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2023年6月7日更新

生活相談員になるには

生活相談員になるためは、介護福祉関係の資格やそれに準ずる要件が求められます。特に「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」は必要要件として第一に挙げられます。自治体によっては上記の資格以外に、「介護福祉士」や「介護支援専門員」が対象になることがあります。要件は自治体によって異なるので、就業希望の自治体のホームページなどで確認しましょう。

主な就業先は老人福祉施設です。特別養護老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センターなどにおいて配置が義務付けられており、利用者やその家族をとりまく問題に対応する重要な仕事を担います。

生活相談員になるには

生活相談員になるための試験・資格

生活相談員になるための専門資格はありませんが、就業先にや仕事内容に応じた介護福祉系の資格が求められます。特に「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」は必要要件として第一に挙げられる資格です。「社会福祉士」「精神保健福祉士」は国家資格で、福祉系大学などを卒業し国家試験に合格する必要があります。「社会福祉主事任用資格」は国家資格ではありませんが、福祉系の大学を卒業する、相応の実務経験を積むといった条件をクリアする必要があります。

自治体によっては上記の資格以外に、「介護福祉士」や「介護支援専門員」が対象になることがあります。また、上記に挙げた資格保有者と同等以上の能力があると認められれば、その資格がなくても実務経験のみで就業できる場合もあります。要件は自治体によって異なるので、就業希望の自治体のホームページなどで確認しましょう。

学校・養成校

生活相談員の養成に特化した養成機関はありませんが、上記の就業要件を満たすためには、専門学校、短大、大学などで修学する必要があります。「社会福祉士」「精神保健福祉士」といった国家資格を受験するためには、4年制大学を卒業したり、短大卒業後に一定期間の実務経験を経たりする必要があります。これらの資格の取得方法については個別に詳述している記事がありますので、参照してみてください。

生活相談員の就職先

生活相談員の主な勤務先は、入所型か通所型の老人福祉施設です。具体的には、老人デイサービスセンター、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センターがなどあります。これらの職場は全国にあり、各施設に最低1人以上の配置が義務づけられています。

生活相談員の仕事内容

老人福祉施設に入所または通所している利用者の中には、移動や生活に困難を抱えている方が多くいます。このような利用者が、より快適かつ可能な範囲でより自立的に日常生活を送るために、相談、援助、および連絡を通じて調整を行うのが生活相談員の仕事です。

具体的な業務としては、新規入所希望者に対して、施設やサービスなどの説明を行い、相談に応じることです。介護保険で利用可能なサービスを説明したりすることもあります。入所時だけでなく、必要に応じて利用者本人や家族と面談し、状況の報告や問題の解決策の検討を行います。入所後は、利用者の状況に合ったサービスなどについて利用者本人や家族と相談し、利用者の主治医や介護支援専門員(ケアマネジャー)とも適宜連絡調整を行います。地域の行政機関や保健・医療機関などと協力して、支援策を検討することもあります。

そのほか、利用者本人や家族、介護職員などから必要な情報を収集し、個別に課題やニーズを分析した後、ケアプランを立案・実施したり、入退所やボランティア、実習生の受け入れなどについて関連機関と連絡・調整を行ったりすることもあります。

生活相談員は多くの人と連絡・報告・相談を密に行いながら、利用者やその家族をとりまく問題に対応する重要な仕事を担っているのです。

生活相談員の月給・年収・給料

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、生活相談員の平均年収は約403万7,000円で、月収では約27万8,300円です。賞与は約69万7,400円です。ただしこの統計には、生活相談員以外も含まれた統計です。就業先によって給料が変動することにも留意しましょう。

生活相談員の給料相場

年収403万7,000円
月給27万8,300円
賞与・ボーナス69万7,400円

令和3年賃金構造基本統計調査

近年は介護職員の給与を増加させる国主導の取り組みが進んでいます。例えば、厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によれば、介護職員等特定処遇改善加算(I)および(II)を取得している事業所における生活相談員の月収は34万4,790円でした。

適性・向いている人

生活相談員は多くの人と接する仕事ですので、対人関係のスキルを有している人には適性があるといえるでしょう。そのためコミュニケーション能力は必要不可欠ですが、粘り強く対応できる責任感や、事態を改善させるための問題の本質を見抜く洞察力も重要です。

コミュニケーション能力

生活相談員にとってコミュニケーション能力は必須といっても過言ではありません。相手の話を聴くことや適切な質問をすること、相手の気持ちや状況に寄り添って適切なアドバイスを提供することは非常に重要な素養です。利用者やその家族と信頼関係を築くためには優しさや思いやりを持ったコミュニケーションが不可欠で、相手の人格や人生観を尊重し、個別のニーズや状況に応じた柔軟な対応が求められます。また、関係各所とスムーズな連携を図るために連絡・調整役を担うためには、報告・連絡・相談を適切に遂行していく必要があります。

責任感

生活相談員には高い責任感が求められます。入居者や入居予定者の個々の問題に対して適切なアドバイスを提供することで、入居に関する不安を解消したり、不便を改善したりする必要があります。ときには納得が得られず、丁寧に粘り強く説明することもあるでしょう。また、相談者の情報を適切に管理し、プライバシーを守ることも必要です。生活相談員は、相談者のその後の人生に大きな影響を与えることがあることを念頭に、責任感を持って真摯に向き合うことが求められます。

洞察力

生活相談員は、相談者の話を聴き、問題点を把握し、適切なアドバイスを提供することが求められます。そうした際、物事の本質を見抜く洞察力は非常に大きな武器になります。相談者自身が不安や問題の正体に気づいていない場合もあるでしょう。生活相談員は、相談者の言葉だけでなく、表情や態度、雰囲気などからも情報を収集し、問題を深く理解する必要があります。

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