医師になるには?資格の取得方法や仕事内容 教えてグッピー | 医療・介護の求人・転職・募集ならグッピー
2023年8月30日更新

医師になるには?資格の取得方法や仕事内容

医師になるには大学医学部に進学し、医師国家試験に合格して、所定の研修を修了する必要があります。大学卒業までには最短6年間、国家試験に合格して医師免許を取得研修は5年間の年月を要するため、医師になるためには少なくとも11年の年月がかかります。

大学の卒業試験に合格した医学部学生のみ、国家試験を受験することが可能です。医師国家試験は1年に1回、2月上旬に実施されます。医学部卒業見込みの学生が受験するため、合格率は約90%と大変高い水準です。しかし試験問題は広範囲かつ、2日間にわたる長丁場の試験ですので十分な対策が必要になります。

医師になるには

今回の 教えてグッピー 医師 では、医師の国家資格の取得方法や養成学校、仕事内容や就職先などについて紹介します。

医師に必要な試験・資格

医師になるための国家試験を受験するには、大学医学部の卒業(必要な単位の修得)が必須です。医師の試験は年1回、例年2月上旬に実施されており、合格発表は3月中旬です。合格率は約90%で、合格基準はいくつか定められています。合格には、「①必須科目で80%以上の正答率」「②その他の問題での毎年定められた点数以上の正答数」「③禁忌肢の誤答3問以下」、これら3つを満たすことが条件です。

医師国家試験の合格者数と合格率

厚生労働省発表資料より

医師を養成する大学・学費

医師は高校卒業後に大学医学部に進学することが大前提となる資格です。国立、公立、私立、どの大学の医学部に進学しても医師国家試験の受験資格を得られますが、大きく異なるのはその学費です。国公立であれば300~400万円台の間で推移しますが、私立は安くても1,800万円台、高い場合は4,000万円台と非常に高額になります。少しでも学費を抑えたい場合は、公立大学の地域枠で学費の優遇を受けたり、奨学金制度を活用したりしましょう。

なお、医師になるためにはこのほかに、医学部に進学するための塾代や、医師国家試験のための予備校代などがかかる可能性も認識しておく必要があります。

医師の就業先

勤務先の施設別に見た医師の割合は、病院が63.7%、診療所が31.6%と医療機関が大部分となっています。そのほか、介護老人保健施設、介護医療院などが勤務先としてあげられます。

施設・業務の種別にみた医師数

令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況

医師の仕事内容

医師は病気や外傷を持つ人に対して治療を行うことのできる唯一の専門職です。患者と直接向き合う「臨床医」は、病院などで働く「勤務医」と、自分の運営する医院で働く「開業医」に分かれますが、開業医であれば自営業同様、経営のほか施設管理等を担う場合もあります。診察や治療の内容は、診療科や専門分野によって大きく異なります。

また医師の仕事として症状のある疾患に診断をつけ治療するだけでなく、病気のサインを見極め、大きな疾患になる前に対処することも重要な役割です。健康診断や人間ドックで対象者の健康をチェックしたり、ワクチン接種を行ない病気の予防や症状の軽減に貢献します。産業医や保健所勤務医などであれば、企業や自治体などで健康管理や病気の予防に携わるケースもあるでしょう。

加えて、大学や製薬会社などで研究医として病気の治療法を解明するなど、未来の医療に貢献していく道もあります。このように医師という職業にはさまざまな可能性があります。自身の志向性や興味、向き不向きを考慮したうえで、研修医の時期などに専門分野を選択していくことが多いようです。

医師の月給・年収・賞与

医師の平均年収は1,428万8,900円です(2022年、10人以上の組織)。過去10年間では増加傾向にあり、2020年のコロナ禍から大きく増加しています。規模別に見ると、10~99人の施設が一番高い平均年収となっており、中小規模の開業医のほうが勤務医より高収入を得やすいと考えられます。給与は年齢に伴って上がり続け、45~49歳に最も平均年収が高くなりますが、50代以降はほぼ横ばいとなります。

医師の年収相場

年収1,428万8,900円
月給109万6,100円
賞与・ボーナス113万5,700円
初任給34万1,600円
時給1万1,451円

「賃金構造基本統計調査」より

医師の適性・向いている人

医師は人を診て医療を行う専門職です。医療の専門知識を土台として、日々研鑽を積み、患者の状態に合わせた対応力が求められます。臨床医として働くのであれば、病気や外傷などで治療を必要とする患者の話をしっかりと聞く力、治療を支える技術や知識など含めた総合力を養う必要があるでしょう。また、勤務時間外においても知識や技術を更新する勤勉さも重要です。そして患者への心配りや目配り、他の医療従事者との連携も必要とされます。

学び続けられる人

医師を目指す人はまず医学部に進学し、医師国家試験に合格するために膨大な勉強量が必要となります。また、医学部合格や医師国家試験合格はゴールではありません。その後も研修医として専門分野における経験を積み、一人前の医師になったあとも標準的な治療方法の進歩に合わせて知識や技術をアップデートする必要があります。積極的に勉強に取り組み、学び続ける意思が必要でしょう。

コミュニケーション能力がある人

同じ名称の疾患でも現れる症状は人によってさまざまです。しかるべき判断をするには、医療機器による検査だけでなく問診の際のヒアリング能力が必須です。また、医師は看護師をはじめとした複数の医療従事者と協力しながら働く職業です。スムーズかつスピーディーな連携が求められるため、日々の人間関係構築も重要になります。

共感力がある人

患者と向き合うときは疾患だけを診るのではなく、相手を全人的に診ていくことになります。患者の社会的背景や生活環境、人生観などさまざまなバックボーンを理解し、判断しなければならない場合もあります。あくまでも患者を第一に、治療を進める共感力やバランス感覚も経験により磨いていく必要があります。

「医師になるには」のよくある質問

医師になるのに何年かかりますか?
大学の医学部を卒業するのに最短6年、その後、国家試験に合格すると医師免許を取得できます。合格後は研修医として初期研修、後期研修を修了するのに5年かかり、本格的に働くまで短くても11年の期間が必要です。
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