看護師の年収は?公務員の給料、初任給、ボーナス、年齢別の年収
看護師の給料は、平均の年収が491万8,300円、月給は各種手当て込みで33万8,400円、賞与・ボーナスの平均は85万7,500円です。初任給は26万~27万円ほどで、アルバイトやパートの時給は1,776円が相場です。就職初年度の年収はおおよそ300万円程度で、そこから50歳代にかけて500万円超まで増加していく傾向にあります。また、規模の大きな事業所ほど、給与水準が高くなる傾向が見られます。
看護師の給料相場 | |
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年収 | 491万8,300円 |
月給 | 33万8,400円 |
賞与・ボーナス | 85万7,500円 |
初任給 | 27万292円(大卒者) 26万2,277円(3年制看護課程卒業者) |
時給 | 1,776円 |
「令和2年賃金構造基本統計調査」より、初任給は日本看護協会「2020年病院看護実態調査」より
目次
看護師の求人
看護師の初任給
看護師の平均初任給(勤務経験0年の看護師)は、厚生労働省の調査では20〜24歳で月給が23万4,300円です。一方で、日本看護協会の調査によると、高卒後に看護師学校・短期大学の3年課程で学んだ「高卒+3年課程」の新卒看護師が262,277円で、「大卒」では270,292円となっています。
看護師の初任給
高卒+3年課程 | 262,277円 |
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大卒 | 270,292円 |
日本看護協会「2020年病院看護実態調査」より
看護師の平均年収
看護師の平均年収は、491万8,300円(2020年、10人以上の事業所)で、ここ数年ではおおよそ480万円程度で安定して推移しています。事業所の規模別にみると従業員が1,000人以上の大規模病院の平均年収が521万5,500円と最も高く、規模が大きい方が高い給与水準になる傾向があります。
規模別
看護師の平均年収を勤務先の規模別にみると、大学病院など従業員が1,000人以上の事業所で521万5,500円、次いで規模の大きな100〜999人の事業所が479万7,700円となっています。10〜99人の事業所では456万800円、5〜9人の事業所が432万6,000円と、規模が小さくなるにつれて給与水準が下がる傾向が見られます。
勤務先規模別 看護師年収
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」より
年齢別
年収を年齢別にみると50歳代ぐらいまでは、年齢を重ねるごとに収入が増加していく傾向です。キャリアのスタートに相当する「20〜24歳」は351万5,700円で、30歳代から40歳代になると400万円台前半から500万円近くに上昇しています。「50〜54歳」で520万3,100円、「55〜59歳」で533万7,600円とピークを迎えます。60歳代以降は勤務日数の減少など、多様な働き方が広がると見られ年収は低下していきます。
年齢別看護師の年収
年齢 | 年収 |
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20~24歳 | 351万5,700円 |
25~29歳 | 405万9,800円 |
30~34歳 | 427万1,700円 |
35~39歳 | 445万8,300円 |
40~44歳 | 471万6,000円 |
45~49歳 | 498万8,500円 |
50~54歳 | 520万3,100円 |
55~59歳 | 533万7,600円 |
60~64歳 | 467万5,700円 |
65~69歳 | 403万2,100円 |
70歳~ | 380万9,600円 |
令和2年賃金構造基本統計調査より
平均年収の推移
看護師の平均年収は、2006年から2020年の15年間で大きく上下することはなく、455万円〜491万円という範囲に収まっています。最高が2020年の491万8,300円、最低が2007年の455万6,400円です。この期間の平均値は473万8,033円です。この15年間を5年ごとに区切ってみると、06〜10年の平均が464万8,300円、11〜15年が473万8,220円、16〜20年が482万7,580円と、5年かけて約1.9%増加しています。少しずつではあるものの、給与水準が上昇していることがわかります。
看護師年収推移
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より
看護師の求人
看護師の平均月収
看護師の月給は、平均33万8,400円です。この中には時間外勤務などの諸手当が2万9,300円含まれており、ここから所得税や社会保険料などを引いた額が月給として支給されます。当調査の対象者の平均年齢は41.2歳、平均勤続年数が8.9年となっています。
准看護師の月給(従業員数10人以上) | |
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月給(諸手当込) | 33万8,400円 |
月給(諸手当を除く) | 30万9,100円 |
賞与・ボーナス | 73万7,500円 |
平均年齢 | 41.2歳 |
平均勤続年数 | 8.9年 |
令和2年賃金構造基本統計調査より
また、事業規模別にみると、従業員数が少ない医療機関は平均年齢が高い一方で平均月給が低く、逆に従業員数の多い医療機関では平均年齢が低く、平均月給が高くなっている傾向が見られます。
准看護師の月給
組織規模 | 5~9人 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
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月給 (手当込み) | 30万3,700円 | 32万600円 | 33万2,400円 | 35万3,200円 |
月給 (手当含まず) | 29万6,100円 | 30万5,000円 | 30万7,300円 | 31万3,000円 |
平均年齢 | 47.3 | 46.6 | 42.6 | 37.3 |
勤続年数 | 9.7 | 8.5 | 8.8 | 9.2 |
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」より
看護師の賞与・ボーナス
看護師の賞与やボーナスは、年間85万7,500円(従業員が10人以上いる事業所)です。事業所の規模が大きいほど高い傾向があり、1,000人以上の従業員がいる事業所では最も高い97万7,100円となっています。
看護師の賞与・ボーナス
組織規模 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 | 全事業所計 |
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ボーナス | 71万3,600円 | 80万8,900円 | 97万7,100円 | 85万7,500円 |
令和2年賃金構造基本統計調査より
時給
看護師の時給の平均は1,776円です。事業所の規模別では、従業員数が10〜99人の小規模事業所で1,789円、100〜999人の事業所で1,723円、1,000人以上の事業所で1,875円となっています。
看護師の時給
組織規模 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 | 全事業者平均 |
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時給 | 1,789円 | 1,723円 | 1,875円 | 1,776円 |
令和2年賃金構造基本統計調査より
公務員の給与
公立病院などで地方公務員として働く看護師の平均給与は総務省調べによると、月給に扶養手当と地域手当を合算した平均基本給月額が37万8,048円(看護・保健職区分)となっています。水準としては、薬剤師・医療技術職(平均基本給月額:38万0,962円)と同程度の金額で、民間の看護師の平均月給額33万8,400円より若干、高い額が示されています。
看護師・医療技術職の地方公共団体職員平均給与額 | |
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給料月額 | 30万2,831円 |
諸手当 | 7万5,217円 |
平均基本給月額(合計) | 37万8,048円 |
令和2年地方公務員給与実態調査より
また、日本看護協会の調査では、勤務10年目の非管理職看護師の平均給与が、公立病院で33万5,471円、国立病院(※)で33万4,322円となっていて、民間医療法人の307,943円に比べると高い水準となっています。
※国立病院で働く看護師は国家公務員ではなく病院を運営する団体や法人の職員となりますが、給与体系は国家公務員のものに準じる「準公務員」となります
勤続10年(31~32歳) 非管理職の看護師の月額給与 | |
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公立病院 | 33万5,471円 |
国立病院 | 33万4,322円 |
医療法人 | 30万7,943円 |
日本看護協会「2020年病院看護実態調査」より
手当・福利厚生
病院に勤務する看護師には、月々の給与とは別に社会保険や通勤手当などの福利厚生が支給されます。一般的には「法定福利」と呼ばれる健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険、介護保険などがあり、これらは事業者が必ず一定程度の負担を行います。
さらに、法定福利以外の手当である「法定外福利」には、住宅手当や通勤手当、有給休暇、資格取得支援、出産・育児休暇、院内保育所を含む託児所・保育所など、さまざまなものがあり、各病院で給与以外に看護師の「働きやすさ」に違いが出ています。
看護師の場合は特に夜勤が多くなるケースが多く「夜勤手当(深夜残業手当)」がどのように設定されているかは、勤務先選びの大きなポイントになります。日本看護協会の調査では夜勤手当の平均額は、3交代制での準夜勤で4,154円、深夜勤で5,122円、2交代制の深夜勤で11,286円となっています。
夜勤手当平均額 | |
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3交代制準夜勤 | 4,154円 |
3交代制深夜勤 | 5,122円 |
2交代制深夜勤 | 11,286円 |
日本看護協会「2020年病院看護実態調査」より
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