病棟クラークの年収・給料・賞与（ボーナス）
病棟クラークの給与水準は、公的に発表されているデータがないため、厚生労働省による令和4年賃金構造基本統計調査「その他の保健医療従事者」の項を参照して紹介します。
病棟クラークの平均年収は443万3,300円、月給は各種手当込みで31万3,100円、賞与・ボーナスの平均は67万5,800円となっています。初年度の年収はおおよそ278万円程度で、そこから50歳代にかけて500万円超まで増加していく傾向にあります。
| 病棟クラークの給料相場 | |
|---|---|
| 年収 | 443万3,000円 |
| 月給 | 31万3,100円 |
| 賞与・ボーナス | 67万5,800円 |
| 初任給 | 23万800円経験年数0年、20〜24歳の平均月給） |
| 時給 | 1,745円 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より
今回の 教えてグッピー病棟クラーク では、病棟クラークの初任給や規模別・年齢別の年収、月給、手当などについてみていきます。
目次
病棟クラークの初任給
病棟クラークの平均初任給（勤務経験0年の平均給与）は、令和4年賃金構造基本統計調査の「その他の保健医療従事者」の項を見ると、20〜24歳で諸手当を除いた月給が23万800円（諸手当除く）、年収換算で278万600円です。年齢を問わず全体としては、月給が22万1,300円、賞与・ボーナス等が2万9,100円、年収換算で268万4,700円となっています。
病棟クラークの年収
同じく厚生労働省の調査で病棟クラーク（その他の保健医療従事者）の給与を参照すると、平均年収は443万3,000円（2022年、10人以上の事業所）で、過去3年の調査結果では420〜440万円で推移しています。事業所の規模でみると、1,000人以上の事業所が497万2,900円と一番高く、規模の小さい施設ほど給与水準が低くなる傾向が見られます。
勤務先の規模別の年収
病棟クラーク（その他の保健医療従事者）の平均年収を勤務先の規模別に比較すると、経験豊富な従業員が多く在籍する1,000人以上の事業所が497万2,900円と一番高く、5〜9人の規模の小さな事業所では319万1,700円となり、規模が小さくなると、給与水準も下がる傾向にあります。
勤務先規模別 病棟クラークの年収
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より
年齢別の年収
病棟クラーク（その他の保健医療従事者）の年齢別収入を見ると、50代あたりまでは年齢を重ねるごとに増加する傾向が見られます。年代ごとに見ると、20〜24歳のキャリアスタートの年代では338万5,300円、少しずつキャリアを積み始める30歳あたりから400万円台へ上昇しています。経験や責任も大きくなり始める40歳代に500万円台になり、ピークは経験を積み体力もある55〜59歳で540万4,200円です。長く勤めることで、医療現場の仕組みや慣例に精通し、より高度な業務や管理職のポジションに就く場合もあります。経験や責任の範囲によって給与の上昇が見込めると言えるでしょう。
年齢別の年収
| 年齢 | 年収 |
|---|---|
| 20～24歳 | 338万5,300円 |
| 25～29歳 | 385万5,400円 |
| 30～34歳 | 423万8,800円 |
| 35～39歳 | 451万2,900円 |
| 40～44歳 | 512万7,200円 |
| 45～49歳 | 456万2,400円 |
| 50～54歳 | 517万2,700円 |
| 55～59歳 | 540万4,200円 |
| 60～64歳 | 469万6,900円 |
| 65～69歳 | 294万9,600円 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より
平均年収の推移
賃金構造基本統計調査による病棟クラーク（その他の保健医療従事者）の平均年収は、ここ3年で420万〜440万円を推移しています。ただしこれらの数字は保健医療従事者のすべての職種を平均しているため、2020年からはじまった新型コロナウイルスの影響で入院患者が一気に増加し、病棟クラーク含む医療従事者の勤務実態を考慮すると、これより若干高くなっていると推測されます。
病棟クラーク 年収推移
賃金構造基本統計調査（厚生労働省）より集計
病棟クラークの月給
病棟クラーク（その他の保健医療従事者）の月給は、平均31万3,100円です。この中には時間外勤務などの諸手当が2万3,200円含まれており、ここから所得税や社会保険料などを引いた額が月給として支給されます。当調査の対象者の平均年齢は39.0歳、平均勤続年数が8.8年とされています。
事業所別に見ると、1,000人以上の大きな規模の事業所の月収が33万5,000円と一番高くなり、規模が小さくなるほど給与水準も低くなる傾向が見られます。
病棟クラークの月給
| 組織規模 | 5～9人 | 10～99人 | 100～999人 | 1,000人以上 | 全事業所平均 |
|---|---|---|---|---|---|
| 月給 （手当込み） | 25万3,000円 | 30万5,600円 | 31万300円 | 33万5,000円 | 31万3,100円 |
| 月給 （手当含まず） | 24万5,500円 | 28万5,700円 | 28万8,000円 | 30万2,600円 | 28万9,900円 |
| 平均年齢 | 43.1 | 40.4 | 39.3 | 35.5 | 39 |
| 勤続年数 | 9.7 | 9.3 | 8.3 | 8.4 | 8.8 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より
賞与・ボーナス
病棟クラーク（その他の保健医療従事者）の賞与は、1,000人以上の大きな規模で95万2,900円と一番高くなり、次に100〜999人の規模で71万3,300円、10〜99人の規模で51万5,200円と、小規模になるほど、賞与額も低くなる傾向が見られます。
病棟クラークの賞与・ボーナス
| 組織規模 | 10～99人 | 100～999人 | 1,000人以上 | 全事業所平均 |
|---|---|---|---|---|
| 賞与・ボーナス | 51万5,200円 | 71万3,300円 | 95万2,900円 | 67万5,800円 |
賃金構造基本統計調査（厚生労働省）より集計
時給
短時間で働く病棟クラーク（その他の保健医療従事者）の時給平均は1,745円です。事業所の規模別では、従業員数が10〜99人の事業所で1,583円、次に1,000人以上の事業所で1,843円、もっとも高いのは100〜999人の事業所で1,970円となっています。
病棟クラークの賞与・ボーナス
| 組織規模 | 10～99人 | 100～999人 | 1,000人以上 | 1,000人以上 |
|---|---|---|---|---|
| 賞与・ボーナス | 1,583円 | 1,970円 | 1,843円 | 1,745円 |
賃金構造基本統計調査（厚生労働省）より集計
公務員の給与
病棟クラークの公務員としての職場は、一般的には地方自治体や国の保健福祉部門の病院や医療機関になります。入院患者の受付業務や医療記録の管理、医師や看護師のサポート業務などを担当します。
給与水準は地方公務員給与実態調査における看護・保険職を参考にすると、基本給にあたる給料月額が30万1,795円、その他の手当を合算すると38万9,770円となります。職場の規模や専門性、責任の大きさによってその価格は変動します。
手当・福利厚生
病棟クラークには、従業員およびその家族の生活を支援するために各種の福利厚生が提供されます。「法定福利」と呼ばれる健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険、介護保険などのほか、「法定外福利」と呼ばれる住宅手当や通勤手当、有給休暇、資格取得支援、出産・育児休暇、院内保育所を含む託児所・保育所などがあります。生活に不安を感じることなく仕事に専念できるよう、また従業員のモチベーション向上のために整備されているのが福利厚生用です。また、病棟クラークは医療現場で働くため、定期的な健康診断の受診を求められる場合があります。
