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副業をしている人のための確定申告ガイド「副業所得はいくらから必要?」
公開日:2025年03月14日
更新日:2025年03月31日
副業をしている人のための確定申告ガイド「副業所得はいくらから必要?」

副業と確定申告の重要性

厚生労働省が発表した「働き方改革実行計画」により、従業員の副業を認める企業が増加しています。 それに伴い、確定申告が必要となる人の数も増えていますが、中には「確定申告が必要なのかどうかがわからない」「確定申告のやり方がわからない」という方もいるのではないでしょうか。

確定申告は、副業で得た所得が20万円を超える場合や、各種控除を受ける場合に必要になります。期日までに確定申告を行わないと、無申告加算税の課税対象となるほか、延滞日数に応じた延滞税も課せられるため、申告期間中に申告・納付をするようにしましょう。

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確定申告が必要なケースとは?4つの所得

本業以外に副業で収入を得ていても、その所得が20万円以下であれば原則として確定申告は必要ありません。所得とは、売上金額から必要経費を差し引いた額のことです。例えば売上が25万円で経費が10万円であれば、所得は15万円となるため確定申告の必要はありませんが、もし経費が3万円であれば、所得は22万円となるため確定申告が必要です。

また、一般的に「副業」に分類される所得には、雑所得・事業所得・給与所得・不動産所得の4つの所得があります。

これらは、それぞれ確定申告での扱いが異なりますので、自身の所得が何に当てはまるのかを把握しておきましょう。

雑所得

雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得のどれにも当てはまらない所得のことです。公的年金や非営業用貸金のほか、アフィリエイト収入や原稿料など副業収入のほとんどが雑所得に該当します。また、生活に必要な日用品をフリマサイトなどで売却した場合には課税対象とはみなされませんが、転売のために日用品を仕入れている場合などは副業と見なされ、確定申告が必要になります。

事業所得

事業所得とは、営んでいる事業から得られる所得のことです。フリーランスとして生計を立てている場合には、事業所得として確定申告をすることになります。本業での給与所得に加えて副業収入を得ている場合には基本的には雑所得に分類されますが、収入額や稼働時間、帳簿保存の有無によっては事業所得として認められることもあります。その場合は、最大65万円の特別控除が受けられる「青色申告」が可能になるなどのメリットがあります。

給与所得:本業以外にアルバイトした場合

給与所得は、本業のほかにアルバイトなどで得た給与を指します。この場合、年末調整は本業である一社に対してのみ行われることになるため、すべての給与所得を合算した額で所得税を正しく計算するために、確定申告を行う必要があります。また、2つ以上の会社で年末調整を行ってしまった場合も、正しい税額を計算するために確定申告が必要です。

不動産所得 

不動産所得は、マンションや土地といった不動産の貸し付けによって得た所得を指します。不動産を得るためにかかった費用などを除いた額が20万円以上の場合には、確定申告が必要になります。

また、これらのほかに、医療費控除を受けたい場合や特例制度を利用せずにふるさと納税をする場合には、副業で得た所得の額に関わらず、確定申告をする必要があります。

確定申告の基礎知識

確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間に発生した所得金額とそれに対する所得税等の額を計算して確定させる手続きのことです。

1年間に得た副業での所得が20万円を超える場合には、翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告と納税を行う必要があります。

確定申告の方法には、白色申告と青色申告の2種類があり、所得の種類が事業所得や不動産所得の場合には青色申告を利用できます。青色申告は、開業届と青色申告承認申請書の提出や複式簿記での申告書作成が必要となりますが、最大65万円の控除を受けられるといったメリットがあります。

ただし、副業での所得の大半は雑所得に分類されるため、基本的には白色申告を利用することとなります。白色申告は、特別控除は受けられないものの、単式簿記での記帳が可能なため手続きが簡単だというメリットがあります。

白色申告のながれとしては、まずは記帳と決算作業を行い、確定申告書を作成します。加えて、控除証明書などの必要な添付書類を用意したら、税務署への提出です。提出方法は、税務署の窓口へ直接持参する方法、税務署へ郵送する方法、e-Taxを利用して提出する方法の3種類があります。e-Taxは電子申告のことであり、オンライン申請のため申告期間中であれば時間や場所を問わずに申告できるというメリットがあります。

確定申告の手順:実際にやってみよう

副業における白色申告での申請手順を解説します。

必要書類の準備


まずは、確定申告に必要な書類を準備します。すべての場合に必要となるのは、マイナンバーカード、本業の源泉徴収票、還付を受ける場合は銀行口座の情報です。マイナンバーカードがない場合には、マイナンバーを確認できる書類(通知カードや住民票)と、身元確認書類(運転免許証や保険証)の二つが必要になります。

また、副業が雑所得の場合は、年間の売上金額がわかる書類と年間の必要経費がわかる書類を用意します。副業が給与所得の場合には、その勤め先の源泉徴収票を用意しておきましょう。もし、副業が事業所得の場合には、仕訳帳や現金出納帳、売掛帳などの帳簿が必要となります。

そのほか、各種控除を受けるためには社会保険料控除証明書、生命保険料控除・地震保険料控除証明書、医療費の明細書などが必要になります。

確定申告書の作成

確定申告書類の作成にはいくつかの方法があります。

売り上げや仕入れ、経費などに関して、そこまで取引件数が多くない場合には、国税庁の申告書作成コーナーで作成するのがおすすめです。必要な項目を案内に沿って入力していくことで、税額が自動計算されます。また、確定申告クラウドサービスやソフトウェアを利用して作成する方法もあります。申告内容や流れに不安がある場合や手間を省きたいという場合には、税理士へ依頼したり、地域の確定申告相談会場で相談したりするといいでしょう。経験者の方であれば、手書きで作成することもできます。

確定申告書の提出

必要書類が準備でき、確定申告書の作成が完了したら、税務署へ提出します。

税務署への提出方法としては、直接窓口へ持ち込む方法と郵送する方法、e-Taxを利用する方法の3種類があります。e-Taxはオンラインでの申請方法であり、初めて使用する場合には開始届出書を提出して利用者識別番号を取得する必要があります。また、国税庁の確定申告書等作成コーナーや各種クラウドサービス・ソフトウェアはe-Taxでの提出に対応しています。e-Taxを利用することで、自宅にいながら確定申告書の提出が可能です。

副業の経費にできるものと注意点

副業にかかった費用は、経費として計上することができます。副業に係る主な勘定科目には、移動費や宿泊費を指す「旅費交通費」、10万円未満の文房具屋やオフィス用品などを指す「消耗品費」、梱包・配送費用を指す「荷造運賃」、取引先などとの交際費を指す「接待交際費」などがあり、これらに分類される支出がある場合には経費として計上することで課税所得額を減らすことができます。また、自宅で副業をしている場合には、家賃や水道光熱費、インターネット料金などの一部を按分して経費にすることが可能です。

経費を計上する際に気を付けておきたいのは、経費計上が可能な支出は事業に直結する支出のみであるということです。プライベートで参加した飲み会代や趣味で購入した書籍代などは、経費として計上することはできません。また、取引先との打ち合わせのために服を新調したという場合も、その服はプライベートでも着用する可能性が高いと考えられることから、経費として認められない可能性が高いといえます。

加えて、本業のほかに副業としてアルバイトなどで給与所得を得ている場合も、経費の計上が認められません。副業の経費に計上できるのは、雑所得、事業所得、不動産所得を得るために支出した費用であるということを覚えておきましょう。

 副業の確定申告でよくある質問

Q.副業で所得が増えると、住民税の額は上がりますか?

A.住民税は前年の収入をもとに税額を計算しています。そのため、副業で収入が増えれば、その分だけ翌年の住民税も高くなります。

Q.住民税の額で、本業の勤務先に副業がばれる可能性はありますか?

A.本業の勤務先は、従業員の給与から天引きした住民税を「特別徴収」という形で地方自治体に収めています。そのため、住民税の額が増加していることで副業に気付く可能性があります。 

Q.住民税の変動が原因で、勤務先に副業がばれないようにする方法はありますか?

A.勤務先に副業をしていることがばれたくないという場合には、住民税の納付方法を「特別徴収」ではなく「普通徴収」にし、自分で納めるようにしましょう。確定申告書の「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」の欄で「自分で納付」に〇をつけることで副業所得にかかる分の住民税が普通徴収となります

Q.確定申告の期限を過ぎるとどうなりますか?

A.原則として、確定申告期間は2月16日から3月15日までの1ヶ月間であり、この期間に申告と納税をする必要があります。もし、この期間に確定申告ができなかった場合、期限後申告扱いとなり、加算税や延滞税が課されます。病気やケガ、廃業などの一定の理由がある場合には、納税の猶予が認められる可能性がありますので、期限内の申告・納税が難しい場合にはこれらの猶予要件が適用されるかどうかを確認しましょう。

Q.過去の分をさかのぼって申告することはできますか?

A.過去5年分までであれば、さかのぼって申告することができます。確定申告の義務があるのに申告しておらず、期限を過ぎて申告する場合には「期限後申告」として延滞税などが課されますので、気づいた段階で早めに申告するようにしましょう。本来適用できた控除を申告していなかった場合は、還付申告をすることで納めすぎた分の税金を還付してもらうことができます。

確定申告を効率化するためのポイントとツール

確定申告を効率的に行うためには、各種クラウドサービスやソフトウェアを利用するのがおすすめです。必要事項を入力していくだけで税額の計算ができ、レシートや領収書から自動で勘定科目や金額を読み取ってくれる機能を備えているシステムでは、入力の手間自体を減らすことができます。

節税効果を最大化するためには、各種控除の申請を取りこぼしなく行い、収入金額が一定額を超えている場合には青色申告での確定申告も検討しましょう。前述したように、青色申告は事業所得、不動産所得、山林所得で利用できます。副業は雑所得に該当することが多いですが、記帳・帳簿書類の保存があり、その所得を得るための活動が、社会通念上、事業と称するに至る程度と認められれば事業所得と認められる可能性があります。

まとめ:確定申告を忘れずに行い、安心して副業を楽しもう

確定申告は1年の所得金額とそれに対する所得税額を計算するための手続きであり、副業でも所得が20万円を超える場合には行う義務があります。また、所得が20万円以下の場合でも、所得税を納めすぎているケースや医療費控除を受けたい場合などは、確定申告を行うことで所得税の還付を受けられる可能性があります。

確定申告の正しい知識を頭に入れ、期限内に必要な手続きを完了させることが、節税効果を得るためにも、ペナルティを避けるためにも大切です。現在は、確定申告の手間を省くためのさまざまなツールが出てきていますので、それらも活用することで安心して副業に取り組んでいきましょう。

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