬や解熱鎮痛剤、胃腸薬などが第二類医薬品に分類されています。いずれも、一定基準以上の安全性が確保されているため、登録販売者でも販売が可能です。
第三類医薬品には、第一類、第二類に分類されている以外の医薬品すべてが当てはまります。日常生活に支障を来すような副作用リスクのある成分を含まないもので、副作用発生のリスクは低いとされています。ただし、成分的には身体に変調や不調が現れる可能性のあるものが含まれているため、医薬品に分類されています。
第二類医薬品、第三類医薬品は、販売時の情報提供が義務付けられていませんが、購入者から相談があった際には情報提供が必須です。そのため、薬剤師の確保が難しい時間帯などでも医薬品の販売を可能にするためには、専門知識を持った登録販売者を置く必要があります。薬剤師も登録販売者もいない場合は、いくらドラッグストア内に医薬品があっても、医薬品の販売はできません。ドラッグストアにとって、人数が限られている薬剤師を常時売り場に配置するのは難しいため、医薬品の知識を持った登録販売者が薬剤師に代わる人材として売り場に配置されるのです。
登録販売者の仕事内容は、医薬品を購入する目的で来店したお客様の対応をしながら、効果や副作用についての説明を行い、また使用方法についてアドバイスをすることです。来店客にとって、心強い存在であることは違いありません。専門知識を活かして人の役に立てる仕事だと言えるでしょう。
店舗販売員として接客や商品管理まで担う
店舗販売員としての業務は、医薬品の品出し、商品の陳列と補充、在庫管理、開店・閉店の準備、POPの企画、日誌の作成など多岐にわたります。 販売員としては来店客から相談を受け、来店客の話を丁寧に聞き、相手の状態を理解する姿勢も大切です。医薬の専門性を生かし接客業としての経験が積めることも仕事の魅力でしょう。
登録販売者に必要な資格・試験
登録販売者の資格を取るための試験は年1回、都道府県ごとに実施されます。試験日は毎年8月~12月の間です。資格試験は筆記試験で年1回、試験内容は都道府県によって異なり、どこで試験を受けるかにより難易度に差があります。登録販売者の試験の合格率はここ数年40%台で推移しています。2021年の試験では、2021年は61,070人が受験し、30,082人が合格、合格率は49.3%でした。2022年の合格率は12月時点で42%程度です。
登録販売者の試験|合格者数と合格率
都道府県公表資料より
合格後は店舗での実務経験が必要
試験に合格し登録すると登録販売者として店舗に勤務できますが、正式に登録販売者になるには2年間(月80時間以上)の実務経験が必要です。研修中の登録販売者として店舗で実務経験を積み「実務(業務)従事証明書」を勤務先に発行してもらうことで証明となります。
登録販売者を養成する学校はある?
登録販売者の試験に受験資格はなく、指定の学校で養成課程や研修を修めるなどの条件はありません。学歴を問わず受験できます。独学で受験することもできますし勤務先の研修などを受けて試験に挑む人もいます。ただし薬学の知識があると人体の構造や薬に関する幅広い知識が役立ち、キャリアの強みになります。
大学の薬学部・薬学科では、薬剤師の養成課程と平行して在学中に登録販売者の資格を取得するカリキュラムがある学校もあります。また、専門学校で登録販売者の養成コ―スを設置している学校もあります。卒業までに登録販売者の合格をサポートしてもらえるだけでなく、人体や薬学の知識を体系的に学ぶことができます。また登録販売者を目指す通信講座もあります。自分のペースで勉強したい人や、働きながら資格取得を目指す人が利用しています。
薬学部の学費は、6年間の合計で国公立大学は340万円~380万円程度、私立大学は1,000万円~1,200万円程度です。教材費や実習費は、学費とは別になる大学もあり、必要な費用がさらに増えるケースもあります。多くの大学では、奨学金制度を整備しています。
2年生の専門学校の場合は200万円程度です。通信講座の場合はオンライン講座もあり数万円から受講できます。
登録販売者の求人
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登録販売者の年収・月給・賞与
登録販売者の給料の参考データとして、厚生労働省の調査の「販売店員」の項目を見ると、平均年収が354万7,600円、月給は各種手当込みで25万8,800円程度、賞与・ボーナスは44万円程度です。2021年の初任給の平均は18万円~20万円です。登録販売者の時給は1,070円が相場です。
登録販売者の給料相場 | |
---|---|
年収 | 354万7,600円 |
月給 | 25万8,800円 |
賞与・ボーナス | 44万2,000円 |
初任給 | 18万円~20万円 (~24歳で就業経験0年の販売店員の平均月給) |
時給 | 1,070円 |
(「令和3年賃金構造基本統計調査」より)
登録販売者の就職先
一般用医薬品の販売される場所が広がり、登録販売者の就職先は多様化しています。ドラッグストアや薬局のほか、スーパー、大型家電量販店、コンビニエンスストアなど活躍の場が広がっています。
ドラッグストア
ドラッグストアは取り扱う医薬品の数が多く、有資格者として薬剤師と登録販売者の両方を採用しています。販売する医薬品の大部分を占める第二類、第三類の医薬品の販売に対応するため、ドラッグストアで登録販売者の求人は多く出ています。
ドラッグストアでは、医薬品のほかにも健康食品なども扱っています。化粧品や日用品など幅広い商品についての販売スキルを身につけられます。将来的に店舗管理の仕事をしてみたい人にも向いていますし、家から近い勤務先を探す場合にも見つかりやすい就職先と言えるでしょう。
調剤薬局
調剤薬局は一般的に薬剤師が就業しているほか、登録販売者の求人もある就職先のひとつです。登録販売者は調剤業務をすることはできませんが、資格を活かして第二類、第三類の一般用医薬品の販売や商品管理、店舗運営などに関わることができ、登録販売者として活躍する機会は十分にあります。
また、登録販売者は、資格を取得しても通算2年の実務経験を積むまでは、単独での医薬品の販売ができません。未経験で資格を取得した場合は、薬剤師やほかの登録販売者の指導を受けながら、実務経験を積む必要がありますので、調剤薬局で限られた医薬品を扱いながら、薬剤師の指導を受け実務を経験できるということは、キャリアにとってプラスになるでしょう。
スーパーやコンビニエンスストア
薬事法の改正により、医薬品の販売ができる場所が急速に増えました。ホームセンターやスーパー、大型家電量販店、コンビニエンスストアなどでも、登録販売者を配置することにより、第二類、第三類の一般用医薬品の販売が可能になりました。24時間営業の店舗では、薬剤師の確保が難しい時間帯は登録販売者が医薬品の販売を担うこともあります。医薬品以外の販売を行う機会は高くなりますが、有資格者として好条件での採用も期待できます。
適性・向いている人
医薬品の専門家としての役割だけでなく、店舗の販売員として将来的には管理者としてキャリアアップする道もあります。医薬品に関する専門性のほか、店舗を運営する立場として商品管理、接客力とさまざまな素養が必要とされ、勤務先や志向性・専門性によっても多様なキャリアが描けることは仕事の魅力でしょう。
正確性
医薬品の種類は非常に多く、似た名前の成分も存在します。そのため、登録販売者は慎重に正確に物事を確認しながら業務を進める力も大切になります。また、多様な商品を管理する販売店員としての業務も担うため、在庫管理、棚卸、陳列作業など幅広い業務を正確に行う姿勢も必要でしょう。
コミュニケーション力
来店客とのコミュニケーションも登録販売者の大きな仕事です。薬局でもドラッグストアでも、薬の説明をして、しっかりと服用できるようにします。相談に来るお客さんは、体調のことで困り相談に来ているので、相手に寄り添いながら話を聞き出す力も大切です。薬の効果や副作用も確認し、薬選びのアドバイスを行う役割としてコミュニケーション力が重要になります。
向上心・勉強熱心さ
医療は日々進歩するため、新しい医薬品は毎年発売されます。新しい成分とその効果や副作用について常に新しい情報に触れ、適切な選択肢を来店客に提供することが大切です。向上心や学び続ける姿勢が仕事に生かされます。
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