調剤薬局事務と医療事務はどっちがいい?仕事内容や給料を解説します | 教えてグッピー
2025年3月7日更新

調剤薬局事務と医療事務はどっちがいい?仕事内容や給料を解説します

調剤事務のと医療事務の仕事内容

調剤薬局事務と医療事務は、どちらも医療系の事務職です。そのため、医療機関で働きたいと思った際にどちらを選べばいいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。 この記事では、それぞれの特徴や違いを詳しく解説し、自分に合った選択をするためのポイントをお伝えします。

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調剤薬局事務とは?

調剤薬局事務は、調剤薬局やドラッグストアに併設された薬局が仕事場です。お薬を受け取りに来る患者さんへの接客をメインに、会計業務、レセプト業務、調剤補助などを行います。

働くために必須となる資格はありませんが、調剤薬局事務に関する資格を持っていると、就職・転職活動が有利に進みます。

調剤薬局とは(保険薬局)

調剤薬局とは、病院やクリニックでもらう処方せんに対応できる薬局の呼び名です。医療保険制度の仕組みの中で正式には「保険薬局」とされます。また、保険薬局にて保険調剤を行う薬剤師のことを「保険薬剤師」といいます。

調剤薬局

医療事務とは?

一般的に「医療事務」の仕事は、勤務先は病院やクリニック、診療所などであり、受付業務や会計業務・レセプト業務などが主な仕事内容です。

医療事務の仕事内容

医療機関によっては、医師や看護師のサポート業務に携わる場合もあります。総合病院などの複数の診療科がある医療機関の場合には、特に幅広い医療知識が必要になります。調剤薬局事務と同様に、働くうえでの必須の資格はありませんが、医療事務関連の資格を持っていると就職・転職が有利になります。

💡 ポイント

  • 医療事務の職場は主に医療機関
  • 調剤事務は主に調剤薬局(保険薬局)に勤務
  • ・主に医療を提供するか、処方薬を提供するかの違い

調剤薬局事務と医療事務の仕事内容の違い

調剤事務の仕事内容

調剤薬局事務は、会計業務などをメインに、処方箋内容の入力、調剤報酬請求、調剤補助、電話対応などを行います。

薬局によっては、在庫管理や発注業務など、薬剤師のサポートをメインとしているところもあります。

医療事務
処方箋のデータ入力、調剤報酬請求、会計など
調剤補助
薬のピッキング、医薬品の棚入れなど
一般事務
請求書の確認、電話対応
店舗管理
ディスプレイ、POPの作成など

調剤報酬に関するレセプトを扱う

医療期間、調剤薬局ともに「レセプト業務」を扱いますが、調剤薬局事務では調剤報酬に関するレセプトを扱います。 クリニック・病院などの医療機関でも、院内に調剤薬局の機能がある、院内処方のできる施設では、調剤報酬を扱います。

この業務は、レセコンと呼ばれるコンピュータが作成したレセプト(調剤報酬明細書)を確認し、組合健保や協会けんぽ、市区町村などの健康保険の保険者に調剤報酬を請求する作業です。

医療事務の仕事内容

それに対し医療事務は、受付業務や会計業務、レセプト作成・請求はもちろん、予約管理や電話対応、カルテ管理、備品や物販品の管理、さらには診療のサポートまで、業務内容が多岐にわたるのが特徴です。

💡 ポイント

  • ・医療機関は主に診療報酬、薬局は調剤報酬を扱う
  • ・調剤薬局事務は薬のピッキングなど調剤補助をする場合も
  • ・医療事務は職場によっては患者さんの診療をサポート

職場環境の比較

調剤薬局事務は、調剤薬局やドラッグストア併設の薬局が職場となるため、比較的小規模な職場である場合がほとんどです。

調剤薬局

一方医療事務は、個人経営のクリニックや歯科医院から、総合病院などの大規模医療施設や検診センターまで、勤務先の規模が多様であるという特徴があります。

医療機関

スキルと知識の比較

調剤薬局事務は薬局運営に関する知識、医療事務は医療全般に関する知識が求められます。医療事務のほうが、より総合的な知識が必要になるといえるでしょう。

また、調剤薬局事務・医療事務のどちらにおいても、ほとんどの職場においてレセプト作成は業務内容に含まれています。そのため、レセプト作成に関する知識は、どちらの職種につくとしても持っていたほうが有利です。

給料の違い

グッピーに掲載されている求人を参考に調剤薬局事務と医療事務の時給を比べてみると、大きな差はないものの医療事務のほうが給与水準が高い傾向にあることがわかります。

調剤薬局事務:平均 1,172円~1,349円
医療事務:平均 1,223円~1,388円

月給の場合も、調剤薬局は平均20万円~25万円、医療事務は平均21万円~29万円となっています。(GUPPY調べ)

自分に合った職種を選ぶポイント

調剤薬局事務と医療事務で迷った場合は、自分の性格や得意分野、キャリアプランなどで二つの職種を比較してみましょう。

例えば人と接することが好きな方や接客業務を得意とする方であれば、より接客業務の多い調剤薬局事務のほうが自身の特性を活かせる可能性があります。細かい業務や正確さが求められる業務が苦にならない方であれば、医療事務のほうがより向いているといえるでしょう。

調剤薬局事務のキャリアプランとしては、調剤薬局事務の実務経験を積み、登録販売者などの関連する資格を取るという方法があります。登録販売者資格を取ることで、ドラッグストア内でのキャリアアップも可能です。また、調剤薬局やドラッグストアは、病院やクリニックに比べて休みがとりやすい環境が整っていることが多く、出産や子育てを考えている方にとっても将来プランを考えやすい職場です。

医療事務は、景気の良し悪しに左右されにくく、安定した雇用が見込めることが大きなメリットです。特に、現代の日本は高齢化社会のため、今後も安定した需要が見込めます。また、医療事務の仕事は正社員はもちろん、パートやアルバイト、契約社員など、その雇用形態もさまざまです。そのため、ライフステージに合わせて働くことができます。調剤薬局と比べると座り仕事が多い傾向にあるため、ある程度年を重ねても無理なく仕事を続けていける仕事です。

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メリット・デメリットで比較

調剤薬局事務のメリットとデメリット

調剤薬局事務として働くメリットは、薬剤師と協力して患者さんのサポートができる点です。患者さんとの距離が近く、一人ひとりの患者さんの健康を支えているというやりがいを感じることができます。また、職場が比較的小規模な場合が多いため、スタッフ同士の距離も縮まりやすいという特徴があります。調剤薬局やドラッグストア併設薬局に職場が限定されるためスキルの汎用性が高くないという点はデメリットですが、その分経験や知識を積みやすい点もメリットです。

医療事務のメリットとデメリット

医療事務のメリットは、医療に関する総合的な事務作業を請け負う立場のため、幅広い知識を身に着けることができ、就職・転職先の選択肢が多くあることです。その分、業務量が多かったり、プレッシャーが大きかったりする場合もありますが、キャリアアップの選択肢が多くあることはメリットといえます。

Q&A

調剤薬局事務は医療従事者ですか?

厚生労働省が定義する医療従事者は、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、歯科衛生士、診療放射線技師、歯科技工士、臨床検査技師、衛生検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、言語聴覚士、管理栄養士、栄養士となっており、調剤薬局事務や医療事務は含まれていません。

しかし、医療従事者は「医療業界に従事する者」として広い意味で使用される場合もあり、その場合には調剤薬局事務や医療事務も医療従事者に含まれることがあります。

調剤薬局事務は誰でも取れる資格ですか?

調剤薬局事務をするうえで、必須となる資格はありません。また、調剤薬局事務に関連する資格に関しても、受験資格が定められていないものがほとんどであり、実務経験や学歴に関わらず受験することができます。ただし、資格によって合格率はさまざまです。資格取得を考えている場合には、十分に勉強して臨むようにしましょう。

薬局事務に向いている人は?

調剤薬局事務に向いているのは、人と接するのが好きな方です。患者さんはもちろん、薬剤師などほかのスタッフと協力して業務を進めていく必要があるので、人とコミュニケーションをとりながら仕事をするのが好きな方に向いています。また、データ入力等の細かい作業も行うことになるため、丁寧に作業ができる方やパソコン作業を得意としている方も向いています。

まとめ

調剤薬局事務と医療事務は、同じ医療系の事務職ですが、働く場所や対応する業務内容などに違いがあります。それぞれの特徴を理解し、自分の性格やキャリアプランに合った職種を選びましょう。

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