管理栄養士の年収は?月収・賞与(ボーナス)初任給などを調査
管理栄養士の平均年収は367万5,600円、月給は各種手当込みで25万5,500円、賞与・ボーナスの平均は60万9,600円となっています。初年度の年収はおおよそ247万円程度で、そこから50歳代にかけて450万円超まで年収が増加していく傾向にあります。ただしこれらの数字は栄養士のものも含むため、より専門性の高い管理栄養士の給与水準はこれより若干高くなると推測されます。
管理栄養士の給料水準は公的に「管理栄養士の給与」として発表されているものはありません。そこで厚生労働省の調査において、常勤「栄養士」の項を参照して紹介します。
栄養士の給料相場 | |
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年収 | 367万5,600円 |
月給 | 25万5,500円 |
賞与・ボーナス | 60万9,600円 |
初任給 | 20万1,900円 (「令和3年賃金構造基本統計調査」より、「栄養士」としての数字) |
時給 | 1,781円 |
(令和3年賃金構造基本統計調査)
今回の 教えてグッピー管理栄養士 では、管理栄養士の初任給や規模別・年齢別の年収、月給、賞与、手当などについて見ていきます。
目次
管理栄養士の初任給
栄養士の平均初任給(勤務経験0年の栄養士の平均給与)は、厚生労働省の調査によると20〜24歳で諸手当を除いた月給が20万1,900円、年収換算で246万7,600円となっています。年齢を問わず全体で見ると、月給が20万7,600円、賞与・ボーナス等が5万5,200円、年収換算で254万6,400円となっています。
栄養士の初任給
年収 | 月給 | 賞与・ボーナス |
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246万7,600円 | 20万1,900円 | 4万4,800円 |
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
管理栄養士の年収
栄養士の平均年収は、令和3年賃金構造基本統計調査によると367万5,600円(2021年、10人以上の事業所)で、過去15年の調査結果では320万円〜370万円程度で推移しています。事業所の規模別に見ると従業員が1,000人以上の事業所で平均年収が378万2,700円と最も高く、規模が大きな施設のほうが給与水準が高い傾向が現れています。
規模別の年収
「栄養士」の平均年収を勤務先の規模別に比較すると、ベテラン管理栄養士も多く所属していると考えられる、従業員が1,000人以上の大規模事業所で378万2,700円、次いで規模の大きな100〜999人の事業所が369万7,500円となっています。規模が小さくなると10〜99人の事業所で350万9,300円、5〜9人の事業所が 271万7,100円と、給与水準が下がる傾向が見られます。
勤務先規模別 栄養士の年収
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
年齢別の年収
栄養士の年齢別収入をみると50歳代ぐらいまでは、年齢を重ねるごとに収入が増加していく傾向を見ることができます。年代ごとに見ると、キャリアのスタートに相当する「20〜24歳」では289万3,200円から始まり、キャリアを積み、徐々に成熟していく30歳代から40歳代では400万円台へと上昇し、そしてキャリアが完成に近づく「50〜54歳」で435万6,900円、「55〜59歳」で481万3,500円となり平均年収ではピークを迎えます。60歳代以降は勤務日数の減少など、多様な働き方が広がると見られ平均年収は低下していきます。
栄養士の年収
年齢 | 年収 |
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20~24歳 | 337万1,400円 |
25~29歳 | 343万5,000円 |
30~34歳 | 343万5,000円 |
35~39歳 | 385万3,400円 |
40~44歳 | 397万2,800円 |
45~49歳 | 420万700円 |
50~54歳 | 435万6,900円 |
55~59歳 | 481万3,500円 |
60~64歳 | 337万8,400円 |
60~69歳 | 293万3300円 |
70歳~ | 301万100円 |
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
平均年収の推移
賃金構造基本統計調査による栄養士の平均年収は、15年前、2007年の343万6,000円から10年前の2012年には323万7,700円へ落ち込んだものが、直近の2021年には367万5,600円と10年で14.2%上昇しています。過去15年間を5年ごとに区切ると、2007年から2011年の5年間平均が337万4,500円、2012年から2016年の平均は335万7,200円、2017年から2021年の後半5年間の平均は357万8,700円となり、ここ数年でやや上昇基調を見せています。
栄養士 年収推移
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より
管理栄養士の月給
栄養士の月給は、平均25万5,500円です。この中には時間外勤務などの諸手当が1万800円含まれており、ここから所得税や社会保険料などを引いた額が月給として支給されます。当調査の対象者の平均年齢は37.4歳、平均勤続年数が8.4年とされています。この調査には栄養士の月給も含まれているため、管理栄養士のものとして考えた場合は若干水準が上がると考えられます。
また事業規模別に見ると、従業員数が少ない医療機関や事業所は平均年齢が高い一方で平均月給が低く、逆に従業員数の多い施設では平均年齢が低く、平均月給が高くなっている傾向が見られます。
管理栄養士の月給
組織規模 (従業員数) | 10人以上 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
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月給 (手当込み) | 38万7,600円 | 42万9,600円 | 38万3,500円 | 36万5,800円 |
月給 (手当含まず) | 34万1,400円 | 39万4,800円 | 34万2,600円 | 31万700円 |
平均年齢 | 37.1 | 43.5 | 37.4 | 33.2 |
勤続年数 | 7.5 | 7.5 | 7.2 | 7.7 |
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
賞与・ボーナス
栄養士の賞与は、従業員が10人以上いる事業所の平均で年88万7,600円です。規模別に見ると、従業員数が10〜99人の施設では65万円弱、100〜999人の施設では80万円強、1,000人以上の施設で100万円強。事業規模にともない多くなる傾向があります。^
栄養士の賞与・ボーナス
組織規模 (従業員数) | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 | 全事業所平均 |
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賞与・ボーナス | 61万7,300円 | 62万4,300円 | 57万7,500円 | 60万9,600円 |
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
時給
短時間で働く栄養士の時給の平均は1,783円です。事業所の規模別では、従業員数が10〜99人の小規模事業所で1,487円、100〜999人の事業所で2,172円、1,000人以上の事業所で1,391円となっています。管理栄養士と栄養士の時給では水準が異なることが推察されるため、栄養士の短期雇用が多い大規模事業所で時給が低水準になっていると考えられます。
短時間勤務の栄養士の時給
組織規模 (従業員数) | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 | 全事業所平均 |
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短時間勤務の 栄養士の時給 | 1,487円 | 2,172円 | 1,391円 | 1,783円 |
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
公務員として働く栄養士の給与
公務員として行政機関で働く管理栄養士の数は、病院や介護保健施設等に比べるとあまり多くはありません。勤務地は都道府県庁や市役所、保健所、保健センターなどが挙げられ、その他には公立学校や自衛隊などで働く栄養士も存在しています。それらの職場では食生活を通じて人々の健康的な生活を守るため、栄養指導や献立作成、食材の発注などを行う業務が中心となっています。
給与水準は行政栄養士だけをまとめた調査がないため、地方公務員給与実態調査における医療技術職を参考にすると、基本給にあたる給料月額が30万7,245円、その他の手当を合算すると38万8,685円となります。ただしこの項目には薬剤師等の職種も含まれているため、管理栄養士はもう少し低い金額だと考えられます。
医療技術職の地方公共団体職員平均給与額 | |
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給料月額 | 30万7,245円 |
諸手当合計 | 8万1,440円 |
平均基本給月額(上記計) | 38万8,685円 |
(令和3年地方公務員給与実態調査)
福利厚生・手当
病院や介護保健施設に勤務する管理栄養士には、月々の給与とは別に社会保険や通勤手当などの福利厚生が支給されます。一般的には「法定福利」と呼ばれる健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険、介護保険などがあり、これらは事業者が必ず一定程度の負担を行います。さらには法定福利以外の手当である「法定外福利」には、住宅手当や通勤手当、有給休暇、資格取得支援、出産・育児休暇、院内保育所を含む託児所・保育所など、さまざまな手当があり、各事業所で給与以外に管理栄養士の「働きやすさ」に対する取り組みが行われています。