助産師の年収は?初任給、賞与(ボーナス)など給料を調査
助産師の給料は、平均の年収が566万9,500円、月給は各種手当て込みで39万5,800円、賞与・ボーナスの平均は91万9,900円となっています。初年度の年収は約389万円で、30代前半では500万円台に。40代後半では600万円台という高い水準の平均年収となっています。
また、助産師資格を取得するための前提資格となる看護師の給与と比較した場合、各年代で助産師の方が高くなる傾向が見られています。
助産師の給料相場 | |
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年収 | 566万9,500円 |
月給 | 39万5,800円 |
賞与・ボーナス | 91万9,900円 |
初任給 | 26万2,800円 (20〜24歳で就業経験0年の助産師の平均月給) |
時給 | 2,355円 |
(令和5年賃金構造基本統計調査)
今回の 教えてグッピー助産師 では、初任給や規模別・年齢別の年収、看護師の給与との比較、手当などについてみていきます。
目次
助産師の初任給
助産師の平均初任給(勤務経験0年の助産師)は厚生労働省の調査では、20〜24歳で月給(諸手当を除く)26万2,800円、賞与等の特別給与額が14万100円、年収換算で329万3,700円となっています。また調査対象の人数は少ないものの、25〜29歳では年収換算で470万1,900円、30〜34歳では同じく年収換算で449万9,100円となっています。
助産師の年収
助産師の平均年収は、令和5年賃金構造基本統計調査によると566万9,500円(2023年、10人以上の事業所)で、事業所の規模別に見ると従業員数が10〜99人規模の施設で平均年収が580万7,000円となっています。年齢別では50〜54歳での平均年収が650万円を超えており、看護師職と比べると高くなる傾向が見られます。
勤務先の規模別年収
助産師の平均年収を勤務先の規模別に比較すると、従業員が1,000人以上の大規模事業所で557万3,600円、次いで規模の大きな100〜999人の事業所が555万3,500円となっています。規模別でもっとも平均年収が高いのが従業員数10〜99人規模の施設で580万7,000円となっています。
勤務先規模別 助産師の年収
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より
年齢別の年収
助産師の年齢別年収をみると50代まで収入の増加傾向が続き、その後も高い値で推移しています。年代ごとに見ると、キャリアのスタートに相当する「20〜24歳」では約400万円から始まり、20代後半では500万円台に。40代後半では600万円台という高い水準の平均年収となっています。
助産師の年収
年齢 | 年収 |
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20~24歳 | 401万9,700円 |
25~29歳 | 513万1,500円 |
30~34歳 | 517万9,300円 |
35~39歳 | 573万5,200円 |
40~44歳 | 570万2,400円 |
45~49歳 | 612万8,300円 |
50~54歳 | 684万5,300円 |
55~59歳 | 662万1,200円 |
60~64歳 | 604万9,200円 |
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より
助産師と看護師の年収比較
賃金構造基本統計調査の結果で助産師と看護師の年収を比較すると、あらゆる年代で助産師が看護師の年収を上回っています。年代によっては1〜2割以上、年収が上回っている部分もあり、助産師の給与水準の高さがうかがえます。 また、各年代を合算した全体でも、助産師の平均年収が566万9,500円であるのに対して、看護師が508万1,700円であり、比率は111.6%です。
年代別看護師との比較(看護師の平均年収を100%として)
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より
助産師の月給
助産師の月給は、平均39万5,800円です。この中には時間外勤務などの諸手当が4万2,000円含まれており、ここから所得税や社会保険料などを引いた額が月給として支給されます。当調査の対象者の平均年齢は40.5歳、平均勤続年数が9.3年です。
また事業規模別に見ると、従業員数10〜99人規模の施設がもっとも高い月収額です。次いで1,000人以上、100〜999人の施設となっていますが、調査回答者の平均年齢も10〜99人規模の施設がもっとも高くなっているので、それぞれの給与水準は大きく変わらないことが推測されます。
助産師の月給
組織規模 (従業員数) | 10人以上 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
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月給 (手当込み) | 39万5,800円 | 41万8,000円 | 37万8,600円 | 37万9,900円 |
月給 (手当含まず) | 35万3,800円 | 36万6,600円 | 34万8,800円 | 34万3,500円 |
平均年齢 | 40.5 | 43.5 | 42.0 | 35.8 |
勤続年数 | 9.3 | 8.8 | 15.2 | 8.4 |
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より
賞与・ボーナス
助産師の賞与は、従業員が10人以上いる事業所の平均で年91万9,900円です。規模別に見ると、従業員数が10〜99人の施設では79万円強、100〜999人の施設と1,000人以上の施設では101万円強。事業規模にともない多くなる傾向があります。
助産師の賞与・ボーナス
組織規模 (従業員数) | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 | 全事業所平均 |
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賞与・ボーナス | 79万1,000円 | 101万300円 | 101万4,800円 | 91万9,900円 |
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より
助産師の時給
短時間で働く助産師の時給の平均は2,355円です。事業所の規模別では、10〜99人の施設では2,232円、従業員数が100〜999人の中規模施設では1,665円、1,000人以上の大規模施設では2,819円となっています。
短時間勤務の助産師の時給
組織規模 (従業員数) | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 | 全事業所平均 |
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短時間勤務の 助産師の時給 | 2,232円 | 1,665円 | 2,819円 | 2,355円 |
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より
公務員として働く助産師の給与
助産師が公務員として働くステージは、特定地方独立行政法人が運営する公立病院や保健所、市役所の保健課などになります。病院での勤務は民間の助産師同様の勤務内容となりますが、保健センター等での業務は分娩介助等ではなく、妊婦や出産直後の親の相談に応じたり、各家庭を訪問し、新生児の健康をチェックするなどの活動を行います。
総務省がまとめた「令和5年 地方公務員給与実態調査結果の状況」によると、「保健所保健師・助産師」の平均月給が32万2,852円、病院勤務の「保健師・助産師」が32万円強(公営企業会計:32万56円、その他公営企業会計:32万7,003円)となっています。保健師と合算された数字で正確なところははっきりしませんが、民間の平均月給が39万5,800円ですので、それだけを比較するとやや低い水準となっています。
地方公務員として働く助産師の平均月給 | |
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保健所保健師・助産師 | 32万2,852円 |
病院勤務保健師・助産師 | 32万56円(公営企業会計)、 32万7,003円(その他公営企業会計) |
(令和5年 地方公務員給与実態調査結果の状況)
夜勤・分娩介助など諸手当、福利厚生
病院に勤務する助産師には、それぞれの勤務先に応じた福利厚生や手当が支給されます。一般的に「法定福利」と呼ばれる健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険、介護保険などがあり、これらは事業者が必ず一定程度の負担を行なわなければなりません。
さらにそれ以外の「法定外福利」には、住宅手当や通勤手当、有給休暇、資格取得支援、出産・育児休暇、社内保育所を含む託児所・保育所など、さまざまなものがあり、これらは事業者によって内容が異なるため、一般的には大規模な施設の方が充実している傾向が見られます。
分娩や手術ため夜勤のある医療機関では夜勤手当が支給されます。また助産師が分娩を担当する場合は、分娩介助業務手当が支給される医療機関もあります。各種手当によって収入に差が出るのも助産師の仕事の特徴といえるでしょう。