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マイナンバーカード保険証化のメリット・デメリット
公開日:2025年04月01日
更新日:2025年04月18日
マイナンバーカード保険証化のメリット・デメリット

2021年10月にマイナンバーカードの保険証利用が可能になり、2024年12月2日からは従来の健康保険証は発行されなくなります。

デジタル化戦略の一環として導入されているこの制度ですが、マイナンバーカードの保険証利用に不安を感じている方、利用方法に疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。そのような方に向け、「マイナ保険証」の利用方法やよくある疑問について解説します。

マイナンバーカードと保険証一体化の概要

マイナンバーカードは、個人番号が記載された顔写真付きカードです。

身分証明書としての利用のほか、各種自治体サービスや、e-Taxなどの電子証明書を利用した電子申請に使用することができます。また、健康保険証として医療機関や薬局で利用することもでき、本人確認の正確性向上や既往歴などをもとにしたより良い医療の提供が期待されています。

そして、このマイナンバーカードの保険証利用(マイナ保険証)を今後は基本としていくことを、日本政府が発表しています。

それに伴い、2024年12月2日からこれまでの健康保険証は発行されなくなります。このようなマイナンバーカード利用推進の流れには、マイナンバーカードの普及拡大やそのほかの行政手続きとの連携強化など、マイナンバーカードを基盤としたデジタル社会構築の実現に向けた動きがあります。

今までの健康保険証はどうなる?

今までの保険証は使えなくなるのでしょうか?

2024年12月2日以降も、これまでの健康保険証は、その有効期限まで使用することができます。健康保険証の有効期限は、お手持ちの健康保険証に記載されていますので、確認しておくようにしましょう。

もし、マイナンバーカードを持っていない状態で、現行の保険証の有効期限が切れてしまったり、引っ越しや転職で保険資格が変わったりした場合には「資格確認書」で受診が可能です。この資格確認書は、現行の保険証の有効期限より前に保険者から送付されます。受け取るための申請等は必要ありません。

マイナンバーカード保険証化のメリット・デメリット

マイナンバーカードを保険証として利用することには、複数のメリットがあります。医療を受ける側にとっての代表的なメリットは、データに基づく医療が受けられるようになること、「限度額適用認定証」がなくても高額療養費の限度額を超えた支払いが免除されること、医療費控除申請が簡単になること、転職や引っ越しをした際も保険証の発行を待つ必要がないことなどです。

医療現場で働く人にとっては、服薬状況や資格情報をスムーズに取得できるようになること、それにより業務負担が軽減されることなどのメリットがあります。また、これらの情報がスムーズに取得できるようになることには、医療機関や薬局での待ち時間が軽減されるという、医療を受ける側にとってのメリットもあります。

このような複数のメリットがある一方で、マイナンバーカードにはさまざまな個人情報が含まれており、情報漏洩リスクやカード紛失時のトラブル発生リスクもあります。また、システム障害が起こる可能性や、紛失した際などの再発行に時間がかかるというデメリットもあり、今後のさらなるシステム整備が求められています。

マイナンバーカード保険証化の登録方法と手続き

マイナンバーカードを保険証として利用する場合、まずはマイナンバーカードの申請が必要になります。マイナンバーカードは、パソコンやスマートフォンを使い申請用WEBサイトから申請する方法、街中の証明写真撮影機を利用して申請する方法、郵送で申請する方法の3つの方法から申請が可能です。

マイナンバーカードが発行されたら、健康保険証として利用するための登録を行います。

登録申請は、マイナンバーカードを使って、

  • 顔認証付きカードリーダー
  • マイナポータル
  • セブン銀行ATM

にて行うことが可能です。
このうち、顔認証付きカードリーダーでの登録申請に関しては、医療機関や薬局に設置されているカードリーダーを使用することもできます。その場合は、その場で登録申請と健康保険証としての利用が可能になるため、登録手順に不安がある場合などは、この方法を利用するといいでしょう。

よくある質問

Q.マイナンバーカードが保険証になっても、今の保険証は使えますか?

有効期限までであれば、現行の保険証を利用することが可能です。その後は、マイナンバーカードを保険証として利用するか、保険者から送付される「資格確認書」を利用する必要があります。

Q.カード紛失時の対策は?

マイナンバーカードは、顔認証や暗証番号を紐づけることで医療情報を引き出せる仕組みになっているため、マイナンバーカードのみでは税金や年金、医療情報に関する情報を不正利用することは基本的にできません。一方で、マイナンバーカードの表面と裏面には、顔写真や氏名、住所、生年月日といった個人情報が記載されています。これらの個人情報流出を防ぐためには、紛失を防ぐための管理と、万が一紛失した際には即座に一時利用停止手続きをする必要があります。

Q.家族の保険証はどうなるのか?

被扶養者である家族がいる場合には、勤め先の会社を通じて健康保険組合にマイナンバーを届け出る必要があります。マイナンバーの届け出を行い登録されることで、マイナンバーカードを健康保険証として利用することができるようになります。

Q.利用を希望しない場合の選択肢は?

マイナンバーカードを健康保険証として利用することを希望しない場合、現行の保険証の有効期限まではその保険証を使用することができます。その後は、保険者から送られてくる「資格確認書」で受診が可能です。

まとめ

マイナンバーカードを保険証として利用することには、紛失や個人情報漏洩のリスクがある一方で、さまざまなメリットがあります。また、今後もさらなる利用範囲の拡大が検討されています。マイナ保険証の仕組みやメリットとデメリットを理解したうえで、利用するかどうかを判断するようにしましょう。