薬剤師の年収は?初任給、賞与(ボーナス)など調査 教えてグッピー | 医療・介護の求人・転職・募集ならグッピー
2021年10月27日更新

薬剤師の年収は?初任給、賞与(ボーナス)など調査

薬剤師の給料は、平均年収が565万1,300円、月給は各種手当て込みで39万4,200円、賞与・ボーナスは92万900円、初任給は28万4,100円です。初年度の年収は350万円程度で、そこから50代にかけて増加していき、最終的には600万円前後で安定する傾向にあります。アルバイトやパートの時給の平均は2,349円で、一般よりも高い水準です。

薬剤師の給料相場
年収565万1,300円
月給39万4,200円
賞与・ボーナス92万900円
初任給28万4,100円
時給2,349円

令和2年賃金構造基本統計調査より

薬剤師の初任給

薬剤師の平均初任給(勤務経験0年の平均給与)は、20〜24歳で28万4,100円です。賞与等の特別給与額は5万4,300円で、年収換算では346万3,500円です。また、25〜29歳では、月給が28万8,000円、賞与等が4万3,900円、年収換算が349万9,900円となっています(厚生労働省の調査)。年齢を問わない集計を見ると、年収換算で380万7,200円となりますが、新卒薬剤師の初任給は月給30万円弱で、年収350万円ほどが相場といえます。

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薬剤師の年収

薬剤師の平均年収は565万1,300円(2020年、10人以上の組織)で、過去10年を見ると500万円~500万円台半ばで推移しています。規模別に見ると従業員が10人未満の小規模の平均年収が最も高く、規模が大きくなるにつれて下がっていきます。

規模別

薬剤師の平均年収を勤務先の規模別にみると、従業員が5〜9人の事業所が最も高く629万9,600円となっています。10〜99人では610万100円、100〜999人の事業所が567万9,000円、1,000人以上の大規模事業所では540万4,600円となっています。

勤務先規模別 薬剤師年収

令和2年賃金構造基本統計調査より

年齢別

年収を年齢別でみると、50歳までは年齢を重ねるごとに収入が増加していく傾向です。キャリア初期の「25〜29歳」では456万7,300円、成長期にあたる30歳代では500万円台、キャリアを成熟させる40歳代では600万円台となり、50代では600万円半ばになります。

年齢別薬剤師の年収

年齢年収
25~29歳456万7,300円
30~34歳526万2,200円
35~39歳588万5,300円
40~44歳609万5,300円
45~49歳657万8,400円
50~54歳656万0,700円
55~59歳640万7,800円
60~64歳581万8,100円
65~69歳696万1,000円
70歳~469万1,800円

令和2年賃金構造基本統計調査より

平均年収の推移

薬剤師の平均年収は、2006年から2020年の15年間で、最高が2020年の565万1,300円、最低が2006年の496万5,600円です。この期間の平均値は527万560円で、中央値でみても528万9,100円と安定していることがわかります。この15年間を5年ごとに区切ると、06〜10年の平均が510万460円、11〜15年が525万3,060円、16〜20年が545万8,160円と上昇しており、少しずつ水準が上昇傾向にあります。

薬剤師年収推移

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より

月給

薬剤師の月給は、平均39万4,200円(2020年、10人以上の組織)です。この中には時間外勤務などの諸手当が2万2,700円含まれており、ここから所得税や社会保険料などを引いた額が月給として支給されます。調査対象者の平均年齢は41.2歳で、平均勤続年数が8.5年のため、10年近く勤務した30代〜40歳ぐらいのモデルケースと想定されます。

薬剤師の月給(従業員数10人以上)
月給(諸手当込)39万4,200円
月給(諸手当を除く)37万1,500円
賞与・ボーナス73万7,500円
平均年齢41.2歳
平均勤続年数8.5年

令和2年賃金構造基本統計調査より

事業規模別にみると、従業員が少数の事業所は平均年齢が高く、規模が大きくなるにつれ平均年齢が下がり、給与水準も低くなる傾向が見られます。

薬剤師の月給

組織規模5~9人10~99人100~999人1,000人以上
月給
(手当込み)
47万4,700円43万6,300円39万1,600円37万4,600円
月給
(手当含まず)
46万3,300円41万9,800円37万6,800円34万3,600円
平均年齢50.2歳48.4歳43.4歳36.1歳
平均勤続年数8.6年10.1年9.1年7.4年

令和2年賃金構造基本統計調査より

賞与・ボーナス

薬剤師の賞与やボーナスは、平均92万900円です(従業員が10人以上いる組織)。従業員数が100〜999人の事業所が最も高く、97万9,800円となっています。そのほか、10〜99人で86万4,500円、1,000人以上では90万9,400円です。

薬剤師の賞与・ボーナス

組織規模5~9人10~99人100~999人1,000人以上
ボーナス60万3,200円86万4,500円97万9,800円90万9,400円
平均年齢50.2歳48.4歳43.4歳36.1歳
平均勤続年数8.6年10.1年9.1年7.4年

令和2年賃金構造基本統計調査より

時給

薬剤師の時給の平均は2,349円です。規模別では、従業員数が10〜99人の小規模事業所で2,420円、100〜999人の事業所で2,421円、1,000人以上の事業所で2,184円と大きな差はなく、2,000円代半ばが相場といえます。

薬剤師の時給

組織規模10~99人100~999人1,000人以上全事業者平均
時給2,420円2,421円2,184円2,349円

令和2年賃金構造基本統計調査より

公務員として働く薬剤師の給与

地方公務員として、公立の病院などで働く薬剤師の給与は、自治体によって異なります。平均をみると、月給に扶養手当と地域手当を合算した基本給の月額は38万962円(薬剤師・医療技術職区分)です。看護・保健職(平均基本給月額:37万8,048円)と同程度の金額で、民間の薬剤師の平均月給額39万4,200円とも大きな差はありません。

国家公務員の「薬剤師」として病院などで働く場合は、人事院の給与制度の定めによって「医療職俸給表(二)」という給与区分が適用され、その平均月給額は2021年現在、35万5,410円(諸手当込)となっています。

公立病院などで薬剤師として働く以外に、地方行政機関などで衛生業務・衛生施策立案に携わる公務員薬剤師もいます。また、薬系技術職と呼ばれる職務や麻薬取締官として国家公務員として活躍する形もあります。これらの職種は必ずしも薬剤師資格が必要のない職種で、行政職として医療職とは別の俸給表によって給与が規程されています。

薬剤師・医療技術職の地方公共団体職員平均給与額
給料月額30万7,023円
諸手当7万3,939円
平均基本給月額(合計)38万962円

令和2年地方公務員給与実態調査より

手当・福利厚生

薬局や病院などに勤務する薬剤師には、月々の給与とは別に社会保険や通勤手当などの福利厚生が支給されます。一般的には「法定福利」と呼ばれる健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険、介護保険などは、事業者に必ず一定の負担があります。

法定福利以外の手当・制度として、住宅手当や通勤手当、有給休暇、出産・育児休暇などもあります。また、日本薬剤師会の正会員であることを条件に加入できる「薬剤師賠償責任保険」など、薬剤師ならではの保険加入が整備されている職場もあります。

大規模の薬局チェーンや医療法人は福利厚生が充実していることが多く、前記のものに加え、独自の休暇制度や保養施設や教育機関、さらに人間ドックや予防接種の費用補助など健康維持関連の諸制度が整備されている事例も見られます。