診療放射線技師の年収は？初任給、月収、ボーナスの相場

厚生労働省による令和5年賃金構造基本統計調査の「診療放射線技師」の項を参照すると、平均年収が536万9,700円、月給は各種手当込みで36万7,400円、賞与・ボーナスの平均は96万900円となっています。初年度の年収はおおよそ279万円程度で、そこから50歳代にかけて700万円超まで年収が増加していく傾向にあります。

今回の 教えてグッピー 診療放射線技師 では、診療放射線技師の初任給や規模別・年齢別の年収、月給、賞与・ボーナスなどについてみていきます。

診療放射線技師の初任給

厚生労働省の調査によると、診療放射線技師の平均初任給（勤務経験0年の診療放射線技師の平均給与）は、20〜24歳で諸手当を除いた月給が22万6,500円、年収換算で278万7,100円となっています。年齢を問わず経験年数0年の全体としては、月給が24万7,900円、賞与・ボーナス等が16万9,700円、年収換算で314万4,500円となっています。

診療放射線技師の年収

令和5年賃金構造基本統計調査によると、診療放射線技師の平均年収は536万9,700円（2023年、10人以上の事業所）で、過去15年の調査結果では500万円〜540万円程度を推移しています。事業所の規模別に見ると従業員が1,000人以上の事業所で平均年収が571万8,400円ともっとも高いですが、次いで10〜99人の事業所が542万7,000円と高くなっています。

規模別の年収

診療放射線技師の2023年の年収を勤務先の規模別で比べると、所属人数が多い施設は給与が高くなる傾向にあります。グラフのように、1,000人以上の組織が571万8,400円でもっとも高くなっています。

年齢別の年収

診療放射線技師の年収を年齢別でみると、20～24歳が360万2,900円で、その後年齢とともに増加しますが、60代からは下降することが多いようです。

医療施設の主な収入源は診療報酬です。診療報酬に基づく医療行為は一律に点数化されているため、経験やスキル、成果などによって増減することはありません。

国家公務員では、診療放射線技師は医療職俸給表が適用され、診療放射線技師全体の平均的な年収よりも高くなる場合もあります。

診療放射線技師の年収推移

賃金構造基本統計調査による診療放射線技師の平均年収は、2009年に495万8,200円と落ち込み、そこから3年ほどは500万〜510万あたりを推移していましたが、ここ数年で540万円あたりまで上昇しています。

過去15年間の平均年収は約524万円で、5年ごとに区切ると2009年〜2013年で約511万円、2014年〜2018年で約524万円、2019年〜2023年で約536万円と、少しずつではありますが上昇しています。

診療放射線技師の月給

診療放射線技師の月給は、平均36万7,400円です。この中には時間外勤務などの諸手当が3万1,200円含まれており、ここから所得税や社会保険料などを引いた額が月給として支給されます。当調査の対象者の平均年齢は41.1歳、平均勤続年数が13.4年とされています。 また事業規模別に見ると、従業員数が少ない事業所は平均年齢が高くなっています。一方で従業員数が多い事業所は月給が全体平均とほぼ変わらないですが、勤続年数は長めの傾向があります。

賞与・ボーナス

診療放射線技師の賞与は、従業員が10人以上いる事業所の平均で年間96万900円です。事業所の規模が小さい順に、従業員数が10〜99人の事業所で79万1,400円、100〜999人で86万1,200円、1,000人以上の従業員がいる事業所では118万4,800円となり、従業員数が多い事業所ほど高くなる傾向にあります。

時給

短時間で働く診療放射線技師の時給平均は2,450円です。事業所の規模別では、従業員数が10〜99人の小規模事業所で2,412円、100〜999人の事業所で2,608円、1,000人以上の事業所で2,041円となっており、従業員が少ないと時給が高めとなる傾向があります。

公務員として働く診療放射線技師の給料

診療放射線技師の公務員としての職場は国立病院や国立がんセンター、各地の保健所や健康福祉センターなどがあります。また放射線の測定や分析、被曝線量の監視、健康管理、放射線防護などを業務とする疾病対策研究所や原子力災害対策本部などもあります。

給与水準は厚生労働省の地方公務員給与実態調査における医療技術職を参考にすると、基本給にあたる給料月額が29万6,748円、その他の手当を合算すると31万4,740円となります。職場の規模や専門性、責任の大きさによってその価格は変動します。

手当・福利厚生

病院やクリニック、研究施設、あるいは一般企業に勤務する診療放射線技師には、従業員及びその家族の生活を支援するために各種の福利厚生が提供されます。「法定福利」と呼ばれる健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険、介護保険など、「法定外福利」と呼ばれる住宅手当や通勤手当、有給休暇、資格取得支援、出産・育児休暇、院内保育所を含む託児所・保育所など、生活に不安を感じることなく仕事に専念できるよう、また従業員のモチベーション向上のために、さまざまな福利厚生を利用することができます。ただし、企業・団体によってその内容は異なります。